お座トロ展望列車、会津若松駅~会津田島駅の乗車レポートをお届けします。
会津鉄道会津線の会津若松駅~会津田島駅で運行する観光列車、お座トロ展望列車。
主に4月~11月の土日に運行していますが、紅葉シーズンなどは平日に走ることも。
沿線の風景を肌で感じられるトロッコ席や、非日常感のあるお座敷席、そして優雅に景色を楽しめる展望席。
とても魅力あふれる列車で、会津線での観光におすすめです。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- お座トロ展望列車 会津浪漫星号(会津若松駅~会津田島駅)の乗車記
- お座トロ展望列車・会津鉄道会津線の見どころなど
- お座トロ展望列車の車内(お座敷席・トロッコ席・展望席の様子)
- お座トロ展望列車の時刻表・料金・予約方法
ぜひ参考にしてみてくださいね。
会津鉄道会津線・お座トロ展望列車とは?
会津鉄道会津線は、福島県の西若松駅(会津若松市)~会津高原尾瀬口駅(南会津町)の約57kmを結ぶ第三セクター鉄道。
全列車が、西若松駅より先の会津若松駅まで直通しています。
会津若松駅~会津田島駅(非電化区間)
会津田島駅~会津高原尾瀬口駅(電化区間)
基本的に、以上のように運行形態が分かれているのが特徴。
会津田島駅以南では、栃木県の鬼怒川温泉や日光、東京都の浅草まで直通する特急列車も運行しています。
沿線には塔のへつり、大内宿、芦ノ牧温泉、湯野上温泉など見どころ盛り沢山。
会津鉄道沿線は観光におすすめのエリアばかりです。
そんな会津鉄道会津線で活躍する観光列車が、お座トロ展望列車。
主に4月~11月の土日に運行していますが、紅葉シーズンなどは平日に走ることも。
また最近では、2022年に全線運転再開した只見線に乗り入れる機会もあります。
- お座敷席
- トロッコ席
- 展望席
以上の3種類の車内に分かれていることから、その頭文字をとって「お座トロ展望列車」と名付けられました。
トロッコ車両から眺める新緑や紅葉、田園風景はまた格別。
非日常感があり、日頃の疲れも吹き飛びます。
お座トロ展望列車は、会津線の景色を最大限に楽しめるおすすめの観光列車です。
【車内】お座トロ展望列車のお座敷席・トロッコ席・展望席の様子
お座敷席
お座敷席はその名の通り、座敷と掘りごたつの車両。
座席は靴を脱いで利用します。
トイレはお座敷席に設置されています。
車椅子対応でした。
その他の特徴としては、1両の車内をお座敷席・展望席それぞれ半々で使用している点でしょうか。
1つの車内で全く違った雰囲気を楽しめるのが面白いです。
展望席
リクライニングシート完備の展望席。
12席と席数は少なめです。
各座席にはミニテーブルも用意されています。
1両の車内をお座敷席・展望席それぞれ半々で使用しているのがなんとも特徴的。
車両先頭部の展望スペース。
前面・後面展望を思う存分楽しめます。
トロッコ席・車内販売
今回、筆者が利用したトロッコ席。
4人掛けの対面ボックスシートが並んでいます。
直前までお座敷席とトロッコ席で迷っていた筆者。
空席状況を確認した際にお座敷席がけっこう混んでいたので、今回はトロッコ席に乗車することに。
- 春~夏くらい:窓全開での運行
- 秋~冬くらい:窓を閉め切っての運行
11月中旬に乗車したため、窓は全て閉まっていました。
列車にプロジェクターつけてトンネルシアター作っちゃう会津鉄道のセンス、控えめに言って最高すぎないか??? pic.twitter.com/VqrYp3m4M0
— なか@東北旅びより (@naka_travel) September 27, 2023
トンネルシアターを楽しめるのも、トロッコ席の魅力。
これまでに様々な観光列車に乗車してきましたが、これは筆者も初の体験でした。
トロッコ席には車内販売も。
沿線にまつわるグッズや食料品など、各種用意されていました。
お座トロ展望列車の時刻表・料金・予約方法
【2024年度】時刻表
会津若松 | 七日町 | 西若松 | 芦ノ牧温泉 | 湯野上温泉 | 塔のへつり | 会津下郷 | 会津田島 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
花号 | 9:50発 | 9:53発 | 10:00発 | 10:28発 | 10:50発 | 10:59発 | 11:07発 | 11:23着 |
星号 | 13:34発 | 13:37発 | 13:41発 | 14:01発 | 14:23発 | 14:32発 | 14:40発 | 14:57着 |
月号 | 9:33発 | 9:29発 | 9:26発 | 9:11発 | 8:57発 | 8:51発 | 8:44発 | 8:26発 |
風号 | 13:24着 | 13:21発 | 13:17発 | 12:58発 | 12:36発 | 12:27発 | 12:18発 | 11:58発 |
お座トロ展望列車の運行シーズンは、主に4月~11月。
基本的に冬の運行はありません。
花号・星号は会津若松駅発、月号・風号は会津田島駅発です。
料金
運賃(大人) | 会津若松~湯野上温泉:1,050円 会津若松~塔のへつり:1,150円 会津若松~会津田島:1,690円 |
---|---|
トロッコ整理券 | 大人:400円 子ども:200円 |
お座トロ展望列車に乗る場合、乗車券のほかにトロッコ整理券が必要。
トロッコ整理券は車内の乗務員さんから購入可能です。
座席指定券の予約方法
窓口で予約したい場合
- 会津鉄道有人駅(西若松駅・芦ノ牧温泉駅・湯野上温泉駅・会津下郷駅・会津田島駅・会津高原尾瀬口駅)
- 会津鉄道会津線の車掌
- JTB
- 東武トップツアーズ
- 近畿日本ツーリスト
- 日本旅行
有人販売を希望の場合、以上の場所で購入可能です。
トロッコ整理券は乗車日の1ヵ月前から発売してます。
ネットから予約したい場合
会津鉄道の公式サイトからWeb予約も可能です。
筆者は今回、Web予約を利用してみました。
オンラインでの予約の際は会員登録が必要。
Web予約は以下のリンクから可能です。
公式サイトお座トロ展望列車の予約|会津鉄道
【乗車記】お座トロ展望列車|会津鉄道のトロッコ列車で紅葉を巡るひとり旅
会津若松駅からお座トロ展望列車 会津浪漫星号に乗車
旅のスタートは会津若松駅。
福島県会津若松市の代表駅であり、只見線、磐越西線、会津鉄道会津線が乗り入れています。
会津地方の中心駅ということもあり、駅内にはみどりの窓口や指定席券売機はもちろん、飲食店・コンビニ・土産物屋なども。
お座トロ展望列車は5番線ホームからの発車。
お座トロ展望列車は月号・花号・風号・星号の4便がありまして
- 月号 会津田島駅 午前発
- 花号 会津若松駅 午前発
- 風号 会津田島駅 正午発
- 星号 会津若松駅 午後発
以上のような運行体系となっています。
今回筆者が乗車するのは、会津若松駅を午後に発車する会津浪漫星号。
すでに会津若松駅5番線ホームに入線していたお座トロ展望列車。
青を主体とした、クールでかわいらしい車体が特徴的です。
会津若松駅を出発
13時34分、お座トロ展望列車は定刻通りに会津若松駅を出発。
雲一つない青空…まさに絶好の旅びより。
ちなみに筆者が乗車したのは11月中旬頃。
トロッコ席の窓はすべて閉め切っての運行でした。
なお途中の西若松駅まではJR只見線内を走行します。
出発後、車掌さんからトロッコ整理券を購入。
大人1名で400円でした。
西若松駅に到着。
こちらから乗車する人も何名かいるようでした。
余談ですが、これより先の西若松駅~会津田島駅はJR線ではなく会津鉄道会津線の区間。
JR線ではないため、青春18きっぷでの乗車はできません。
注意が必要です。
西若松駅を出発。
JR只見線と分岐し、しばらくはのどかな田園風景の中を走行します。
周辺では稲刈りもすっかり終わっており、いよいよ冬が近づいてきたという実感が湧いてきました。
辺り一面の紅葉。
芦ノ牧温泉駅に到着。
当駅では10分ちょっと停車するようです。
芦ノ牧温泉駅に停車中のお座トロ展望列車。
反対側の先頭はこんな感じ。
前後でそれぞれ違う顔なのも面白いですね。
芦ノ牧温泉駅の側線には、先代のトロッコ列車が静態保存されています。
行先表示が旧駅名の上三寄駅になっていたのが印象的でした。
猫駅長のいる駅としても有名な芦ノ牧温泉駅。
2022年10月5日、病気のため天国へ旅立った2代目らぶ駅長の献花台が、駅舎内に設置されていました。
多くの訪問者、そして多くの花を目にし、本当にみんなから愛されていたんだなあと…
なんだか嬉しいような、しかし同時に余計寂しくなるような…そんな複雑な気持ちになったのをよく覚えています。
なお現在はらぶ駅長の妹、さくらがアテンダントとして頑張っているみたいです。
10分少々の停車ののち、芦ノ牧温泉駅を出発。
先ほどの田園風景とは一変して、豪快なエンジン音を響かせながら山奥を進みます。
深沢橋梁で一時停車。
深沢橋梁はお座トロ展望列車の見どころのひとつで、会津線内で一番高いところに位置するんだそう。
第三大川橋梁を通過。
こちらも会津鉄道会津線の見どころのひとつ。
この辺りの紅葉のピークはいつも大体10月下旬~11月上旬頃。
ピークを少し過ぎてからの訪問ですが、それでも素晴らしいです。
新緑の時期もいいですが、やはり個人的には紅葉の時期の風景が一番好きですね。
湯野上温泉駅に到着。
湯野上温泉駅では15分停車します。
湯野上温泉駅は、全国でも珍しい茅葺き屋根の駅舎として有名。
温泉街らしく、駅前には足湯もあります。
観光名所「大内宿」に最も近い温泉ということもあって、こちらで下車する人も何名かいるようでした。
停車時間中にパシャリ。
茅葺き屋根と紅葉とトロッコ列車。
この時期限定の景色です。
定刻通りに湯野上温泉駅を出発。
引き続き会津田島駅へ向けて走ります。
紅葉の名所「塔のへつり」の最寄り駅 塔のへつり駅
会津若松駅から約1時間、お座トロ展望列車は塔のへつり駅に到着。
会津を代表する観光地のひとつ「塔のへつり」の最寄り駅、塔のへつり駅。
立ち並ぶ岩壁が塔のように並んでいることから「塔のへつり」と呼ばれるようになったそう。
1943年には国の天然記念物に指定されています。
こちらは塔のへつりにある張り紙。
遥か昔から少しずつ、長い歳月をかけて浸食、風化していったことで、この景観がもたらされました。
余談ですが、会津では「山塩」が名産のひとつとして有名。
山塩とは、温泉水を焚いて作りあげた、ミネラル分を多く含む塩のこと。
その温泉水というのが、地層に閉じ込められた太古の海水が元になっているんだとか。
昔この辺りが海だったのも少し納得がいきますね。
新緑、紅葉、辺り一面の雪景色…
季節によって全く違った景観を楽しめるのも魅力のひとつ。
会津線で観光するなら、大内宿などと合わせて立ち寄っておきたいスポットです。
塔のへつり駅を出発。
山越えはひとまず終わり、再び田園風景の中を走ります。
会津下郷駅を出発。
もう完全に秋の終わりという雰囲気。
トロッコ車両に差し込むオレンジの日差しがノスタルジックな気持ちにさせます。
終点の会津田島駅に到着
会津若松駅から約1時間半、お座トロ展望列車は終点の会津田島駅に到着。
会津若松駅から来る列車は、基本的に当駅が終点になっています。
南会津町の主要駅ということもあって、駅構内は広め。
鬼怒川温泉、浅草方面へ乗り入れる快速や特急なども発着しています。
当駅から先は電化区間。
逆に当駅から会津若松駅までは非電化区間のため、特急や電車は乗り入れていません。
約1時間半の乗車でしたが、本当にあっという間だったように思います。
会津の自然豊かな景観が好きな筆者にとっては最高の観光列車でした。
次はお座敷席、窓が開いたトロッコ席にも乗車してみたいところですね。
【乗車記】お座トロ展望列車|会津鉄道のトロッコ列車で紅葉を巡るひとり旅|まとめ
以上、今回は「【乗車記】お座トロ展望列車|会津鉄道のトロッコ列車で紅葉を巡るひとり旅」という内容でお届けしました。
- 会津鉄道会津線の観光列車
- バラエティに富んだ車内
- 四季折々の景色
会津鉄道会津線の会津若松駅~会津田島駅で運行する観光列車、お座トロ展望列車。
沿線の風景を肌で感じられるトロッコ席や、非日常感のあるお座敷席、そして優雅に景色を楽しめる展望席。
とても魅力あふれる列車で、会津線での観光におすすめです。