2021年3月に引退した、津軽線キハ40系の乗車レポートをお届けしていきます。
キハ40系と言えば、今もなお絶大な人気を誇る国鉄車両のひとつ。
しかし「八戸線および新潟・秋田地区への車両新造計画について」にある通り、2021年3月に新型車両のGV-E400系へ置き換えられることが決定してます。
キハ40系大好きブロガーとしては、ぜひ引退前に一度乗っておきたい…
ということで当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 津軽線キハ40系の乗車記
- 龍飛崎・階段国道の観光レポート、アクセス方法
ぜひ参考にしてみてくださいね。
津軽線とは?
津軽線は青森県の青森駅~三厩駅の約56kmを結ぶ路線。
ほとんどの列車が青森駅~蟹田駅、蟹田駅~三厩駅の区間で分かれて運行しています。
以前は北海道へ向かう特急や寝台列車が多数走っていました。
しかし北海道新幹線が開業したタイミングですべて廃止に。
今は普通列車のみが走っています。
最近乗った東北のローカル線の中でイチオシなのは青森の津軽線…車窓が綺麗なのはもちろんだけど、沿線から漂う最果て感がローカル線の旅のイメージにピッタリすぎてまじでハマる…機会があればぜひ😳 pic.twitter.com/BEyzXJsMv0
— なか@東北旅びより (@naka_travel) October 27, 2019
秘境感漂う沿線風景から、巷では「最果てのローカル線」とも言われています。
厳密に言うと、最果てのローカル線は津軽線ではなく、同県を走る大湊線なのですが…
(本州最北端の駅である下北駅が沿線内にあるため)
津軽線の方があまりにも最果て感満載の車窓なので、このように言われているのだとか。
新海誠作品「雲のむこう、約束の場所」の舞台になった津軽線
「君の名は」「天気の子」などを手掛けたアニメーターとして有名な新海誠監督。
実は津軽線沿線も、新海誠作品の舞台となっているんです。
「雲のむこう、約束の場所」という作品内で、津軽線沿線の風景が使われています。
新海はTwitterで「学生時代に何度かひとり旅をして、東北、青森は静かで美しい場所だなあと思っていたんです」「ヒロキたちが使っている津軽線沿いの駅は実在のものです」と述べている。
引用:Wikipedia
「雲のむこう、約束の場所」の舞台になって以降、聖地巡礼として多くのファンが津軽線沿線を訪れているのだそう。
津軽線からキハ40系が引退!2020年度中にGV-E400系に置き換えへ
JR東日本では、安全・安定性、快適性を高め、お客さまに安心してご利用いただける鉄
道づくりを推進し、輸送品質の向上を追求しています。
このたび、八戸線用および新潟・秋田地区用に、2形式の車両を新造・投入することにな
りましたのでお知らせいたします。
八戸線用としてE130系気動車、新潟・秋田地区用としてGV-E400系電気式気動車を
公募調達によって新造いたします。
今後も、輸送品質の向上を推進し、安全安定輸送を目指してサービス向上に努めてまい
ります。引用:JR東日本
JR東日本は、2020年度を目途に津軽線のキハ40系車両を新型車両のGV-E400系に置き換えると発表しています。
こちらが新型車両のGV-E400系。
スタイリッシュでカッコいいです。
- 五能線 (東能代~川部)
- 奥羽本線(秋田~東能代、弘前~青森)
また津軽線だけでなく、他の路線のキハ40系もGV-E400系に置き換える予定とのこと。
2020年度末には、東北からキハ40系がほぼ無くなるということですね…
JR秋田支社では、非電化区間の環境負荷低減を目的として、交流電化区間と非電化区間
を走行できる交流蓄電池電車ACCUM「EV-E801系」2両1編成を男鹿線に先行投入し、2017年3月4日から営業運転を行っています。
このたび、環境対策(CO2削減)及び老朽した気動車の取替えのため、車両を新造し、男鹿線の車両を交流蓄電池電車ACCUM「EV-E801系」に統一します。引用:JR東日本秋田支社
男鹿線のキハ40系は、2021年3月のダイヤ改正で蓄電池電車ACCUMと呼ばれる「EV-E801系」に統一されることが決定してます。
こちらがその蓄電池電車ACCUMと呼ばれるEVーE801系。
新しい男鹿線の顔としてすでに活躍しています。
現実的に考えれば仕方ないことではあるものの、個人的にも好きな車両ですし少し残念な気持ちもありますね…
どうせなら、乗れるうちに沢山乗っておきたい…!
ということで、青森駅から津軽線のキハ40系に乗車することにしました。
【津軽線キハ40旅行記】置き換え間近の車両に乗って沿線を観光
青森駅から津軽線に乗車
出発地は青森駅。
ここから津軽線に乗って、終点の三厩駅まで向かいます。
乗車するのは13時19分発の津軽線、三厩行き。
発車の1時間前でしたが、すでに列車がホームに入線してました。
車両の側面に備え付けられたサイドボード。
レトロ感があっていいですね。
ローカル線の旅の旅情をより一層感じさせてくれます。
津軽線の使用車両・車内
青森駅~蟹田駅間で活躍するのは、701系という車両。
701系は東北地方でよく見かける車両ですね。
車内はすべてロングシート。
通勤、通学ラッシュを緩和させる目的でつくられた車両なので、収容人数はなかなかです。
筆者がこれから乗車するのは、こちらのキハ40系という車両。
キハ40系は国鉄時代に製造された車両で、主に蟹田駅~三厩駅間で運行してます。
登場から数十年が経った今でも、全国でバリバリ活躍中です。
1日に1往復のみ青森駅~三厩駅を直通する列車があります。
キハ40系
国鉄時代に製造された車両。運行開始から数十年が経過した今でも活躍し続けている。一部の車両は観光列車用に改造され、全国で運行中。重圧のあるエンジン音、窓を開けて眺める風景…ローカル線の旅にこれほどマッチする車両はなかなかない。 pic.twitter.com/mPTISKUPjb— 東北旅びより@東北の鉄道旅行メディア (@tohoku_travel) November 3, 2020
重圧のあるエンジン音…窓を開けて眺める沿線風景…
ローカル線の旅にこれほどマッチする車両は、なかなかないと思います。
津軽線の車内はほとんどが4人掛けのボックスシート。
ドア付近にだけ、6人掛けくらいのロングシートが設置されています。
【青森駅~蟹田駅の車窓】田園風景と陸奥湾の絶景
定刻通りに出発した津軽線。
途中の奥内駅、左堰駅までは住宅街を走行します。
2両編成の列車には乗客が10人ほどで、地元の方よりも旅行者が多い印象でした。
後潟駅、中沢駅、蓬田駅を通過すると、車窓の右側からは陸奥湾が見えてきます。
蓬田駅、郷沢駅、瀬辺地駅を通過すると、陸奥湾に急接近。
車窓を撮影するならこの辺がおすすめですよ。
ちなみに三厩駅が近くなると、陸奥湾のビュースポットがまた出てきます。
【蟹田駅~三厩駅の車窓】秘境ローカル線らしい風景と旧津軽海峡線跡
蟹田駅に到着しました。
青森駅発の津軽線はほとんどがここで折り返します。
これはかつて特急や寝台列車が走っていた時代の名残です。
青森駅を出発した優等列車が蟹田駅でお客さんを乗せ、北海道の地へ向かう…
そんな時代もあったんだなあと思わせる光景ですね。
蟹田駅を通過すると、津軽海峡の景色から一変…
辺り一面が田んぼになりました。
列車は汽笛、軽快なエンジン音を鳴り響かせながら進んでいきます。
中小国駅を過ぎると、なにやら線路が増え出しましたね…
かつてこの線路を通る列車は「津軽海峡線」という愛称で親しまれていました。
多数の特急や寝台列車が、北海道と本州を結んでいたのも今では遠い昔のこと…
現在は貨物列車がこの線路を使っています。
津軽海峡線だった線路はしばらくすると、北海道新幹線の線路と合流して青函トンネルへと入っていきます。
大平駅を発車して数分、津軽二股駅に到着しました。
津軽二股駅は、新幹線の奥津軽いまべつ駅の最寄り駅です。
これだけ近いなら
と言いたいところですが
- 津軽二股駅:JR東日本が管轄
- 奥津軽いまべつ駅:JR北海道が管轄
なので、きっと大人の事情があるのでしょう…
徒歩2~3分くらいで移動できるので、そこまで距離はありません。
青春18きっぷ利用者がオプション券で北海道新幹線に乗る場合、津軽二股駅で降りることになります。
大川平駅、今別駅、津軽浜名駅を発車して数分、車窓からは三厩湾が見えてきました。
三厩駅に到着 龍飛崎・階段国道を観光
青森駅から1時間半ほど…終点の三厩駅に到着しました。
もちろん線路はここで途切れています。
津軽半島最北端の駅…
ここから東京や大阪、博多、鹿児島まで線路1本で繋がっているんですもんね…
そう考えると感慨深いものがあります。
三厩駅前からは観光スポットの龍飛崎、階段国道まで行けるバスが運行してます。
津軽線との接続も考慮されているので、使い勝手がいいです。
龍飛崎、階段国道での観光の様子は「【津軽線キハ40旅行記】引退間近の列車に乗車して、龍飛崎と階段国道に行ってみた」にて紹介しています。
三厩駅周辺を散策
龍飛崎、階段国道での観光を終え、三厩駅前に戻ってきました。
まだ時間に余裕があるので、駅周辺を散策してみようと思います。
ちなみに駅前はこんな感じ。
三厩駅前にはお店が1軒もないので、食べ物や飲み物は青森駅で前もって買っておくのがおすすめです。
駅周辺では、陸奥湾の絶景を間近で楽しめます。
三厩駅から津軽線に乗車して青森駅へ
さて、では青森駅へ戻るとしましょう。
先ほど乗ってきた津軽線で、まずは途中の蟹田駅まで向かいます。
蟹田駅に到着しました。
蟹田駅からはこちらの車両に乗り換えて、終点の青森駅まで向かいます。
すでに空は夕暮れ模様に…
青森駅に到着しました。
もうすっかり日が暮れてしまいましたね…
津軽線、個人的にかなり好みのローカル線です。
【津軽線キハ40旅行記】置き換え間近の車両に乗って沿線を観光|まとめ
以上、今回は「【津軽線キハ40旅行記】置き換え間近の車両に乗って沿線を観光」という内容でお届けしました。
個人的に津軽線はまた乗りに行きたい路線ですね…
機会があればぜひ、津軽線に乗りに青森までいらしてみては?