北海道&東日本パスを使用した、2泊3日の東北一周電車旅の模様を旅行記としてまとめました。
東北での旅行となると、多くの場合はレンタカーでの移動やバイクでのツーリングになってしまいがち。
しかし今回の旅を通して、車なし・交通機関のみでも十分に楽しめることが分かりました。
- 電車で東北一周してみたい
- もし鉄道だけで東北一周したら、どんな感じか知りたい
そんな人へ向けて当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 東北一周旅行で利用した北海道&東日本パスについて
- 東北一周電車旅のプランやルート・費用について
- 2泊3日の東北一周旅行記
今度の旅行のモデルコースなど、ぜひ参考にしてみてくださいね。
東北一周旅行で使用した北海道&東日本パスとは?
料金 | 大人:11,330円 子ども:5,660円 |
---|---|
期間 | 連続した7日間 |
関連記事 | 【初心者向け】北海道&東日本パス|使い方・買い方を解説 |
北海道&東日本パスはJR東日本、JR北海道の普通列車とBRTが、1週間乗り放題になるお得な切符。
- バス・ラピッド・トランジット(バス高速輸送システム)の略
- バス専用道などを走ることで、路線バスよりも速達性、定時性を確保できる
北海道東日本パス、北東パスと略されることも多いこの切符。
最大の特徴はJRの路線に加え、青い森鉄道やIGRいわて銀河鉄道、北越急行といったJR以外の路線に乗れる点。
青春18きっぷ利用者が特に注意しなければならないのが、青い森鉄道といわて銀河鉄道。
青春18きっぷだといわて銀河鉄道には乗れませんし、青い森鉄道も制限付きの乗車になります。
それに対し、北海道&東日本パスであれば、青い森鉄道、いわて銀河鉄道に乗り放題。
東北・北海道方面での鉄道旅行におすすめの切符と言えます。
【基本情報】東北一周旅行の実際のルート・日数・費用などを紹介
【基本情報】季節・交通手段など
- 季節は夏(8月下旬)
- 2泊3日の一人旅
- 乗り放題切符「北海道&東日本パス」を利用
- 現地での移動は鉄道・バス・徒歩
- かばんはバックパック1つのみ
モデルコース・ルート
1日目 | 仙台駅 8:01発→本八戸駅 16:48着 宿:ダイワロイネットホテル八戸 |
---|---|
2日目 | 本八戸駅 6:13発→酒田駅 21:16着 宿:月のホテル |
3日目 | 酒田駅 6:59発→仙台駅 20:03着 |
費用
切符代 | 北海道&東日本パス:11,330円 リゾートしらかみ 指定席券:840円 SLばんえつ物語 指定席券:840円 あいづSATONO 指定席券:840円 |
---|---|
宿泊費 | 1泊目(ダイワロイネットホテル八戸):6,000円 2泊目(月のホテル):7,000円 |
食費 | 3日間合わせて6,500円 |
合計 | 33,350円 |
【東北一周】北海道&東日本パスで行くグルメや絶景尽くしの電車一人旅!費用・日数・ルートも紹介
【1日目 仙台~八戸】国の名勝 種差海岸を目指して
仙台駅から一ノ関駅行きの東北本線に乗車
旅の始まりは仙台駅。
まずはここから東北本線に乗車し、終点の一ノ関駅まで向かいます。
仙台エリアではお馴染み、E721系が本日最初の列車。
座席はこんな感じ。
4人掛けのボックスシートはよく旅行者に好まれる席です。
定刻通りに仙台駅を出発した東北本線。
塩釜駅を過ぎると車窓からは日本三景の松島が見えてきます。
東北本線は基本的に内陸部を走る路線のため、ひたすら田んぼ道を駆け抜けていきます。
真夏の東北は、特に緑が鮮やかで綺麗です。
一ノ関駅から盛岡駅行きの東北本線に乗り換え
仙台駅から約1時間半、一ノ関駅に到着しました。
岩手県に突入です。
一ノ関駅からは盛岡行きの東北本線に乗り換え。
2両編成の列車です。
東北本線は盛岡駅~東京駅を結ぶ長大路線ですが、地域によって車両に特徴があって面白いですね。
これも鉄道旅の楽しみのひとつではないでしょうか。
盛岡駅からIGRいわて銀河鉄道・八戸線で本八戸駅へ
一ノ関駅から約1時間半、終点の盛岡駅に到着。
盛岡といえば、やはり盛岡冷麺。
駅ビル地下の寿々苑にてランチがてら冷麺を食べることにします。
盛岡駅周辺は飲食店がかなり多い印象。
ご当地グルメを食べるもとし、カフェで一息つくもよし。
列車の待ち時間などを利用して散策するのもアリです。
盛岡駅からは、いわて銀河鉄道線に乗り換え。
終点の八戸駅を目指します。
東北新幹線が盛岡以北まで延伸されたことで、盛岡~青森間はJRではなくなりました。
そのため青春18きっぷ利用者は特に、この区間を利用する際は注意が必要です。
青春18きっぷの場合、IGRいわて銀河鉄道は利用できませんし、青い森鉄道は特定の駅でしか乗り降りができません。
しかし今回使っている北海道&東日本パスなら、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道も乗り放題。
東北・北海道方面での鉄道旅行には非常に使い勝手のいい切符です。
盛岡駅から約2時間、八戸駅に到着しました。
青森県の三大都市のひとつ、八戸市を代表する八戸駅。
ただ八戸市の中心地は、八戸駅周辺ではありません。
中心地へ行くには八戸線に乗り、本八戸駅まで向かう必要があります。
八戸駅から2駅先なので、所要時間にすると10分ほど。
すぐ着いてしまいますね。
仙台駅から約5時間、本日の宿泊地である本八戸駅へ到着しました。
ひとまず宿にチェックインしに行きましょう。
この日、筆者が宿泊したのはダイワロイネットホテル八戸。
中心エリアに近く、みろく横丁などの飲食街も歩いてすぐだったので、かなり使い勝手が良かったです。
国の名勝 種差海岸を散策
ダイワロイネットホテル八戸でのチェックイン手続きを終え、引き続き八戸線に乗車。
観光名所「種差海岸」に向かいます。
本八戸駅から種差海岸駅までは、約30分の道のりです。
八戸線は海沿いを走る路線なので、車窓から太平洋を眺められます。
本八戸駅から約30分、種差海岸駅に到着。
駅から種差海岸までは徒歩で10分ほどです。
初めての長旅でまず立ち寄った観光名所がここ、八戸の種差海岸。天然の芝生がある海岸は全国的にみても珍しいらしい。
空気が美味しくていつまでもいたいと思える場所。まじで死んだらここに骨埋めてほしいって思うくらい好き🫠 pic.twitter.com/nK6Scy0TVo
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) July 6, 2023
国の名勝の絶景、とても素晴らしい眺めです。
なんでも天然の芝生がある海岸は全国的にみても珍しいそう。
潮風や草木の音、ウミネコの鳴き声に癒されます。
【2日目 八戸~酒田】人気店の海鮮丼と絶景列車リゾートしらかみ
ヒラメの漬け丼で有名!みなと食堂で朝食
本日の出発の地はここ、青森県の本八戸駅。
始発の八戸線に乗車し、朝ごはんを食べるために陸奥湊駅まで向かうことに。
陸奥湊駅は本八戸駅の2駅先。
10分もかからずに着きます。
陸奥湊駅に到着。
当駅で降りる旅行者らしき人も何名かいました。
みなと食堂は行列のできる海鮮の人気店。
テレビや雑誌でも紹介されることが多く、県外からの利用者も多数いるほど。
早朝から営業しているので、ランチだけでなく朝食での利用にもおすすめです。
おすすめは何と言っても平目漬け丼。
一面にびっしりと並べられたヒラメの刺身に、ツヤツヤの卵黄とワサビ。
ビジュアルはもちろん、味も最高の一品です。
蕪島・蕪島神社を観光
みなと食堂で朝食をとり、八戸線で鮫駅までやってきました。
八戸方面へ向かう八戸線が出発するまで時間があるので、蕪島・蕪嶋神社に行ってみようと思います。
鮫駅から徒歩15分、蕪嶋神社に到着。
どっしりと構える神々しい社殿。
2019年末に再建されたため、建物がすごく新しいです。
八戸駅から青い森鉄道で青森駅へ
鮫駅から八戸線に乗車し、八戸駅までやってきました。
八戸駅からは青い森鉄道に乗り換え、終点の青森駅を目指します。
かつて東北本線として運行していた青い森鉄道。
東北新幹線が新青森駅まで延伸されたことにより、現在はJRの管轄ではなくなっています。
この関係で青春18きっぷでの乗車は要注意ですが、北海道&東日本パスであれば心配いらず。
森の中をひたすら突き進んでいきます。
八戸駅出発の時点では、乗客は数人程度。
終点の青森駅に近づくにつれ、乗客がだんだんと増えてきました。
ランチに名物の煮干しラーメンを堪能
八戸駅から約1時間半、青森駅に到着しました。
海に近いからか、真夏でも風が心地よく涼しく感じる青森駅前。
ちょうどお昼時ですし、駅周辺でランチをとっていこうかと思います。
青森のソウルフード「味噌カレー牛乳ラーメン」と迷った末、今回は駅に近い長尾中華そばへ行くことに。
長尾中華そばは、青森県を中心に展開しているラーメン屋。
青森名物でもある煮干しラーメンを売りにしています。
ライスにもよく合う、ガツンとした煮干しが特徴の一品。
駅から徒歩1分と超好立地ですし、とてもおすすめです。
五能線の観光列車リゾートしらかみに乗車
青森駅からはリゾートしらかみという観光列車に乗って、青森駅から秋田駅まで向かいます。
リゾートしらかみは奥羽本線・五能線を経由して青森駅~秋田駅を結ぶ観光列車。
五能線が愛される理由がここに詰まっている pic.twitter.com/MIvkqohzOd
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) April 20, 2024
東北を代表する観光列車として有名なリゾートしらかみ。
東北屈指の絶景を誇り、青春18きっぷのポスターデザインに選出されたことがあるほどです。
余談ですが、五能線は普通列車を使って観光を楽しむ人も多いんです。
時間に余裕のある方は、普通列車での旅を楽しんでみるのもいいかと思います。
リゾートしらかみではるばる5時間…
終点の秋田駅に到着。
秋田駅からは羽越本線に1時間50分ほど乗車し、山形県沿岸部の酒田駅へ。
酒田駅前にある「月のホテル」に宿泊します。
月のホテルは、2020年11月にオープンした比較的新しい宿泊施設。
地元料理を楽しめる朝食ビュッフェもあり、時間に余裕があればそちらを楽しむのもおすすめです。
【3日目 酒田~仙台】オーシャンビューと観光地 会津若松
酒田駅から羽越本線で新潟方面へ
3日目は酒田駅からスタート。
この日の予定をざっくり紹介すると、以下の通り。
新潟県と福島県を経由し、仙台へと帰る予定。
まずは酒田駅から特急いなほ号に乗車します。
注意点として、北海道&東日本パスでは特急や新幹線に乗車不可能。
もし利用したい場合は乗車券・特急券の購入が新たに必要です。
通常、酒田駅~新潟駅間で特急いなほ号(指定席)を利用すると5,370円。
しかし予約サイト「えきねっと」で乗車日の14日前までに購入すれば、3割引きの3,750円で乗車可能です。
羽越本線屈指の見どころ、笹川流れ。
日本海の荒波に揉まれてできた岩礁や洞窟…自然が生んだ造形美とはまさにこのこと。 pic.twitter.com/UKLJbnloWA
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) June 1, 2024
この日本海の雄大な車窓こそ、羽越本線最大の魅力。
特に桑川駅付近で眺められる笹川流れは屈指の見どころ。
日本海の荒波に揉まれてできた岩礁や洞窟…
自然が生んだ造形美とはまさにこのことです。
2時間ほどで新潟駅に到着。
普通列車だと最低3時間はかかるので、大幅に時間短縮することができました。
新潟駅から信越本線の普通列車に乗車し、新津駅へ。
新津駅より乗車するのは、人気観光列車のSLばんえつ物語。
新津駅~会津若松駅間を週末に1日1往復しています。
大正ロマンの雰囲気に浸りながら眺める風光明媚な車窓は格別。
機会があればぜひ乗車していただきたい列車です。
会津若松で昼食・観光
3時間半ほどで会津若松駅に到着。
次の列車まで3時間くらい余裕があるので、市内で観光をしていくことに。
会津若松駅からは周遊バス「あかべぇ」に乗車。
30分間隔で運行していますし、中心部の主要な観光地はこのバスひとつでまわれます。
やはり鶴ヶ城は外せない観光スポットのひとつ。
特に桜の時期の風景は何度見ても素晴らしいです。
鶴ヶ城を観光した後は、再び周遊バスに乗り東山温泉へ。
最寄りバス停の東山温泉駅で下車。
ちなみに駅ではありますが鉄道は通っていません。
レトロノスタルジックな待合室。
まるでここだけ時間が止まっているかのようです。
温泉街なだけあって足湯もあります。
湯加減がちょうどよく、ずっと浸かっていたいくらいの心地よさ。
足湯の後は、こちらの卯之家にてランチを。
戦後間もない頃からこの地でお店を営んでいるそうです。
中でもおすすめは、会津グルメを一挙に楽しめる卯之家セット。
リーズナブルでありながら大変おいしく、とてもおすすめです。
会津若松駅に戻り、観光列車「あいづSATONO」に乗車して郡山駅に向かいます。
あいづSATONOは2024年4月にデビューした新しい列車。
新潟方面から来る場合、SLばんえつ物語との乗り継ぎ旅も楽しめるのが地味に嬉しいですね。
郡山駅から東北本線で仙台駅へ
会津若松駅から約2時間、終点の郡山駅に到着。
普段は東北本線用として使うことが多い2番線への入線です。
郡山駅から東北本線に乗車し、福島駅へ。
福島駅にて仙台行きの東北本線に乗り換え。
これがこの旅の最後を飾る列車です。
福島駅から約1時間半、ついに仙台駅に到着。
3日間に渡る東北一周旅行、これにて終了です。
長年東北に住んでいましたが、まだまだ知らない魅力が沢山あることに気付きました。
これからも旅を通して、その魅力の数々を取り上げていければと思っている次第です。
【東北一周】北海道&東日本パスで行くグルメや絶景尽くしの電車一人旅!費用・日数・ルートも紹介|まとめ
以上、今回「【東北一周】北海道&東日本パスで行くグルメや絶景尽くしの電車一人旅!費用・日数・ルートも紹介」という内容でお届けしました。
いわゆる有名な観光地までのアクセスは、どうしても車を使わなければいけないイメージが強い東北地方。
しかし今回の旅を通して、車なし・交通機関のみでも十分に楽しめることが分かりました。
北海道&東日本パスを使った東北一周旅行、とてもおすすめです。