青春18きっぷを使い、仙台から東北本線・東海道本線・山陽本線を経由し、広島まで行ってみました。
片道約1,200km以上、所要時間23時間とハードな移動ですが、コスパは抜群。
当ブログ「東北旅びより」では
- 青春18きっぷで鉄道旅行をしてみたい
- とにかく電車で遠くまで行ってみたい
- 仙台から広島まで列車で行くとどんな感じなのか知りたい
という人へ向けて
- 青春18きっぷ 仙台~東京~広島までの乗車レポート
- 電車で仙台から広島まで行く際に知っておきたいこと
を紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそも青春18きっぷとは?
青春18きっぷとは、JRの普通列車や快速列車、BRT、JR西日本宮島フェリーなどが5日間乗り放題になる切符です。
- バス・ラピッド・トランジット(バス高速輸送システム)の略
- バス専用道などを走ることで、路線バスよりも速達性、定時性を確保できる
12,050円で発売されてるので、1日あたり2,410円分の移動をすれば元を取れます。
- 新幹線 20,000~30,000円くらい
- 飛行機 12,000円~48,000円くらい
通常、仙台~広島の移動費はこんな感じ。
航空券のセールを使うと、運が良ければ9,000円台で広島へ行くことも可能です。
それでも十分に安いですが、青春18きっぷを使えばなんと実質5,000円以下。
青春18きっぷの詳しい内容は、以下のページを参考にしてみてください。
【青春18きっぷ旅行記】仙台~東京~広島を在来線だけで行くと?注意点なども紹介
仙台駅から始発の東北本線に乗車
スタートは仙台駅。
一応予定としては、以下のように進んでいこうかと。
- 1日目 仙台~(東北本線・東海道本線)~大津で宿泊
- 2日目 大津~(東海道本線・山陽本線)~広島
趣旨上、青春18きっぷのみで行くことにこだわりたいので、途中で新幹線は使わずに行こうかと。
1日目の目的地は滋賀県の県庁所在地、大津。
大津までは路線距離にして約850km…
まずは6時発の東北本線、郡山行きに乗りました。
乗車した車両の車内はこんな感じ。
「ロングシート」と呼ばれる、窓側が背もたれになっているタイプの座席です。
仙台駅から約2時間半、郡山駅に到着。
時刻は8時半頃…
通勤、通学ラッシュが重なり駅前はかなりの人の多さです。
郡山駅から新白河行きの列車に乗り換え、40分ほどで終点に到着。
新白河駅は新幹線の乗り換え駅でもありますが、駅前は閑散としています。
黒磯行きの東北本線へと乗り換え。
首都圏でよく見かけるタイプの車両ですね。
写真は違う車両のものですが、座席は同様の配置。
窓側に背もたれがついたロングシート、2人掛けの座席が向かい合わせに配置されたボックスシートの2種類の座席があります。
東北本線は乗り換えが多い路線。
また快速列車などの優等列車はほとんど走ってないので、普通列車で地道に向かう必要があります。
新白河駅から約25分、終点の黒磯駅に到着。
黒磯駅~宇都宮駅を走る東北本線は、青春18きっぷシーズンだといつもそれなりに混んでいる印象があります。
黒磯駅から約1時間、宇都宮駅に到着。
県庁所在地ということもあり、宇都宮駅周辺は飲食店や商業施設が充実している印象。
本来であれば少し早めのランチ…
といきたいところですが、今回はそうはいきません。
仙台から大津までは、路線距離にして850kmほど。
15時間以上はかかるので、先を急ぐため列車に乗り込みます。
快適な普通列車グリーン車で首都圏を抜ける
宇都宮駅からは、平塚行きの東北本線に乗り換え。
首都圏ではよく見かけるE233系電車です。
このタイプの車両の最大の特徴、4号車・5号車に連結されたグリーン車。
今後の乗り換え予定としては、以下のように進んでいこうかと。
宇都宮駅~(東北本線・東海道本線)~平塚駅~(乗り換え)~熱海駅
終点の平塚駅で乗り換える車両にもグリーン車が付いているため、今回は熱海駅までのグリーン券を購入することにしました。
車内はリクライニングシート、テーブル完備。
乗車の際に1,000円前後の追加料金が発生するものの、まるで特急のような快適性でワンランク上の鈍行旅を楽しめます。
今回はなるべく先を急ぐため、グリーン車で昼食をとることに。
食料は宇都宮駅のコンビニで調達してきました。
普通車と違い、心置きなく食事ができるので大変ありがたいです。
熱海駅に向かう途中、一番景色のよかったところ。
根府川駅周辺は特に海に近い場所を走るため、相模湾が車窓からよく見えます。
宇都宮駅から約3時間半、熱海駅に到着。
たった1回の乗り換えで栃木県、茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県をまたぎ、静岡県に。
これが首都圏の鉄道網。
首都圏を抜けJR東海エリアを縦横断
熱海駅からは管轄がJR東日本からJR東海へ。
熱海駅から静岡方面の東海道本線に乗り換えます。
熱海~浜松は、運行する列車がほぼロングシート。
運が悪いとトイレすら付いてない車両に出くわすことも。
そのため、青春18きっぷ利用者からは特に恐れられているエリアでもあるのです。
途中の興津駅で一度降りました。
ここで浜松行きの東海道本線を待つことにします。
時刻表で調べたところ、次に島田駅から乗る列車は興津駅始発の列車だということが分かってました。
始発駅から乗った方が人があまり多くないと思いますし、座れる確率も高いです。
ということで、興津駅からは浜松行きの東海道本線に乗り換えます。
車内はもちろんロングシート。
ただ筆者住む東北地方を走る車両も、大体がロングシート。
そのおかげか、意外とそこまで苦になりませんでした。
興津駅から1時間半、浜松駅に到着。
さすが政令指定都市、浜松市。
駅前はかなり賑わっています。
せっかくですし途中下車をして、かの有名な浜松餃子を食べていきたかったんですが…
今回は先を急ぎます。
浜松駅からは、ようやくボックスシートの車両に。
豊橋行きの列車に乗り換え、引き続き西を目指します。
30分ほどで豊橋駅に到着。
ついに愛知県に突入です。
豊橋駅からは、大垣行きの東海道本線に乗り換え。
県庁所在地、名古屋を越えて岐阜県の端の方までこれ1本。
大垣駅に到着し、いよいよ岐阜県に突入です。
天下分け目の関ヶ原を越える列車、米原行きの東海道本線。
少ない両数、帰宅ラッシュ、青春18きっぷシーズンということもあって車内はかなりの混雑。
こういう時にロングシート車両のありがたみを感じます。
米原駅に到着。
ついに滋賀県に入りました。
米原駅からはJR西日本のエリアとなります。
JR西日本エリアに突入!新快速で宿泊地 大津市へ
1日目最後の列車。
関西でよく見かける「新快速」という種別の列車に乗ります。
名古屋近辺でもお世話になった、転換クロスシートと呼ばれるタイプの座席。
座り心地も良好ですし、新快速なのでこれでもかというくらいぶっ飛ばします。
仙台から約16時間、ついに目的地の大津駅に到着。
大津市は京都市に隣接する自治体で、京都駅まではJRで10分ほど。
より広島に近い京都で宿をとっても良かったんですが、大津の方が安かったので本日はこちらに。
大津駅前に建つ超好立地のホテル「CALENDAR HOTEL(カレンダーホテル)」にお世話になります。
2日目スタート!新快速で一気に滋賀県から兵庫県へ
2日目は引き続き大津駅からスタート。
新快速に乗車し、一気に兵庫県の姫路駅まで向かいます。
朝ラッシュの時間帯ということもあって、大津駅乗車時点で立ち客がいるほど。
満員電車に揺られ、姫路を目指します。
大津駅から約2時間、終点の姫路駅に到着。
さすが関西…どの街も賑やかで乗降も多く、終点まで立ちっぱなしでした。
引き続き山陽本線を乗り継ぎ、西へ進みます。
岡山・広島と言えば全身イエローの113系、115系。
西日本は今でもレトロな車両がバンバン走っていて、個人的には天国のような場所ですね。
ただ最近になって、中国地方でも新車の導入が続々と進んでいますし、この風景も近い将来見納めとなるのかも。
レトロなのは外観だけで、車内は近代的な転換クロスシート。
岡山駅に到着 ついに中国地方へ
姫路駅から約1時間半、岡山駅に到着。
ついに中国地方に上陸です。
岡山駅に到着した特急やくもが、ちょうど回送列車として引き上げていくところでした。
運よく国鉄特急色を拝めて体力全快。
岡山駅にてしばし撮影タイム。
ただ突っ立ってるだけで、普段は出会えない車両ばかりがやってくるなんて。
ここまで来れば、目的地の広島駅もあと少し。
尾道駅~糸崎駅の車窓はビューポイントとしても有名。
普通列車に乗り、穏やかな瀬戸内海の景色をのんびり楽しむのもいいものです。
三原駅にて一旦下車。
なかなかに珍しい車両がいたので。
115系の湘南色、山陽地区で運用についているとは聞いていましたが、まさかここで拝めるとは。
目的地の広島駅に到着
そして三原駅から山陽本線に乗ること約1時間半、ついに目的地の広島駅に到着。
さすが中国地方最大の都市。
賑わいぶりが半端じゃありません。
ゴールを祝して早速お好み焼きを堪能。
広島に来たらこれは絶対外せません。
最終的な所要時間・乗り換え回数・費用は?
旅程 | 【1日目】6:00発 仙台→22:12着 大津 【宿泊先】CALENDAR HOTEL(カレンダーホテル) 【2日目】7:13発 大津→14:13着 広島 |
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乗り換え回数 | 【1日目】10回 【2日目】4回 【合計】14回 |
所要時間 | 約23時間 |
費用 | 【1日目】2,410円(18きっぷ1日分)+1,000円(グリーン車)+1,000円(食費)+3,850円(宿泊費) 【2日目】2,410円(18きっぷ1日分)+1,800円(食費) 【合計】12,470円 |
仙台駅から広島駅までの所要時間は、今回の旅程だと約23時間。
もう少し余裕を持った旅程を組むことも可能ですが、いずれにせよ慣れていないとハードだと思います。
「どうしても在来線だけで広島まで行きたい!」という場合以外はおすすめできませんが、おそらくこれが最も安い移動手段。
なんてったって移動費は5,000円以下ですから。
ただ安さは置いといて、筆者としてはとにかく東海や西日本の車両に乗りまくりたかったので、超大満足の旅となりました。
国鉄特急色のやくも、湘南色の115系も拝めたことですし。
青春18きっぷで仙台から東京経由で広島まで行く際の注意点
1日でたどり着くのはほぼ不可能
今回の所要時間は合計約23時間。
仙台発、広島発のどちらの場合も、在来線のみだと1日でたどり着くのは不可能です。
もし1日でたどり着きたい場合、長距離での新幹線の利用が必須となるでしょう。
仙台~東京は主に2つのルート
青春18きっぷを利用して仙台から東京までアクセスするには、主に2つのルートがあります。
ひとつが福島県の中心部、栃木県を経由する東北本線ルート。
そしてもうひとつが、福島県の沿岸部、茨城県を経由する常磐線ルート。
早朝に出発するのであれば、所要時間はどちらも大差はないかと思います。
ただ事故や災害で列車に遅延・運休が発生した場合のことを考えると、新幹線が並走している東北本線ルートの方がリカバリーはしやすいかと。
お好みに合わせて選んでみてくださいね。
首都圏ではグリーン車を使えば快適
宇都宮駅~熱海駅間では普通列車グリーン車が運用についています。
ただでさえ長い時間鉄道に乗っているわけですし、静岡区間では特に体力を消費することでしょう。
より効率的に移動するなら、グリーン車で体力を温存しつつ、食事もしてしまうのがベター。
1,000円ほど足せば使えるので、ぜひ検討してみてください。
食事休憩は宇都宮・浜松・大垣・姫路・岡山がおすすめ
効率的に移動したい場合は、乗り換え駅での待ち時間を利用して食事休憩をとるといいでしょう。
- 宇都宮駅
- 浜松駅
- 大垣駅
- 姫路駅
- 岡山駅
中でも以上の駅はおすすめ。
駅前に飲食店が多く、始発列車が多いので座れる確率も高いです。
- 時間に余裕がある
- ゆっくり観光しながら移動したい
- 座席を確保できなくてもOK
そんな時は大阪、京都、尾道あたりで一旦下車するのもよさそうですね。
どこも有名な観光地なだけあって、歩いているだけでも楽しいです。
熱海~浜松間を快適に過ごすには?新幹線でのワープも検討しよう
- 基本的に各駅停車のため時間がかかる
- ロングシート車両にあたることが多い
- それなりに混む
- 運が悪いと車内にトイレがない
以上のことから、青春18きっぷ旅行者の中では、静岡県内(熱海~浜松間)は特に恐れられているのです。
とは言いつつも
- 在来線の乗り継ぎがいい
- すぐ横を新幹線が走ってる
ので「もう無理!!」となったら、一部区間のみ新幹線を利用する「ワープ」という手段を検討するのもアリです。
参考までに、青春18きっぷ旅行者がよく利用する新幹線区間をまとめると以下の通り。
- 三島~静岡:1,980円(特定特急券+乗車券)
- 静岡~浜松:2,330円(特定特急券+乗車券)
特定特急券とは、一部の区間で販売している特急券のこと。
東海道新幹線に関しては、特定特急券=自由席特急券と覚えておいて大丈夫です。
快適に移動できる上、うまくいけば30分~1時間ほど所要時間を短縮できることも。
時間帯が合えば利用してみるのもいいかもしれません。
また静岡だけでなく、東北にもワープを積極的に活用すべき区間が複数あります。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
【青春18きっぷ旅行記】仙台~東京~広島を在来線だけで行くと?注意点なども紹介|まとめ
以上、今回は「【青春18きっぷ旅行記】仙台~東京~広島を在来線だけで行くと?注意点なども紹介」という内容でお届けしました。
- どうしても在来線で仙台、広島まで行ってみたい
- 途中下車しながらゆっくり目的地まで向かいたい
- 色んな鉄道に乗りながら仙台、広島を目指したい
そんなときは、青春18きっぷでの移動を検討してみてもいいでしょう。
特に「色んな鉄道に乗りたい!」という人にとっては、とてもいい体験になるかと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。