新庄駅と院内駅を結ぶ奥羽本線代行バスの乗車記をお届けします。
2024年7月の大雨が原因で、今なお不通が続く奥羽本線の新庄駅~院内駅。
非電化ではあるものの、鉄路での復旧が決定しました。
復旧日は2025年4月25日とのこと。
また、それに伴い2025年4月24日で運行終了する代行バス。
道路の方も見ごたえある車窓で、機会があればぜひこちらも乗車してみることをおすすめします。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 奥羽本線新庄駅~院内駅復旧後の運行形態はどうなる?
- 奥羽本線代行バスの乗車レポート
ぜひ参考にしてみてくださいね。
復旧後の運行形態はどうなる?非電化後は新たに快速が新設
- 運転再開日は2025年4月25日(金)
- 代行バスは2025年4月24日(木)で終了
- 復旧後は新庄~真室川(キハ110系使用)を1.5往復運転
- 新庄~院内(GV-E400系使用)を7往復運転
- 7往復のうち1.5往復を快速列車として運転
- 7往復のうち1往復は新庄~秋田直通運転
- 下り秋田方面は横堀駅、上り新庄方面は院内駅で乗り換えると便利(同一ホームで乗り継ぎ可)
2025年2月のJR東日本による発表によると、復旧後の運行形態はざっとまとめると以上の通り。
- 福島駅~新庄駅
- 新庄駅~秋田駅
- 秋田駅~青森駅
奥羽本線は福島駅~青森駅を結ぶ長大路線ですが、基本的に以上のような形でエリアごとに運行しています。
被災前、新庄駅~秋田駅にて運行していた701系電車。
このうち新庄駅~大曲駅では優等列車の運行がなく、乗客も望めないような状況が長らく続いていました。
その中で発生した、2024年7月の豪雨被害…
新庄駅~院内駅では現在も代行バスでの運行が続いています。
津軽線の末端区間廃線がほぼ確定し、米坂線も復旧の目途が立たない中、今後どうなることやら…
なんて心配ばかりしていましたが、2025年4月25日にはその不通も解消されるとのことで、心の底から良かったと思います。
さすがに廃線は考えすぎでしょうが、長期的な不通が続く状態になっていた可能性もゼロではなかったでしょう。
鉄道がないことが当たり前になってしまえば、復旧したとしても人を呼び戻すのは相当困難でしょうから…
キハ110系(新庄~真室川で運行)
GV-E400系(新庄~院内・秋田で運行)
復旧後は、キハ110系およびGV-E400系の気動車コンビが新庄駅~秋田駅間を担当します。
- キハ110系 新庄~真室川を1.5往復運転
- GV-E400系 新庄~院内を7往復運転
以上のうち、1.5往復は快速列車として運転、そして1往復は新庄駅~秋田駅間直通運転も実施するとのこと。
新庄駅~大曲駅間は長らく優等列車がなかったので、これは予想外でした。
またこの区間はすべて気動車での運行となるため、架線設備は順次撤去していく予定です。
確かに元通りではありませんが、非電化だとしても鉄路が途切れなかっただけでも素晴らしいこと。
全線復旧の日がとても待ち遠しいですね。
【乗車記】奥羽本線代行バス 新庄~院内|復旧後は非電化になる路線の現在は?
新庄駅から奥羽本線代行バスに乗車
旅のスタートは山形県新庄市の玄関口、新庄駅。
東西南北のうち南以外全部バス輸送はさすがに心配になるわ pic.twitter.com/qMJa2IBQae
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) March 22, 2025
2025年3月現在、東西南北に伸びる鉄道のうち南以外はすべて代行バス輸送となっている新庄駅。
この絶望的な状況の中、新幹線と「東京」という文字の安心感たるや。
東西南北のうち、北側の奥羽本線は4月に復旧。
西側の陸羽西線は2025年度中の予定。
鉄道の要衝、新庄は徐々に完全復活への歩みを進めています。
次にここで見ることになる鉄道は気動車…
何気なく利用していた列車が、まさかもう二度と来ないことになろうとは。
代行バスに乗車すべく改札、正面玄関を出て左側へ。
駅前ロータリーからバスは発着しています。
出発時刻数分前になると、乗り場へバスが入線。
この日は酒田市に本社を置く松山観光バスの小型バスが運用についていました。
大きさ的には大体20人ほど乗れるかな?というくらい。
なお情報になると、日によっては7~8人乗りのジャンボタクシーが運用につくこともあるようで…
平日だと小さい車を使うんでしょうか?
代行バスの車窓
定刻通りに新庄駅を出発。
十数名ほどのお客さんを乗せ、院内駅を目指します。
県道313号線を経由し、新庄駅の東側へ。
しばらくは国道13号線を道なりに進みます。
泉田駅に到着。
ここでの乗降はなし。
代行バスの車窓から奥羽本線の線路を…
鉄道復旧後はこの架線設備も順次撤去していくとのこと pic.twitter.com/iMmZnGsdOi
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) March 25, 2025
車窓から眺める奥羽本線の線路。
この架線設備もそう遠くないうちに見納めかも。
羽前豊里駅では、近隣に設けられたバス停に停車。
津軽線代行バスや米坂線代行バス同様、必ずしも駅の目の前に停まるというわけではないよう。
ここでも乗降はなし。
真室川町に入ると、程なくして真室川と並走。
真室川駅に到着。
厳かな駅舎が目を引きます。
周辺には役場や公民館、スーパーなどあるようで、この辺りが町の中心エリアなのでしょうか?
なおここでも乗降はなし。
真室川駅を出ると次第に山深い区間へ。
路肩の雪も徐々に増え始めます。
釜淵駅に到着。
踏切を渡り、さらに山奥へ…
おそらく除雪はされているでしょうが、それでもやはり雪の積もった線路に寂しさを覚えます。
しかし雪が溶け、この辺りが春を迎える頃には再び鉄道が戻ってくる。
この寂しさも一瞬のものです。
真室川まで来ると、さすがに道路の案内標識にも隣県の地名でいっぱいになります。
細い路地を抜けると及位駅に到着。
ここが山形県最後の駅。
次の停車駅は終点の院内駅です。

難読駅名としても有名な及位駅。
難なく読める人は大体地元民か鉄道マニアです。
バスは全長1km超えの雄勝トンネルへ。
ここ雄勝峠は、山形県の真室川町と秋田県湯沢市のちょうど境に位置する峠。
江戸時代には東北地方の大動脈のひとつ「羽州街道」の一部として整備され、参勤交代の道にも使われたそう。
それもあり、峠の両側には藩の関所や宿場町も置かれました。
ただ、そこまで整備しても「箱根の如き難関」と称されていたとか。
そんな道を今ではトンネル1本、ものの数分で…文明の発展とは本当に素晴らしいです。
トンネルを抜けると、いよいよ秋田県湯沢市に突入。
それでもここから県庁所在地、秋田市までは100km以上…
秋田県の広大さを改めて思い知らされます。
雄物川を渡ると、終点はもう間もなく。
院内駅に到着
新庄駅から1時間40分ほどで終点の院内駅に到着。
見ごたえのある車窓で、充実した時間を過ごせました。
赤レンガ調の洋風チックな駅舎が目を引く院内駅。
駅舎は郷土資料館「院内銀山異人館」を併設しています。
なんでも明治時代に院内銀山に招かれたドイツ人技師の住宅をモデルにしていることから、このデザインなのだそう。
待合室も完備。
被災前の時刻表。
秋田方面は10本、新庄方面は8本…多いか少ないかで言えば少ないでしょうね。
地方の厳しい現実がどうしても頭の片隅にちらつきます。
非電化だとしてもよく復活させてくれたなと、本当に。
秋田行きの奥羽本線に乗って院内駅を後に。
きっと次にここに来るときは気動車でしょう。
鉄道復旧まで残り少ない日数、無事に運行してくれることを願って…
【乗車記】奥羽本線代行バス 新庄~院内|復旧後は非電化になる路線の現在は?|まとめ
以上、今回は「【乗車記】奥羽本線代行バス 新庄~院内|復旧後は非電化になる路線の現在は?」という内容でお届けしました。
2025年4月25日の始発から運行再開する、奥羽本線の新庄駅~院内駅。
それに伴い4月24日で運行終了する代行バス。
道路もまた見ごたえある車窓で、充実した時間を過ごせました。
鉄道復旧まで残り少ない日数、無事に運行してくれることを願って…


