- 東北本線で東京から青森まで行きたい
- 盛岡~八戸~青森を電車で移動したい
- 「いわて銀河鉄道」「青い森鉄道」は青春18きっぷでも乗れるのか知りたい
そんなお悩みをお持ちの方へ。
これまでに様々なフリー切符を使って、東北各地で鉄道一人旅をしてきた筆者。
そんな筆者が特に「ここだけは気を付けてほしい!」と思っている路線が、青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道です。
結論だけ簡単に書くと、青春18きっぷだと青い森鉄道には条件付きで乗れますが、IGRいわて銀河鉄道には乗れません。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
ぜひ鉄道旅の参考にしてみてくださいね。
IGRいわて銀河鉄道は青春18きっぷでは乗れない
青春18きっぷでは、IGRいわて銀河鉄道に乗車できません。
乗車する場合、通常通り運賃を支払う必要があります。
ちなみに各主要駅までの料金は、以下の通り。
- 盛岡駅~八戸駅:3,110円
- 盛岡駅~好摩駅:660円
- 盛岡駅~二戸駅:2,000円
- 二戸駅~八戸駅:1,070円
盛岡駅・大館駅からJR花輪線に乗車する場合
青春18きっぷだけでは、JR花輪線に乗車できません。
盛岡駅~好摩駅間がいわて銀河鉄道線内のため、別途で660円支払う必要があります。
JR花輪線について詳しく知りたい場合は、以下の「花輪線 乗車レポート」を参考にしてみてください。
盛岡駅~八戸駅で乗車する場合
- 盛岡駅~目時駅:IGRいわて銀河鉄道
- 目時駅~八戸駅:青い森鉄道
以上のように、盛岡駅~八戸駅間はJR線ではありません。
青春18きっぷの特例も適用されていない区間のため、通常通り片道3,110円の追加運賃を支払う必要があります。
青い森鉄道は青森~野辺地~八戸のみ青春18きっぷで乗れる
青い森鉄道は、特定の区間でのみ青春18きっぷで乗車できます。
青春18きっぷは、全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)、およびJR西日本宮島フェリーをフリーエリアとした特別企画乗車券であり、青い森鉄道線では原則としてご利用いただけませんが、JR津軽線、JR奥羽本線、JR大湊線とJR八戸線の各駅相互間を在来線で乗り継ぐためには青い森鉄道線の「青森~八戸」間、「青森~野辺地」間及び「八戸~野辺地」間を通過する必要があることから、特例として、青い森鉄道線の同区間を普通・快速列車の普通車自由席で通過利用する場合に限り、別途運賃を支払うことなく利用できます。
ただし、青森駅・八戸駅・野辺地駅でJRの在来線に乗り継ぐ場合に限り、途中下車することができます。※発駅、着駅いずれもJRの在来線の駅である必要があります。
※青い森鉄道線内の駅から乗車した場合及び青い森鉄道線内の駅で下車した場合は、当社線内のご利用全区間の運賃を別途お支払いしていただく必要がございます。引用:青い森鉄道株式会社
青い森鉄道を利用する場合は、JRの在来線に乗り継ぐ場合に限り、青森駅・野辺地駅・八戸駅の3つの駅でしか乗り降り可能。
青森駅・野辺地駅・八戸駅以外の駅で乗り降りしてしまうと、通常通り運賃を支払う必要があります。
青森駅~八戸駅で乗車する場合
青春18きっぷの特例で、JRの在来線に乗り継ぐ場合に限り、青森駅・野辺地駅・八戸駅の3駅なら乗り降り可能。
- 青森駅でJR津軽線・JR奥羽本線に乗り継ぐ場合
- 八戸駅でJR八戸線に乗り継ぐ場合
以上の場合であれば、追加運賃を支払う必要はありません。
青森駅~浅虫温泉駅で乗車する場合
青森駅~浅虫温泉駅間は、青春18きっぷの特例が適用されない区間。
そのため通常通り、片道460円の追加運賃を支払う必要があります。
八戸駅~目時駅間で乗車する場合
目時駅~八戸駅間も、青春18きっぷでは乗車できません。
片道690円の追加運賃を支払う必要があります。
快速しもきたに乗車する場合
八戸駅~野辺地駅~大湊駅間では、青い森鉄道・JR大湊線経由で「快速しもきた」という列車が運行しています。
- 八戸駅~野辺地駅:青い森鉄道
- 野辺地駅~大湊駅:JR
八戸駅~野辺地駅は青い森鉄道ですが、青春18きっぷの特例が適用される区間。
野辺地駅~大湊駅もJR線内のため、追加で運賃を支払う必要はありません。
青い森鉄道線内のうち、八戸駅・野辺地駅以外の駅(下田駅や三沢駅など)から乗車する場合、降車駅までの運賃が別途必要になります。
青春18きっぷ以外で盛岡~八戸~青森を移動するには?【新幹線・高速バス・フェリー】
- 東北新幹線
- 高速バス
- 【おまけ】高速バス+フェリー
在来線を除くと、盛岡~八戸~青森間の移動手段は主に3つ。
以下でそれぞれ詳しく紹介していきます。
東北新幹線(盛岡駅~八戸駅)
所要時間 | 約30分 |
---|---|
料金 | 3,560円 ※特定特急券を利用 |
ここだけの話、盛岡駅~八戸駅間の移動は在来線も新幹線もそこまで料金に差がないんです。
盛岡駅~八戸駅間の料金と所要時間 | ||
---|---|---|
料金 | 所要時間 | |
IGRいわて銀河鉄道 青い森鉄道 | 3,110円 | 約2時間 |
東北新幹線 | 3,560円 (運賃+特定特急券) | 約30分 |
特定特急券とは、一部区間で販売されている自由席特急券のようなものです。
東北新幹線はやぶさ号には自由席がありませんが、特定特急券を買えば空いている席を使えます。
ただし、その座席の指定席特急券を持った人が来た場合は、座席を譲りましょう!
表を見ると分かるように、在来線と新幹線の料金差はわずか450円。
新幹線を使えば1時間半も短縮できますし、旅の自由度が一気に広がりますね。
青春18きっぷ利用者の中では、一部区間のみ新幹線を利用する方法を「ワープ」と呼んでいます。
ここで紹介したように盛岡~八戸で新幹線を使う人もいれば、中には盛岡~新青森で使う人も。
詳しくは以下のページを参考にしてみてください。
高速バス(盛岡駅~本八戸駅・弘前駅・青森駅)
所要時間 | 盛岡~八戸:約2時間半 盛岡~弘前:約2時間10分 盛岡~青森:約2時間45分 |
---|---|
料金 | 盛岡~八戸:2,200円 盛岡~弘前:3,400円(往復6,000円) 盛岡~青森:3,600円(往復6,000円) |
盛岡駅~本八戸駅間では、八盛号という高速バスが運行してます。
2023年8月現在の八盛号の運行時刻表は、以下の通り。
出発停留所 | 出発時刻 | 到着停留所 | 到着時刻 | |
---|---|---|---|---|
八戸行き | 盛岡駅西口(22番) | 18:25 | 本八戸駅 | 20:40 |
盛岡行き | 本八戸駅 | 8:35 | 盛岡駅西口 | 10:58 |
減便の影響で1日1往復の運行のため、時間を合わせるのが少し難しいかもしれません。
それならば、いっそのこと弘前や青森まで直行するのもアリです。
八盛号よりは時間を合わせやすい方かと思います。
なお各方面の高速バスの詳しい料金、車内の雰囲気、実際の乗車レポートは以下のリンクからご覧ください。
【おまけ】高速バス+フェリー
料金 | 区間 | |
---|---|---|
札幌・八戸なかよしきっぷ | 大人:6,500円 子ども:3,250円 | 札幌駅~(バス)~苫小牧港~(フェリー)~八戸港 |
札幌・盛岡なかよしきっぷ | 大人:8,400円 子ども:4,200円 | 札幌駅~(バス)~苫小牧港~(フェリー)~八戸港 八戸港~(高速バス八盛号)~盛岡駅 |
八戸港~苫小牧港・室蘭港を結ぶシルバーフェリーでは「札幌・八戸なかよしきっぷ」「札幌・盛岡なかよしきっぷ」というお得な切符を販売しています。
- 北海道から本州へ向かう場合
- 本州から北海道へ向かう場合
以上の場合は、フェリーを利用するのもひとつの手です。
料金は少し高くつきますが、睡眠をとりながら移動できるのが魅力。
高速バスとは違い、フェリーだと横になって休めるのが嬉しいですね。
合わせて参考にしてみてください。
公式サイトなかよしきっぷ|シルバーフェリー
【おすすめルート】青春18きっぷで移動したい時は?青い森鉄道・いわて銀河鉄道に乗らないコースを比較
ルート | 乗車路線 | 乗り換え回数 | 所要時間 | 追加料金 |
---|---|---|---|---|
仙山線ルート | 仙山線 奥羽本線 | 3~4回 | 約13時間 | 0円 |
陸羽東線ルート | 東北本線 陸羽東線 奥羽本線 | 2~4回 | 約13時間15分 | 0円 |
北上線ルート | 東北本線 北上線 奥羽本線 | 4~5回 | 約11時間 | 0円 |
田沢湖線ルート (新幹線なし) | 東北本線 田沢湖線 奥羽本線 | 4回 | 約16時間15分 | 0円 |
田沢湖線ルート (新幹線あり) | 東北本線 秋田新幹線 奥羽本線 | 4回 | 約11時間 | 2,650円 (特定特急券利用) |
花輪線ルート | 東北本線 いわて銀河鉄道線 花輪線 奥羽本線 | 5回 | 約11時間 | 660円 |
新幹線ルート | 東北本線 東北新幹線 奥羽本線 | 3回 | 約5時間20分 | 5,720円 |
仙台駅発とした場合、考えられるルートは以上の通り。
それぞれ詳しく紹介していきます。
仙山線ルート(山形・秋田経由)
- 仙台駅から仙山線で羽前千歳駅へ
- 羽前千歳駅から奥羽本線で青森駅へ
仙山線ルートは山形県・秋田県を経由して向かうルート。
仙山線で一旦山形へ抜けたら、後は奥羽本線でひたすら北へ向かうシンプルなコースです。
このルートの見どころといえば、仙山線沿線の観光地「山寺」でしょう。
断崖絶壁にお堂がたたずむお寺として有名で、頂上から見る景色は圧巻…
一度は行く価値アリです。
陸羽東線ルート(新庄・秋田経由)
- 仙台駅から東北本線で小牛田駅へ
- 小牛田駅から陸羽東線で新庄駅へ
- 新庄駅から奥羽本線で青森駅へ
陸羽東線ルートは、山形県北部の新庄・秋田を経由して向かうルート。
陸羽東線の鳴子温泉~新庄は本数が少なく要注意ですが、魅力的なローカル線のひとつです。
「奥の細道湯けむりライン」という愛称で親しまれる陸羽東線。
沿線にはいくつもの温泉地が点在し、そのどれもがハイレベルな場所ばかり。
鉄道旅行のついでに温泉を楽しむなら、このルートがベストです。
また土日祝日を中心に、仙台駅~新庄駅では「快速湯けむり号」も運行しています。
快適なリクライニングシートを利用でき、新庄まで乗り換えなし。
時間帯が合えば、こちらを利用してみるのもおすすめです。
北上線ルート(北上・横手・秋田経由)
- 仙台駅から東北本線で北上駅へ
- 北上駅から北上線で横手駅へ
- 横手駅から奥羽本線で青森駅へ
北上線ルートは岩手県・秋田県を経由して向かうルート。
途中で新幹線を使わずに最速で行きたい場合は、このルートがおすすめです。
本数こそ少ないものの、見ごたえある車窓を楽しめる北上線。
沿線には、全国的にも珍しい温泉付き駅舎「ほっとゆだ」があります。
時間があればこちらに立ち寄るのもいいでしょう。
田沢湖線ルート(盛岡・大曲経由)
- 仙台駅から東北本線で盛岡駅へ
- 盛岡駅から田沢湖線(秋田新幹線)で大曲駅へ
- 大曲駅から奥羽本線で青森駅へ
田沢湖線ルートは、盛岡から日本海側へ抜け、秋田を経由して向かうルート。
このルートを使う場合は、基本的に秋田新幹線でワープするのをおすすめします。
盛岡駅~大曲駅は秋田新幹線も在来線と同じ線路を走る区間。
新幹線に関しては1時間に1本程度の運行ですが、盛岡駅~大曲駅を全線走破する普通列車は1日に3~4本しかありません。
新幹線を使えば、北上線ルート同様の11時間ほどの所要時間で青森まで行けます。
花輪線ルート(盛岡・大館経由)
- 仙台駅から東北本線で盛岡駅へ
- 盛岡駅から花輪線で大館駅へ
- 大館駅から奥羽本線で青森駅へ
花輪線ルートは、盛岡から秋田県北部の大館へ抜け、青森を目指すルート。
余談ですが、仙台から弘前へ普通列車で向かう場合はこのルートが最速です。
このルートではいわて銀河鉄道線の盛岡~好摩を走行するため、別途追加料金が必要なので注意。
料金は660円です。
新幹線ルート
- 仙台駅から東北本線で盛岡駅へ
- 盛岡駅から東北新幹線で新青森駅へ
- 新青森駅から奥羽本線で青森駅へ
新幹線ルートは、盛岡から東北新幹線を使い、ダイレクトで青森までアクセスするルート。
出費はかさみますが、間違いなくこれが最速の移動方法でしょう。
詳しくは以下のページでも紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
【お得な切符・乗り放題パス】青い森鉄道・いわて銀河鉄道に乗車するなら北海道&東日本パスもおすすめ
青春18きっぷと似たような切符で、北海道&東日本パスというものがあります。
なぜなら北海道&東日本パスを使えば、青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道が乗り放題になるからです。
青春18きっぷだと、青い森鉄道は条件付きで利用しなければいけませんし、IGRいわて銀河鉄道に至っては乗車すらできません。
そのため北へ向かう場合は、山形県、秋田県側から遠回りをして行かなければいけないのです。
しかもこの区間は「東北の難所」でも解説しているように、列車の運行本数がかなり少ない場所もあります。
北海道、東北方面での鉄道旅を考えているのであれば、とてもおすすめです。
【青森~盛岡】青春18きっぷでいわて銀河鉄道・青い森鉄道は乗れる?|まとめ
以上、今回は「【青森~盛岡】青春18きっぷでいわて銀河鉄道・青い森鉄道は乗れる?」という内容でお届けしました。
IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道は、青春18きっぷ旅行者がよく間違えて乗ってしまうことが多い路線。
ぜひ参考にしていただけたらと思います。