五能線の観光列車「リゾートしらかみ6号 くまげら編成」の乗車レポートをお届けします。
リゾートしらかみは、秋田駅~青森駅間を五能線経由で結ぶ観光列車。
約80kmに渡り、日本海の絶景を楽しめるのが魅力の列車です。
これまでに様々な東北の観光列車に乗ってきた筆者ですが、中でも特におすすめしたいのがリゾートしらかみ。
- 橅(ぶな)編成
- 青池編成
- くまげら編成
中でもくまげら編成は、全3種あるリゾートしらかみの中で最も古いタイプ。
唯一、国鉄型気動車キハ40系をベースに作られている車両です。
鉄道旅行者から今なお人気を誇るキハ40系。
キハ40系は各地で置き換えラッシュが続いているので、乗車するなら今がチャンスかもしれません。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 五能線・リゾートしらかみとはどんな列車?
- リゾートしらかみくまげら編成の車内・座席について
- 五能線沿線の車窓や見どころ
- リゾートしらかみ6号くまげら編成の乗車記(弘前~秋田)
ぜひ参考にしてみてくださいね。
五能線・リゾートしらかみとは?
五能線は川部駅(青森県)~東能代駅(秋田県)の約147kmを結ぶ路線。
全列車が川部駅より先の弘前駅まで直通運転しています。
海沿いを走る路線なので、車窓からは長区間にわたって日本海の絶景を楽しめます。
また五能線沿線の驫木駅は、その景色の良さから青春18きっぷのポスターに選出されたことも。
東北で鉄道旅行をするなら、一度は乗っておきたいローカル線です。
そんな五能線で運行する人気観光列車が、リゾートしらかみ。
ほぼ毎日、秋田駅~弘前駅・青森駅間にて1日2~3往復運転しています。
中には沿線の観光スポットで数十分停車したり、車内イベントを実施している便も。
特に初めて五能線に乗車するなら、まずはリゾートしらかみに乗るのがおすすめですね。
【乗車記】リゾートしらかみ くまげら編成|人気観光列車で行く青森~秋田の旅!車内や車窓の見どころを紹介
弘前駅からリゾートしらかみ6号 くまげら編成に乗車
旅のスタートは青森駅。
青森市の代表駅で、リゾートしらかみ2号・4号の始発駅となっています。
2021年に供用開始し、2024年には駅ビルもオープンした青森駅5代目新駅舎。
青森駅から弘前駅までは普通列車で約40~50分の距離。
それぞれ青森県を代表する都市ということもあり、人の流動も比較的ある方だと感じます。
弘前駅より乗車するのは、リゾートしらかみ6号くまげら編成。
6号は青森駅ではなく、弘前駅が始発です。
橅編成
青池編成
くまげら編成
全3種あるリゾートしらかみの中でも、くまげら編成は最も古いタイプ。
旧国鉄時代に製造された「キハ40系」と呼ばれる気動車を原型としています。
こちらがキハ40系。
西日本の一部地域ではまだ現役バリバリで活躍しているため、見覚えのある人も少なくないでしょう。
改造車と言えど、連結部にはキハ40系の面影もしっかり残っています。
東日本ではキハ40系の置き換えラッシュが続いていましたし、これも今や貴重なワンシーンとなりました。
リゾートしらかみ くまげら編成の車内
- 1号車 リクライニング席・展望室&イベントスペース
- 2号車 ボックス席
- 3号車 リクライニング席
- 4号車 リクライニング席・展望室&イベントスペース
リゾートしらかみは全4両編成。
車内や座席について以下で詳しく紹介していきます。
【1・3・4号車】普通車指定席
1、3、4号車はリクライニングシート完備の指定席。
日本海側からA席、B席、C席となり、山側がD席になっています。
海側に座りたい人はA席を取るのがおすすめです。
各座席に背面テーブルがついています。
駅などで購入した駅弁や軽食をとるのに便利。
運悪く(?)床下機器が前方にある席に当たってしまったものの、広々としていてかなり快適です。
座席上部には荷物棚があるので、スーツケースなどの大きな荷物があっても安心。
車窓が売りのリゾートしらかみ、さすがの窓の大きさです。
これなら思う存分にオーシャンビューを楽しめますね。
肘掛けからはミニテーブルを出すことも。
広すぎる故に、場合によっては背面テーブルよりもミニテーブルを使った方がいいこともあるでしょう。
【2号車】ボックス座席
2号車は4人掛けのボックス座席。
全座席が海側に配置されているのが特徴ですね。
ちなみにボックス座席の場合も、リクライニング席と同じ料金で乗車できます。
ボックス座席は、フルフラットにして利用することも可能。
グループ旅行には特におすすめの座席です。
1人での利用も可能ですが、3人以下の利用だと相席になる可能性もあるのでご注意を!
【1・4号車端部】展望室・イベントスペース
1号車、4号車の運転席付近は展望室およびイベントスペース。
前面展望、後面展望を楽しむのにうってつけの場所です。
弘前駅~川部駅は奥羽本線を走行
リゾートしらかみ6号は秋田駅へ向けて定刻通り出発。
- 青森駅・弘前駅~川部駅
- 東能代駅~秋田駅
以上の区間は奥羽本線内を走行。
のどかな田園風景と住宅街の景色が続きます。
間もなく川部駅に到着。
川部駅からは五能線に入るため、進行方向が変わります。
座席の向きを変えたい場合は、通路側にある足元のレバーを踏みながら、席を回転させればOK。
川部駅から五能線に入線
五能線の車窓 pic.twitter.com/6C4jsPPkyN
— 東北旅びより@東北の一人旅メディア (@tohoku_travel) May 6, 2024
川部駅を出発し、いよいよ五能線内に入線。
エンジンをうならせながら軽快に進む気動車ならではの走行音、車窓から眺める岩木山…
川部駅から約30分、五所川原駅に到着。
五所川原駅からは、日本最北の私鉄として知られる津軽鉄道が発着しています。
青春18きっぷ旅行がてら乗車していく観光客も意外といますし、機会があれば乗車してみるのもいいですね。
鯵ヶ沢駅から日本海の絶景区間に突入
五能線の車窓 pic.twitter.com/D6QjdSxkNC
— 東北旅びより@東北の一人旅メディア (@tohoku_travel) May 6, 2024
鯵ヶ沢駅を過ぎると、いよいよ五能線の絶景区間へ。
ここから岩館駅付近までの約80kmの区間は、日本海の車窓を楽しめる区間。
天候にも恵まれ、いい景色が拝めそうです。
鯵ヶ沢駅から約20分、千畳敷駅に到着。
リゾートしらかみ1号・6号以外の列車は千畳敷駅に15分停車します。
停車中は外での観光もOK。
200年以上前の地震で隆起したと言われている特殊な地形をした海岸、千畳敷海岸。
五能線で旅行するなら訪れたいスポットのひとつ。
一部のリゾートしらかみは10数分停車するし、その間に観光を楽しむのもおすすめ。 pic.twitter.com/OhFhDnudzf
— なか@東北旅びより (@naka_travel) April 18, 2024
その名の通り、千畳敷駅は観光名所「千畳敷海岸」の最寄り駅。
千畳敷海岸は、200年以上前の地震で隆起したと言われている特殊な地形をした海岸。
これを見て珍しがった殿様が、千畳の畳を敷いて宴会を開いたことから「千畳敷」と名付けられたのだとか。
列車出発の3分前には汽笛でお知らせしてくれるので、特に乗り遅れる心配もなさそうです。
千畳敷駅から約30分、深浦駅に到着。
五能線沿線の主要駅、深浦駅。
秋田駅発のリゾートしらかみ5号であれば、深浦駅で20分ほど停車します。
その間に観光を楽しむのもいいですね。
港町であり、夕日の街でもある深浦。
中でも深浦町から鯵ヶ沢町にかけての海岸線は「夕陽海岸」と名付けられており、景色のいいドライブコースとしても知られています。
車からの景色もいいものですが、やはり海沿いギリギリを走る鉄道からの車窓は圧巻…
一度は見てほしい景色です。
五能線が愛される理由がここに詰まっている pic.twitter.com/MIvkqohzOd
— なか@東北旅びより (@naka_travel) April 20, 2024
深浦駅出発後も続くオーシャンビュー。
言葉が出てこないほどの美しさです。
深浦駅~ウェスパ椿山駅間には、絶景秘境駅としても有名な驫木駅があります。
2002年春季の青春18きっぷポスターに掲載されて以来、多くの旅行者が訪れる駅となった驫木駅。
日本海をバックに木造の駅舎だけがぽつりと佇む様は、まるで映画のワンシーンのよう…
リゾートしらかみでは途中下車できませんが、もし普通列車に乗車する機会があれば、ぜひ降りてほしい場所です。
ウェスパ椿山駅からは、海辺の露天風呂で有名な黄金崎不老ふ死温泉への送迎バスが出ています。
五能線で途中下車して観光するなら、黄金崎不老ふ死温泉は外せないスポット。
目玉でもある海辺の露天風呂は、様々なメディアで取り上げられるほど有名です。
長きにわたり続いた日本海の車窓もついに終盤へ。
沿線イチオシの絶景スポットではしばらく停車もしてくれます。
青とオレンジのコントラスト、水平線にゆっくり沈んでいく夕日。
目に映るどれもが素晴らしく、こんな素敵なローカル線のある東北に生まれて来れたことに誇りを感じます。
4月~9月の初め頃であれば、日本海に沈む夕日を最も楽しめるのは間違いなくリゾートしらかみ6号。
さらに鉄道旅行者目線で言えば、リゾートしらかみ3号・6号であれば、高確率で貴重な国鉄車両キハ48での旅を楽しめます。
岩館駅からは徐々に内陸部へ
五能線の車窓 pic.twitter.com/vkWUrHSSlN
— 東北旅びより@東北の一人旅メディア (@tohoku_travel) May 6, 2024
岩館駅を過ぎると、長かった日本海の風景ともお別れ。
列車は平野部を進みます。
五能線の起点駅、東能代駅に到着。
ここで五能線の旅はおしまい。
再び列車の進行方向を変え、列車は約3時間半ぶりの奥羽本線内を走行します。
終点の秋田駅に到着
青森駅から約5時間半、ついに終点の秋田駅に到着。
個人的におすすめしたいのが、今回乗車したリゾートしらかみ6号。
夕日の絶景と国鉄気動車の爆音を楽しめる最高の列車です。
機会があればぜひ。
【乗車記】リゾートしらかみ くまげら編成|人気観光列車で行く青森~秋田の旅!車内や車窓の見どころを紹介|まとめ
以上、今回は「【乗車記】リゾートしらかみ くまげら編成|人気観光列車で行く青森~秋田の旅!車内や車窓の見どころを紹介」という内容でお届けしました。
東北を代表する五能線の人気観光列車、リゾートしらかみ。
特に春~秋の初め頃であれば、日本海に沈む夕日を最も楽しめるのは間違いなくリゾートしらかみ6号。
さらに鉄道旅行者目線で言えば、リゾートしらかみ3号・6号であれば、高確率で貴重な国鉄車両キハ48での旅を楽しめます。
タイミングが合えばぜひ乗車してほしい列車です。