JR東日本仙台支社からデビューした列車「快速湯けむり号」の乗車レポートをお届けします。
快速湯けむり号は、東北デスティネーションキャンペーン開催に合わせデビューした列車。
釜石線の「快速はまゆり号」として運用していた、キハ110系をリニューアルして作られました。
釜石線「快速はまゆり」
快速はまゆりの車内
快速はまゆり号と言えば、リクライニングシート完備の乗り得な列車としても有名。
さらには
- リーズナブルな指定席料金(530円)
- リクライニングシート完備
- 車内販売のワゴン、フリーWi-Fiあり
というサービスっぷり。
従来の快速湯けむり号の車内
快速湯けむり号の車内
先日まで運用についていたボックスシート車両に比べ、格段にサービス向上した快速湯けむり号。
南東北での鉄道旅行や、鳴子温泉での観光にぜひ利用したい列車です。
ということで当ブログ「東北旅びより」では
- 快速湯けむり号ってどんな列車?
- 快速湯けむり号に乗ってみたい!
- 快速湯けむり号の車内設備が気になる!
そんな方へ向けて、以下の内容を紹介していきます。
- 快速湯けむり号の座席表・車内の様子
- 快速湯けむり号の時刻表・停車駅・運転日
- 快速湯けむり号の仙台駅~鳴子温泉駅~新庄駅間の乗車レポート
ぜひ参考にしてみてくださいね。
【座席表・車内】快速湯けむり号・レトロラッピング車両の車両設備
座席表
快速湯けむり号は全車指定席。
自由席がないので、座席指定券(530円)を購入する必要があります。
ドア付近にある4人掛けのボックス座席は、車内販売の準備スペースになっています。そのため、座席の指定はできません。
車内
快速湯けむり号は、全部で2両編成。
トイレは2号車に設置されています。
快速はまゆり号と同じく、車内はリクライニングシート完備。
さらには車内販売、Wi-Fi付き。
仙台~新庄間の所要時間は、乗り通すと約3時間~3時間半。
長時間の乗車になりますが、これだけの設備であれば、特に不便に感じることはなさそうです。
席に座ってみました。
特に窮屈には感じないので、長時間の乗車でも安心です。
各座席には背面テーブル完備。
背面テーブルのすぐ下には、荷物を入れるネット。
車両上部には荷物棚もあるので、大きなスーツケースがあっても安心。
また車両ドア付近にデッキ等の設備は無く、簡単な仕切りだけが設置されています。
窓が大きく、車窓楽しむにも申し分ないです。
ちなみに個人的な快速湯けむり号のおすすめ座席は、A席。
鳴子峡や温泉街の風景を思う存分に楽しめます。
2列の席で1つの窓を使っているので、前側の列の席だとどうしても窓を占有する面積が小さくなってしまうんです。
そのため、人によっては「カーテンと仕切りが邪魔で、車窓がなかなか楽しめない…」となる可能性もあります。
- 仙台発の列車:奇数列の番号(1号車1番A席、2号車3番A席など)
- 新庄発の列車:偶数列の番号(1号車2番A席、2号車4番A席など)
以上の座席を選べば、より車窓を楽しめるのでおすすめです。
【2024年】快速湯けむり号・レトロラッピング車両の運転日・時刻表・停車駅
運転日(2024年春)
出発駅 | 出発時刻 | 到着駅 | 到着時刻 | 運転日 |
---|---|---|---|---|
仙台 | 9:37 | 新庄 | 12:37 | 3/2.3.9.10.16.17.23.24. 30.31 4/6.7.13.14.20.21.27-29 5/3-6.(11.12.18.19.25.26) 6/(1.2.8.9)15.16.22.23. 29.30 |
新庄 | 15:00 | 仙台 | 17:40 |
2024年春の快速湯けむり号の運転日は、以上の通り。
詳しい運転日は、JR東日本の公式サイトからもご覧になれます。
( )の日付は「レトロラッピング車両」ではなく、全車自由席の通常の車両での運行となります。
そのためWi-Fiサービス、車内販売はないのでご注意を!
時刻表・停車駅
仙台 | 松島 | 小牛田 | 古川 | 岩出山 | 有備館 | 川渡温泉 | 鳴子御殿湯 | 鳴子温泉 | 中山平温泉 | 赤倉温泉駅 | 最上 | 瀬見温泉 | 新庄 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
下り (仙台発) | 9:37 発 | 10:00 着 10:01 発 | 10:20 着 10:25 発 | 10:35 着 10:36 発 | 10:55 着 10:58 発 | 11:00 着 11:01 発 | 11:16 着 11:20 発 | 11:25 着 11:26 発 | 11:30 着 11:34 発 | 11:42 着 11:42 発 | 12:00 着 12:00 発 | 12:05 着 12:06 発 | 12:18 着 12:18 発 | 12:37 着 |
上り (新庄発) | 17:40 着 | 17:17 着 17:18 発 | 16:59 着 17:01 発 | 16:44 着 16:44 発 | 16:27 着 16:30 発 | 16:24 着 16:25 発 | 16:11 着 16:11 発 | 16:06 着 16:06 発 | 16:01 着 16:03 発 | 15:52 着 15:53 発 | 15:36 着 15:36 発 | 15:30 着 15:30 発 | 15:18 着 15:19 発 | 15:00 発 |
以上の時刻で、土日祝日を中心に運転しています。
【快速湯けむり号 乗車記】レトロラッピング車両がデビュー!リクライニング完備の快適列車で仙台から新庄へ
仙台駅から快速湯けむり号に乗車
旅のスタートは仙台駅。
東北地方最大のターミナル駅で新幹線、在来線合わせて6路線が乗り入れています。
これから乗車するのは、快速湯けむり号。
仙台駅~新庄駅間を陸羽東線経由で結ぶ列車です。
出発の10分ほど前にホームに入線。
方向幕は「臨時」の表示。
使用車両は、キハ110系。
釜石線の「快速はまゆり号」として運用していた車両を、少しだけリニューアルしたものです。
ちなみに現在は外装が異なり、こちらのレトロラッピング車両での運転になっています。
さっそく車内へ。
30年前に作られた車両とは言えども、年季をあまり感じさせないコンディション。
従来の車内
東北の祭りラッピング車両の車内
先日まで運行していたボックスシート車両に比べ、格段にサービス向上した快速湯けむり号。
リクライニングシート車両が運用につくのは期間限定ではあるものの、一度は乗る価値アリです。
仙台駅を出発 東北本線内を快走
定刻通りに仙台駅を出発した東北の祭りラッピング車両。
東北本線内の停車駅は松島、小牛田のみ。
東北本線内はスイスイと進んでいきます。
まるで、かつて走っていた観光列車「リゾートみのり」を彷彿とさせるような走りです。
2020年6月で引退となった、観光列車リゾートみのり。
塩釜駅を通過すると、車窓からは日本三景の松島が見えてきます。
松島駅に到着。
お客さんの乗り降りもちらほらいました。
車内検札も無事終了。
ちなみに今回使っている切符は、小さな旅ホリデー・パス。
南東北のほとんどのJR線が1日乗り放題になるので、かなり便利です。
車掌さんにお願いすると、乗車記念スタンプももらえます。
レールを運ぶ車両と、HB-E210系と719系のようなものをモチーフにしているんだと思います。
東北の祭りラッピング車両の乗車記念シールも、合わせていただきました。
小牛田駅からは陸羽東線へ
仙台駅から約40分、東北の祭りラッピング車両は小牛田駅に到着。
小牛田駅は、東北本線や陸羽東線に加え、石巻線、一部の気仙沼線も発着する主要駅。
そのためか、お客さんの乗り降りも比較的多いです。
小牛田駅を出発すると、列車はいよいよ陸羽東線内へ。
東北本線と分岐し、しばらくは田園地帯を横目に走ります。
古川駅に停車。
新幹線の停車駅なためか、ここでもお客さんの乗り降りがけっこうあります。
岩出山駅では普通列車と行き違いに。
岩出山駅の駅舎は、岩出山城をモチーフにしたデザインなのだそう。
有備館駅を出発。
有備館駅は、日本最古の学問所「有備館」の最寄り駅。
徒歩圏内に岩出山城址もあります。
川渡温泉駅に停車。
川渡温泉は、鳴子温泉郷の東の玄関口。
開湯は1000年以上前とされており、江戸時代には湯治場として賑わったのだとか。
- 川渡温泉
- 鳴子温泉
- 中山平温泉
- 赤倉温泉
- 瀬見温泉
陸羽東線沿線には「○○温泉」と付く駅名が5つもあるんです。
しかも、どの温泉も特徴が違っていて魅力的。
陸羽東線は、温泉旅にもうってつけの路線です。
鳴子御殿湯駅に停車。
鳴子御殿湯駅は、東鳴子温泉の最寄り駅です。
駅名の由来は、江戸時代に仙台藩主専用の風呂(御殿湯)が置かれたことからなんだそう。
鳴子温泉駅で25分停車 周辺を観光
仙台駅から約2時間、鳴子温泉駅に停車。
仙台発の快速湯けむり号の場合、鳴子温泉駅では25分停車します。
停車時間を利用して、駅周辺で観光するのもおすすめです。
ダイヤ改正により、現在は鳴子温泉駅での停車時間が4分しかありません。
鳴子温泉で観光する場合、当駅で途中下車するしかなさそうです。
さすが温泉街…なんと駅前には足湯が。
駅前だけでなく、街の至る所に足湯などの施設がありました。
足湯だけじゃなく手湯もあります。
鳴子温泉のお湯を手軽に楽しめますし、どこも駅から徒歩2~3分以内。
待ち時間を利用して行ってみたいところです。
そしてもうひとつのおすすめスポットは、こちらの餅処 深瀬。
駅から徒歩2分という超好立地なので、立ち寄りやすいです。
購入したのは、鳴子名物の栗だんご。
今回お邪魔した「餅処 深瀬」は、元祖栗だんごのお店として有名なんです。
ホッカホカの団子、あまじょっぱいタレがクセになります。
もちろん持ち帰りも可能。
列車内や自宅で食べるのにテイクアウトするのもアリです。
鳴子温泉駅を出発
25分の停車時間ののち、快速湯けむり号は再び新庄駅に向けて発進。
温泉街や山々の風景を横目に、ゆるやかに進んでいきます。
鳴子温泉駅を出発して一つ目のトンネルを抜けると、車窓からは観光名所の鳴子峡が見えます。
鳴子峡のベストシーズンは、新緑の時期と紅葉の時期。
特に秋は毎年多くの観光客が訪れています。
この日は春になったばかりということもあって、岩肌が丸見えの状態でした。
陸羽東線の車窓から。鳴子峡の紅葉、少しずつ色づき始めてるね🍁 pic.twitter.com/GYopvVjihm
— なか@東北旅びより (@naka_travel) October 22, 2020
秋間近になると、こんな感じの車窓を楽しめます。
列車は鳴子峡周辺で徐行運転をしてくれますが、10秒くらいで通り過ぎてしまいます。
撮影したい場合は、トンネルに入った時点でカメラを用意しておくのがおすすめです。
中山平温泉駅に停車。
中山平温泉駅は、その名の通り中山平温泉の最寄り駅。
ヌルヌルした感触が特徴的な温泉で、別名「うなぎ湯」とも呼ばれているのだそう。
中山平温泉駅の次の停車駅は、赤倉温泉駅。
赤倉温泉駅からは宮城県を抜け、山形県に入ります。
最上駅では、鳴子温泉行きの普通列車と行き違い。
最後の温泉駅、瀬見温泉駅に停車。
瀬見温泉は、源義経、弁慶の伝説が多く残る温泉街。
なんでも、一番最初に温泉を見つけたのが義経一行なのだそう。
瀬見温泉駅を出発すると、列車は一気にスピードアップ。
終点の新庄駅まで、軽快な走りで進みます。
奥羽本線の線路と合流し、南新庄駅を通過すると、終点の新庄駅はもう間もなく。
終点の新庄駅に到着
仙台駅から約3時間半、東北の祭りラッピング車両は終点の新庄駅に到着。
長時間の乗車でしたが、とても快適で楽しい時間を過ごせました。
新庄駅降車後は
こんな乗り継ぎも可能。
南東北での観光だけでなく、乗り鉄にもおすすめしたい列車です。
【快速湯けむり号 乗車記】レトロラッピング車両がデビュー!リクライニング完備の快適列車で仙台から新庄へ|まとめ
以上、今回は「【快速湯けむり号 乗車記】レトロラッピング車両がデビュー!リクライニング完備の快適列車で仙台から新庄へ」という内容でお届けしました。
快速湯けむりは、乗り得列車として有名な釜石線の快速はまゆり号の車両を使った列車。
- リーズナブルな指定席料金(530円)
- リクライニングシート完備
- 車内販売のワゴン、フリーWi-Fiあり
従来の快速湯けむり号に比べ、サービスも格段に向上しています。
また、新庄駅降車後は
こんな乗り継ぎも可能。
南東北での乗り鉄旅行に、または鳴子温泉での観光に…
機会があれば一度は乗車しておきたい列車です。