磐越西線(新津駅~会津若松駅)の乗車レポートをお届けします。
郡山駅から会津若松駅を経由し、新津駅まで結ぶ長大路線、磐越西線。
中でも新津駅~会津若松駅は風光明媚な車窓が魅力的。
会津へ来たら只見線とセットで楽しんでほしいローカル線です。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 磐越西線とはどんな路線?
- 磐越西線(新津駅~会津若松駅)の乗車記
- 磐越西線の車窓の見どころやおすすめ座席など
ぜひ参考にしてみてくださいね。
磐越西線とは?
郡山~会津若松で活躍する電車
会津若松~新津で活躍する気動車
磐越西線は郡山駅(福島県郡山市)から会津若松駅(福島県会津若松市)を経由し、新津駅(新潟県新潟市)までの約175kmを結ぶ路線。
- 郡山駅~会津若松駅(電化区間)
- 会津若松駅~新津駅(非電化区間)
基本的に以上の区間で分かれて運行しています。
郡山・新津方面どちらも只見線に向かって南側に線路が続く構造となっている会津若松駅。
そのため会津若松駅ではスイッチバックが行われ、進行方向が変わります。
とは言っても、会津若松駅を跨いで直通する列車は2025年現在あいづSATONOくらいですが。
どちらの区間も、ともに両県それぞれの地域・観光輸送を担っているのが特徴的です。
【郡山~会津若松】会津への地域・観光輸送を担う重要路線
郡山駅~会津若松駅は電化区間のため、2~4両の電車での運行。
郡山駅は東北新幹線の停車駅であることから、平日でも東京・仙台方面などからの観光客が目立ちます。
長期休暇が重なると帰省客もプラスされ、車内がびっしり…なんてことも。
郡山駅~会津若松駅では高速バスも走っていますが、鉄道の需要も十分にあるようです。
それを踏まえてか、2020年には指定席付きの快速列車「あいづ」が運行開始。
週末には観光列車「あいづSATONO」が喜多方駅まで走ることもあります。


【会津若松~新津】週末にはSLも!ローカル線の特色が一気に増す
会津若松駅~新津駅は非電化区間のため、2~4両の気動車での運行。
かつては喜多方駅まで電化されていたものの、2022年に郡山駅から直通する定期電車がなくなり、2023年には観光列車フルーティアふくしまも引退に…
それが追い打ちをかけたのか、2024年5月には会津若松駅~喜多方駅の電化設備が廃止となりました。
会津若松駅~新津駅は峠越えなどの険しい区間が続くため、車窓の景色が抜群。
週末には人気観光列車「SLばんえつ物語」も運行しています。
- 会津若松駅~喜多方駅・野沢駅
- 新潟駅・新津駅~五泉駅
普通列車は基本的に以上の区間での地域輸送が主な役割でしょうが、新津から喜多方・会津若松へ向かう人もちらほら。

【青春18きっぷ旅】磐越西線 新津~会津若松|車窓の見どころ満載なローカル線で新潟から福島中通りへ
新津駅から会津若松行きの磐越西線に乗車
旅のスタートは新潟市の新津駅。
さすが鉄道の町、4方向に分かれた行き先案内がカッコいい。
1番線ホームにてスタンバイ状態の磐越西線。
キハ110の2両編成に終点までお世話になります。
車内は大体こんな感じ。
古い車両ですしトイレは狭いですが、座席がフカフカで個人的に大好きな車両。
磐越西線で会津まで向かうのは、国鉄車両キハ40に乗車した時以来。
これに乗るために新潟へ行きまくった日々が懐かしい。
今回乗車するキハ110も大好きな車両なのでワクワクです。
新潟駅を出発
定刻通りに新津駅を出発。
信越本線と分岐し、会津若松方面へ向かいます。
4分ほどで最初の停車駅、東新津駅に到着。
ここで数名が下車。
出発後もしばらくは住宅街を走行します。
五泉駅に到着。
数名程度の乗降があり、定刻通りに出発。
新津方面へ向かう当駅始発の列車も設定されているようで、そのうち朝方の数本は新潟駅まで直通します。
北五泉駅付近には高校もありますし、新潟方面からやってくる人もそれなりにいるんでしょう。
五泉駅を出ると次第に民家は減り、やがて田園風景に。
奥にそびえ立つ山脈に思わず目を奪われます。
これからあの山々を越えて会津地方へ…
新津駅から30分ほどで馬下駅に到着。
当駅を終着とする列車もそれなりに多く、ここから本数がガクッと減ります。
列車は五泉市を抜け阿賀町へ…五十島駅では列車の行き違いに。
反対列車はキハ110よりも新しいGV-E400での運行ですね。
なお向こうの乗客はぱっと見指で数えられる程度…
やはり県境の利用状況は厳しいようです。
徐々にローカル線らしい風光明媚な車窓へ…
阿賀野川と交差すると間もなく三川駅。
【おすすめ座席】阿賀野川・阿賀川を眺めるなら進行方向右側!
阿賀野川と並走する磐越西線。
個人的なおすすめ座席は進行方向右側(会津若松駅発の場合は進行方向左側)。
基本的に左右どちらも車窓を楽しめますが、右側の方がよりダイナミックな車窓を長く楽しめる印象があります。
よく見ると並走する道路は一部通行止めとなっているようで、これが旧国道49号線でしょうか?
この辺りは落石が多く、列車もゆっくりと力強いエンジン音を響かせながら進みます。
隣の三川駅から10分ほどで津川駅に到着。
観光列車SLばんえつ物語も停まる、旧津川町の玄関口とも言える駅。
役場本庁が置かれていることから、広い阿賀町内でも主要なエリアであることがうかがえます。
ただここでの乗降はなく、引き続き会津若松方面へ。
阿賀町&新潟県最後の駅、豊実駅を出発。
県境付近ではあるものの、駅周辺には小さな集落もあります。
5分ほどで福島県最初の駅、徳沢駅に到着。
ここで列車の行き違いに。
2両編成の車内にはぱっと見10数人程度という感じ。
阿賀川と別れ、野沢盆地を進む磐越西線。
余談ですが阿賀野川は福島県へ入ると阿賀川に名前が変わります。
野沢駅では数名が乗車。
西会津町の代表駅で、ホームは計3つと広め。
当駅を終着とする会津若松駅発の列車もあり、ここから列車の本数も多少増えます。

野沢駅を出ると、列車は間もなく山間部へ。
野沢盆地を抜けると再び阿賀川に接近。
エメラルドグリーンに輝く川面が美しい。
会津といえば只見線が有名ですが、磐越西線も見ごたえ抜群。
只見線で新潟へ抜け、磐越西線で福島へ帰ってくるなんて使い方もアリかも。
喜多方市へ入り会津の田園地帯を進む
山都駅を出発し、いよいよ会津盆地へ。
会津の市街地が徐々に見え始めます。
新津駅から約2時間で喜多方駅に到着。
ここで一気に乗客が入れ替わり、観光客と地元民らしき人半々といった感じに。
3分停車したのち、会津若松方面へ向けて出発。
2024年に会津若松駅~喜多方駅の架線が撤去されてから初めての乗車。
仕方ないとは言え、ずっと当たり前にあったものが無くなるというのは、やはり寂しいものですね。
辺り一面に実る美しい稲穂がとても対比的で、もどかしい気持ちになります。
姥堂駅を通過する磐越西線 pic.twitter.com/sYSU9kiD9y
— 東北旅びより@東北の一人旅メディア (@tohoku_travel) September 20, 2025
姥堂駅を通過。
- 会津豊川駅
- 姥堂駅
- 塩川駅
- 笈川駅
- 堂島駅
喜多方駅~会津若松駅の途中駅は以上の通り。
このうち停まるのは塩川駅のみ。
ほとんどの列車が途中の4駅を通過します。
- バスに対抗し姥堂など駅増設
- 喜多方駅~会津若松駅にガソリンカー導入
- ガソリンカー(短距離用)が姥堂など停車するように
- 従来の蒸気機関車(長距離用)は通過
- 当時の運行形態が今も残る
要するに、ここだけ昭和初期の運行形態が今も続いているからということですね。
この区間は線形も比較的よくほぼ直線なので、特急並みの爆速と轟音を楽しめるのが特徴的。
しかもこれをキハ110で体感できるとは。
最後の停車駅、塩川駅へ。
喜多方駅~会津若松駅では唯一の列車交換可能駅。
かつては貨物列車も発着していたようで、待合室など駅設備もしっかり整っています。
車窓から見える会津若松の市街地。
郡山方面へ向かう磐越西線と合流すると、終点はもう間もなく。
終点の会津若松駅に到着
新津駅から約2時間半、終点の会津若松駅に到着。
郡山・新津方面どちらも只見線に向かって南側に線路が続く構造となっている会津若松駅。
そのためここでスイッチバックが行われ、進行方向が変わります。
とは言っても、会津若松駅を跨いで直通する列車はほとんど消えてしまいましたが…
そんな中で観光列車「あいづSATONO」は、喜多方駅~郡山駅をダイレクトで結ぶ貴重な列車。
他にも快適な指定席付き列車「快速あいづ」も走っていますし、機会があればこちらに乗車して郡山方面へ抜けるのもアリです。


【青春18きっぷ旅】磐越西線 新津~会津若松|車窓の見どころ満載なローカル線で新潟から福島中通りへ|まとめ
以上、今回は「【青春18きっぷ旅】磐越西線 新津~会津若松|車窓の見どころ満載なローカル線で新潟から福島中通りへ」という内容でお届けしました。
郡山駅から会津若松駅を経由し、新津駅まで結ぶ長大路線、磐越西線。
中でも新津駅~会津若松駅は風光明媚な車窓が魅力的。
会津へ来たら只見線とセットで楽しんでほしいローカル線です。




