青春18きっぷを使い、仙台から名古屋まで行ってみました。
片道約700km、所要時間13時間半の鉄道旅。
最も安い行き方であるのはもちろんのこと、遠方まで鈍行旅をしたい人にとってもおすすめのコースと言えます。
当ブログ「東北旅びより」では
- 青春18きっぷで鉄道旅行をしてみたい
- とにかく電車で遠くまで行ってみたい
- 仙台から名古屋まで列車で行くとどんな感じなのか知りたい
という人へ向けて
- 青春18きっぷ 仙台から名古屋までの乗車レポート
- 電車で仙台から名古屋まで行く際に知っておきたいこと
を紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
旅行中に使った青春18きっぷとは?
青春18きっぷとは、JRの普通列車や快速列車、BRT、JR西日本宮島フェリーなどが乗り放題になる切符です。
- バス・ラピッド・トランジット(バス高速輸送システム)の略
- バス専用道などを走ることで、路線バスよりも速達性、定時性を確保できる
JRの路線なら日本中どこへでも行けるので、鉄道を乗り継いで北海道から九州に行くことももちろん可能。
5日間利用が可能で、12,050円での発売です。
- 新幹線 15,000円くらい
- 高速バス 9,600円~13,200円くらい
- 飛行機 7,000~30,000円くらい
- フェリー 5,000~68,000円くらい
仙台~名古屋の主な移動手段・値段は以上の通り。
青春18きっぷであれば、なんと実質2,410円での移動が可能です。
青春18きっぷの詳しい内容は、以下のページを参考にしてみてください。
【旅行記】青春18きっぷで仙台から名古屋まで!東北本線・東海道本線で行く鈍行旅
仙台駅から東北本線を乗り継ぎ関東へ
旅の始まりは仙台駅。
ここから片道10時間以上の鉄道旅が始まります。
まず仙台駅から乗車するのは、朝6時ちょうど発の東北本線郡山行き。
もちろん始発列車…
日の出前の仙台を定刻通りに出発。
始発列車だというのにも関わらず、乗車率は5~6割程度。
朝帰りと思われる人や、これから出勤であろう人など様々な人が乗車されているようです。
仙台駅から約2時間半、郡山駅に到着。
乗車した車両の車内はこんな感じ。
「ロングシート」と呼ばれる、窓側が背もたれになっているタイプの座席です。
郡山からは新白河行きの東北本線に乗り換えます。
交通の要衝、郡山。
新幹線のほか、会津若松方面・いわき方面への在来線も発着しています。
駅前も商業施設やコンビニ、飲食店など充実してますし、一息つきたいときは途中下車するのもアリでしょう。
郡山駅から新白河駅までは40分ほど。
新幹線の乗り換え駅でもありますが、駅前は閑散としています。
黒磯行きの東北本線へと乗り換え。
首都圏でよく見かけるタイプの車両ですね。
写真は違う車両のものですが、座席は同様の配置。
窓側に背もたれがついたロングシート、2人掛けの座席が向かい合わせに配置されたボックスシートの2種類の座席があります。
東北本線は乗り換えが多い路線。
また快速列車などの優等列車はほとんど走ってないので、普通列車で地道に向かう必要があります。
新白河駅から約25分、終点の黒磯駅に到着。
黒磯駅~宇都宮駅を走る東北本線は、青春18きっぷシーズンだといつもそれなりに混んでいる印象があります。
黒磯駅から約1時間、宇都宮駅に到着。
こちらが筆者が乗車した宇都宮行きの東北本線の車両。
2022年から宇都宮近辺の地域に導入された、E131系というものでした。
県庁所在地ということもあり、宇都宮駅周辺は飲食店や商業施設が充実している印象。
また東京・神奈川方面まで直通する列車も多く発着していることから、この辺りで一旦食事休憩を挟むのもアリでしょう。
仙台駅から始発を使って乗り継いできた場合、宇都宮駅には11時過ぎには到着しているかと思います。
宇都宮駅からは普通列車グリーン車を利用
宇都宮駅からは、平塚行きの東北本線に乗車。
首都圏で活躍するE233系電車…
これを見るとついに関東に来たという実感が湧きます。
このタイプの車両の最大の特徴とも言えるのが、4号車・5号車に連結されたグリーン車。
宇都宮駅~(東北本線)~平塚駅~(乗り換え)~熱海駅
今後の乗り換え予定としては、こんな感じ。
終点の平塚駅にて乗り換える車両にもグリーン車が付いているため、今回は熱海駅までのグリーン券を購入することにしました。
車内はリクライニングシート、テーブル完備。
乗車の際に1,000円前後の追加料金が発生するものの、まるで特急のような快適性でワンランク上の鈍行旅を楽しめます。
目的地に早めに到着したい場合は、駅内のコンビニなどで軽食・駅弁を購入し、グリーン車の車内で食べるのもアリでしょう。
熱海駅に向かう途中、一番景色のよかったところ。
根府川駅周辺は特に海に近い場所を走るため、相模湾が車窓からよく見えます。
宇都宮駅から約3時間半、熱海駅に到着。
たった1回の乗り換えで栃木県、茨城県、埼玉県、東京都、神奈川県をまたぎ、静岡県に。
恐るべし、首都圏の鉄道網。
熱海駅から東海道本線に乗り換え静岡県・愛知県を縦横断
熱海駅からは管轄がJR東日本からJR東海へと変わります。
車両もガラッと変わり、いよいよ静岡に来たんだなという実感が湧きました。
ここからは浜松行きの東海道本線に乗り換えです。
熱海~浜松は乗車時間が長い上、運行する列車がほぼロングシート。
そのため青春18きっぷ利用者からは特に恐れられているエリアでもあるのです。
熱海駅から約2時間、途中の掛川駅にて下車。
時刻表で調べたところ、次に浜松駅から乗る列車は掛川駅始発の列車だということが分かってました。
始発駅から乗った方が人があまり多くないと思いますし、座れる確率も高いです。
掛川駅からは、豊橋行きの東海道本線に乗車。
熱海~浜松間は東北本線同様、基本的に普通列車で地道に進むことになります。
時間はかかるものの、乗り換え時の接続が良好で
なんてことにはならないのが心強いですね。
再びロングシートの車両に乗車し、定刻通りに発車。
時刻は17時半過ぎ…だんだん日も落ちてきました。
掛川駅から約1時間、豊橋駅に到着。
ついに愛知県突入です。
豊橋駅からは、大垣行きの東海道本線に乗車。
これが本日最後の乗り換えです。
転換クロスシートと呼ばれる、背もたれの向きを変更できるタイプの車両。
名古屋近辺や関西でよく見かける座席ですね。
豊橋駅から特別快速で約1時間、目的地の名古屋駅に到着。
普通列車であれば2時間はかかる区間であるはずなのに。
特別快速の名前は伊達ではありませんね。
時刻は19時半を過ぎたところ。
始発列車を使ったとはいえ、到着時間としてはちょうどいい時間帯かと思います。
目的地の名古屋に到着!最終的な所要時間・乗り換え回数は?
- 6時ちょうどに出発
1番列車:仙台発 郡山行き - 19時半過ぎに到着
最終乗車:豊橋発 大垣行き - 所要時間:約13時間半
仙台から始発列車に乗車して名古屋まで乗り継いだ場合、所要時間は約13時間半。
比較的ハードですが「なんとか耐えられるかな…?」というくらいの時間と距離だと感じました。
普通に乗車券を買ったら1万円以上はするところ、2,410円の負担で移動できるわけですから、とりあえずコスパは抜群と言えます。
- 仙台~名古屋を格安で移動したい
- 鉄道を使って遠くまで行ってみたい
そんな人にはおすすめですね。
乗り継ぎの際の接続は良好な区間ですし「とにかく遠いとこまで電車で行きたい!」という初心者にもおすすめかと。
【注意点】青春18きっぷで仙台から名古屋まで行く際に知っておきたいこと
仙台~東京は主に2つのルート
青春18きっぷを利用して仙台から東京までアクセスするには、主に2つのルートがあります。
ひとつが福島県の中心部、栃木県を経由する東北本線ルート。
そしてもうひとつが、福島県の沿岸部、茨城県を経由する常磐線ルート。
早朝に出発するのであれば、所要時間はどちらも大差はないかと思います。
ただ列車に遅延・運休が発生した場合のことを考えると、新幹線が並走する東北本線ルートの方がリカバリーはしやすいかと。
- 東日本大震災で被災した沿線の今を知りたい
- ひと味違ったルートを試してみたい
そんな人には、常磐線ルートがおすすめ。
2020年3月14日、震災から9年ぶりに全線開通した路線。
沿線の今を実際に目で見るのも、貴重な体験のひとつとなるでしょう。
お好みに合わせて選んでみてくださいね。
できるだけ早い列車で行こう
今回の所要時間は約13時間半。
余裕を持つのであれば、6~7時台には出発しておくのがおすすめです。
ちなみに2024年3月現在、仙台~名古屋間を青春18きっぷだけで行くには
- 【名古屋発】9:16発 豊橋行き
- 【仙台発】9:02発 白石行き
に乗らないと、その日のうちに目的地にたどり着けません。
食べ物や飲み物は余裕のあるときに買っておこう
在来線のみで移動する場合、基本的に朝から晩まで乗り続けることになります。
そのため余裕のあるうちに、予め食べ物や飲み物を買っておくのがおすすめです。
特に首都圏・静岡エリアは列車の本数が非常に充実してますし、途中下車して買い物やご当地グルメを楽しむのもアリでしょう。
首都圏では普通列車グリーン車の利用で快適に
- 東海道線
- 横須賀・総武快速線
- 宇都宮線
- 高崎線
- 湘南新宿ライン
- 上野東京ライン
- 常磐線
以上の路線の特定区間では、グリーン車を連結した普通・快速列車が運行しています。
実際に今回は宇都宮駅~熱海駅でグリーン車を利用しました。
3時間半~4時間ほどかかる区間ですが、追加料金は1,000円前後。
リクライニングシート・テーブル完備の快適な空間で、車窓を楽しんだり駅弁を食べたりすることも可能です。
熱海~浜松間を快適に過ごすには?新幹線でのワープも検討しよう
- 基本的に各駅停車のため時間がかかる
- ロングシート車両にあたることが多い
- それなりに混む
- 運が悪いと車内にトイレがない
以上のことから、青春18きっぷ旅行者の中では、静岡県内(熱海~浜松間)は特に恐れられているのです。
とは言いつつも
- 在来線の乗り継ぎがいい
- すぐ横を新幹線が走ってる
ので「もう無理!!」となったら、一部区間のみ新幹線を利用する「ワープ」という手段を検討するのもアリです。
参考までに、青春18きっぷ旅行者がよく利用する新幹線区間をまとめると以下の通り。
- 三島~静岡 1,980円(特定特急券+乗車券)
- 静岡~浜松 2,330円(特定特急券+乗車券)
特定特急券とは、一部の区間で販売している特急券のこと。
東海道新幹線に関しては、特定特急券=自由席特急券と覚えておいて大丈夫です。
快適に移動できる上、うまくいけば30分~1時間ほど所要時間を短縮できることも。
時間帯が合えば利用してみるのもいいかもしれません。
また静岡だけでなく、東北にもワープを積極的に活用すべき区間が複数あります。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
【旅行記】青春18きっぷで仙台から名古屋まで!東北本線・東海道本線で行く鈍行旅|まとめ
以上、今回は「【旅行記】青春18きっぷで仙台から名古屋まで!東北本線・東海道本線で行く鈍行旅」という内容でお届けしました。
正直ハードなルートではありますが、コスパは超抜群。
LCCすらびっくりするほどの激安コースです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。