国鉄車両キハ40系に代わるJR東日本の新型車両「GV-E400系」に乗車してきました。
このGV-E400系、先日まで米坂線・羽越本線など新潟地区でしか走っていなかったんですが…
ついに2020年12月から、秋田・青森(五能線・奥羽本線)でも運用されることになったのです。
青いラインの車両が秋田・青森のGV-E400系、赤と黄色のラインの車両が新潟のGV-E400系です。
そしてこちらが、秋田・青森で運用中のキハ40系。
2021年3月のダイヤ改正で、秋田・青森エリアのキハ40系は引退し、GV-E400系に置き換えられることになりました。
キハ40系がいなくなるのは寂しいですが、新しい車両もやはり気になるところ…
ということで当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容をメインに紹介していきます。
- GV-E400系とはどんな車両?
- GV-E400系の車内レポート
- 五能線内でのGV-E400系の運用時刻表
- GV-E400系の評判
- 東北でキハ40系に乗車できる路線はどこ?
ぜひ参考にしてみてくださいね。
GV-E400系とは?
GV-E400系は、JR東日本から誕生した新型の気動車。
2019年8月19日に新潟地区(羽越本線・磐越西線・米坂線)で運行を開始しました。
2021年3月のダイヤ改正では、五能線と津軽線で運用中のキハ40系が全てGV-E400系に置き換えられることになりました。
またJR東日本では初となる「電気式」を採用したディーゼルカーということもあり、いま話題の車両のひとつでもあります。
五能線・津軽線のキハ40系をGV-E400系に置き換えへ
五能線と津軽線では、キハ40系という気動車が使用されていました。
このキハ40系が誕生したのは1977年。
国鉄時代に製造されたキハ40系は、今もなお鉄道旅行者から絶大な支持を得ている車両でもあります。
しかしこのキハ40系…
40年も使用しているため設備の老朽化が激しく、JR東日本は車両の維持費に頭を抱える日々を送っていました…
そこで考案された車両が、GV-E400系。
GV-E400系は、このキハ40系を置き換える目的で作られたものなんです。
実はもうすでに車両の置き換えは始まっており、2019年度末には
というように、新潟のキハ40系はすべてGV-E400系へ置き換えられました。
また東北でも、2020年度までに
この3路線で運行するキハ40系が、GV-E400系に置き換えることに。
つまり2020年度末には、東日本で活躍するキハ40系はほぼ消滅してしまうということですね…
JR秋田支社では、非電化区間の環境負荷低減を目的として、交流電化区間と非電化区間を走行できる交流蓄電池電車ACCUM「EV-E801系」2両1編成を男鹿線に先行投入し、2017年3月4日から営業運転を行っています。
このたび、環境対策(CO2削減)及び老朽した気動車の取替えのため、車両を新造し、男鹿線の車両を交流蓄電池電車ACCUM「EV-E801系」に統一します。引用:JR東日本秋田支社
男鹿線のキハ40系は、2021年3月のダイヤ改正で蓄電池電車ACCUMと呼ばれる「EV-E801系」に統一されることに。
こちらがその蓄電池電車ACCUMと呼ばれるEVーE801系。
新しい男鹿線の顔としてすでに活躍しています。
現実的に考えれば仕方ないことではあるものの、人気がある車両なだけに少し残念な気持ちもありますね…
しかし、新しい車両もまた気になるもの。
これからの東北を担う気動車は、一体どんな車両なのでしょうか?
実際に乗ってみることにしました。
【GV-E400系 車内レポ】五能線で運用中の新型車両に乗ってきた
あきた白神駅からGV-E400系に乗車
八森いさりび温泉ハタハタ館で日帰り入浴をした関係で、今回のスタートはあきた白神駅です。
あきた白神駅は、五能線の普通列車・快速列車と、観光列車のリゾートしらかみが乗り入れている駅。
ここから11時39分発の弘前行きに乗車し、終点まで向かいます。
GV-E400系がホームにやってきました。
列車は2両編成です。
レトロ感溢れるキハ40系に対して、GV-E400系はかなり現代的なデザインですね。
なかなかギャップがすごいです…
GV-E400系の車内レポート
あきた白神駅から約1時間。
五能線のGV-E400系は、深浦駅に到着しました。
深浦駅では10分ほど停車するので、車両を詳しく見ていきましょう。
行先表示はこんな感じ。
当たり前ではありますが、電光表示になってます。
ちなみに五能線のキハ40系の行先表示は、こんな感じ。
車掌さんが手動でサイドボードを変更していたのが、とても印象的でした。
と感動していたものですが、その光景ももうすぐ見れなくなってしまいます。
車両側面には、GV-E400系のロゴマーク。
車体は劣化や腐食に強いステンレス製です。
キハ40系のような銅製の車両は、重鎮感があってとても大好きなんですが…
GV-E400系のようなステンレス製の車両も、近未来的でカッコいいですね。
比較的広々とした車内。
2~4人掛けのボックスシートと、5~8人掛けのロングシートが備え付けられています。
車内の照明はLEDを使用してるので、とても明るいです。
2人掛け、4人掛けボックスシートはこんな感じ。
ロングシートは、5~8人掛け。
青を基調としたチェック柄の座席です。
五能線の海をイメージした色なのだそう。
ちなみに新潟地区のGV-E400系は、赤を基調としたシートでした。
新潟県のシンボルである「トキ」という鳥をモチーフにしていることから、この色になったそうです。
実際に席に座ってみました。
キハ40系に比べると、座席はけっこう固いですが、足元が広々としています。
これだけスペースがあれば、向かい合わせに座っても足がぶつかる心配はなさそうです。
窓の部分はこんな感じ。
キハ40系のように窓を開けられなくなったのは残念ですが、車窓を楽しむには申し分ないです。
個人的な感覚ですが、キハ40系よりも車内の間隔が広いように感じました。
また、キハ40系よりも1両あたりの収容人数は少し多いようで
GV-E400系の収容人数 | キハ40系の収容人数 | |
---|---|---|
1両編成運転時 | 99人 | 96人 |
2両編成運転時 | トイレあり車両:111人 トイレなし車両:121人 | 108人~128人 |
となっていました。
ちなみに車両の最高速度も少し上がっており
- GV-E400系:最高時速100km
- キハ40系:最高時速95km
となっています。
そんなこんなで弘前駅に到着。
近未来感漂うGV-E400系のドア開閉音 pic.twitter.com/0IZfnJAzLR
— なか@東北旅びより (@naka_travel) January 12, 2020
ドア開閉音までなんだか近未来的ですね…
新型車両のGV-E400系…ネットで評判を見ていると、やはり賛否両論あるみたいです。
出発時のエンジン音?は正直、けっこう響きます。
ただそれを除けば、従来の気動車に比べると騒音や揺れが少なかったので、個人的にはアリかなあと。
快適な旅ができました。
デザインも個人的には好きですし、GV-E400系に統一された後も利用させていただきたいと思ってます。
【運用時刻表】五能線でGV-E400系が運行する時間帯は?
下り(川部方面)
種別 | 発車駅 | 発車時刻 | 到着駅 | 到着時刻 | 両数 |
---|---|---|---|---|---|
普通 | 東能代 | 6:27 | 能代 | 6:32 | 1両 |
6:54 | 6:59 | ||||
7:48 | 7:53 | ||||
10:59 | 弘前 | 15:24 | 2両 | ||
18:34 | 能代 | 18:39 | 1両 | ||
19:33 | 19:38 | ||||
20:36 | 20:41 | ||||
21:30 | 21:35 | ||||
23:19 | 23:24 |
現在はすべての時間帯でGV-E400系が運用についています。
上り(東能代方面)
種別 | 発車駅 | 発車時刻 | 到着駅 | 到着時刻 | 両数 |
---|---|---|---|---|---|
普通 | 能代 | 6:05 | 東能代 | 6:10 | 1両 |
6:40 | 6:45 | ||||
7:14 | 7:19 | ||||
8:04 | 8:09 | ||||
快速 | 弘前 | 6:46 | 10:41 | 2両 | |
普通 | 能代 | 18:49 | 18:54 | 1両 | |
19:48 | 19:53 | ||||
20:51 | 20:56 |
現在はすべての時間帯でGV-E400系が運用についています。
【参考】東北でキハ40系に乗れる路線は?
2021年3月のダイヤ改正で秋田・青森のキハ40系は引退。
これにより、東日本で原型のキハ40系に乗車できる地域はゼロになりました。
ただ、観光列車などに改造されたキハ40系であれば、東北でもまだ乗車可能。
どれも魅力的な列車ばかりなので、ぜひ旅行の参考にしていただければと思います。
リゾートしらかみ くまげら編成
リゾートしらかみは、五能線・奥羽本線経由で秋田駅~青森駅間を結ぶ観光列車。
くまげら編成
橅編成
青池編成
3編成あるリゾートしらかみのうち、くまげら編成のみがキハ40系の改造車です。
沿線の観光名所では数十分停車してくれます。
青春18きっぷや北海道&東日本パス利用者なら指定席券(530円)を買うだけで乗れるので、乗り得な列車とも言えますね。
出発駅までのアクセスも比較的簡単なので、鉄道旅初心者には特におすすめです。
びゅうコースター風っこ
びゅうコースター風っこは、2000年に登場したJR東日本の鉄道車両。
仙台支社で使用されていたトロッコ貨車を置き換える目的で製造されました。
現在は主に臨時列車、ジョイフルトレインとして仙台エリア近辺で活躍しています。
びゅうコースター風っこは、今もなお絶大な人気を誇る国鉄車両「キハ40系」を改造したもの。
キハ40系は、誕生からすでに40年以上経過しています。
そのため各地で新車への置き換えがすでに始まっていました。
このように、東北でもキハ40系の引退ラッシュが続いていました。
仙台ではキハ40系を改造した観光列車「リゾートみのり」が走っていましたが、2020年6月をもって引退に…
今も旅行者から根強い人気を誇る、びゅうコースター風っこ。
他の列車にはないアウトドア感を楽しめるのが魅力です。
【口コミ・評判】GV-E400系に乗車した人の感想は?
GVE400の内装、しかし良くも悪くも座席は東日本らしさが出てて、袖仕切りはJR北海道らしさとどこかJRグループ合同の新車っていうのがなかなか興味深いよなぁ pic.twitter.com/wNkzzQFmPa
— 시라이에서 왜가리(不知出 青鷺) (@LTD_EXPRESS_485) December 25, 2020
東能代より昨日ぶりの新車にて今日も五能線の旅。
昨日は人多くてなかなか撮れなかった車内の写真も。トイレも壊れていることもなく綺麗でした。 pic.twitter.com/CLaE9vgqV8— ⁴⁴⁷ (@yoshinante) December 26, 2020
Twitterでの評判をチェックしてみました。
キハ40系のような座席のフカフカ感がなくなってしまったのは、確かに残念ではありました…
五能線と津軽線はこれからも乗車する機会があると思うので、また利用したいと思います。
【GV-E400系 車内レポ】五能線で運用中の新型車両に乗ってきた|まとめ
以上、今回は「【GV-E400系 車内レポ】五能線で運用中の新型車両に乗ってきた」という内容でお届けしました。
個人的にキハ40系は大好きな車両なので、GV-E400系に置き換えが決まったときはかなりショックでしたが…
実際に今回乗ってみて、GV-E400系も侮れないなあ…と感じました。
ぜひ一度、GV-E400系に乗って東北で鉄道旅をされてみては?