2020年3月にGV-E400系へ置き換えとなった、磐越西線キハ40系の乗車記をお届けしていきます。
キハ40系といえば、デビューから40年が経った今もなお絶大な人気を誇る国鉄車両のひとつ。
そんな車両が沿線から引退することが決まりました。
鉄道旅大好きブロガーとして、ここはやはり一度乗っておきたい…
ということで乗り納めの意味も込めて、新津駅から磐越西線キハ40系に乗って会津若松駅まで行くことにしました。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容をメインに紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
なお乗車記の本編は「【磐越西線キハ40乗車記】引退が決まった国鉄車両で新津から会津若松へ」から始まります。
磐越西線の乗車に利用した週末パスとは?
週末パスは、指定エリア内の鉄道が2日間乗り放題になる土日祝日限定のフリー切符です。
週末パスの魅力は何と言っても、乗車できる路線の多さ。
山形鉄道、福島交通、阿武隈急行、会津鉄道(西若松~会津田島)、北越急行、上田電鉄、しなの鉄道、長野電鉄、松本電鉄、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道、富士急行、伊豆急行
JRの路線に加え、これらの地方私鉄、第三セクター路線に乗車できます。
乗り放題切符として代表的な青春18きっぷや北海道&東日本パスでは、これらのほとんどの路線が使えません。
JR以外の路線がここまで使える切符は恐らく週末パスくらいなので、かなりの強みですね。
磐越西線とは?
磐越西線は新津駅(新潟県)~郡山駅(福島県)の約175kmを結ぶ路線。
- 郡山駅~会津若松駅・喜多方駅(電化区間)
- 会津若松駅~新津駅(非電化区間)
の区間で分かれて運行しています。
郡山駅~会津若松駅・喜多方駅間は電化区間のため、電車での運行。
客層は観光客や帰省客、冬場はスキー場利用者など様々です。
福島県の中心部から会津地方への輸送を担う、重要な路線として活躍しています。
対して喜多方駅~新津駅間は非電化区間のため、気動車での運行。
会津若松駅~新津駅間は峠越えなどの険しい区間が続くため、車窓の景色が抜群です。
磐越西線の車窓
郡山駅〜新津駅間を結ぶ磐越西線。会津若松駅〜新津駅間には「森と水とロマンの鉄道」という愛称がつけられており、その名の通り森と川の景色が続く。険しい峠を越える区間もあり、その車窓はとても見応えがある。 pic.twitter.com/vSg5gbQmUA— 東北旅びより@東北の鉄道旅行メディア (@tohoku_travel) November 9, 2020
会津若松駅~新津駅間には「森と水とロマンの鉄道」という愛称がつけられており、その名の通り森と川の景色が続きます。
その景観の良さから、休日には「SLばんえつ物語」という観光列車の運行も。
絶景ローカル線としての役目を担っているのが特徴です。
磐越西線の使用車両(E721系電車・キハ40系気動車)
E721系電車
郡山駅~会津若松駅・喜多方駅間の電化区間では、E721系という電車が運行しています。
仙台や福島ではよく見かけるタイプの車両です。
本年3月に福島県と会津若松市、弊社の3者で締結した「会津若松駅前広場の整備等を起点
とした会津地域の観光振興等に関する包括連携協定」の取り組みとして、来春、磐越西線(郡山~会津若松間)の一部列車に、リクライニングシートの付いた指定席車両を導入します。引用:JR東日本
磐越西線の郡山~会津若松間では、2020年3月14日から一部列車に指定席車両が導入されます。
車内はこんな感じ。
指定席車両がついた列車は「快速あいづ」として1日に3往復運行します。
※スマホの場合、表は横にスクロール可
出発駅 | 出発時刻 | 到着駅 | 到着時刻 | ||
---|---|---|---|---|---|
下り | あいづ1号 | 郡山 | 10:41 | 会津若松 | 11:50 |
あいづ3号 | 15:45 | 16:50 | |||
あいづ5号 | 19:48 | 20:56 | |||
上り | あいづ2号 | 会津若松 | 9:09 | 郡山 | 10:11 |
あいづ4号 | 14:13 | 15:19 | |||
あいづ6号 | 17:10 | 18:15 |
指定席車両の導入は、東北では初の試み。
これからの磐越西線に注目していきたいところですね。
キハ40系気動車(2020年3月13日まで)
会津若松駅・喜多方駅~新津駅間の非電化区間では、キハ40系という気動車が運行しています。
地方のローカル線区間ではよく見かける車両なので、見たことがある人も多いのでは?
車内はこんな感じ。
4人掛けのボックスシートと2人掛け、6人掛けのロングシートが備え付けられています。
ボックスシートはこんな感じ。
とてもフカフカで、座り心地抜群です。
こちらがロングシート。
キハ40系自体古い車両ではあるものの、しっかり優先席も用意されています。
GV-E400系(2020年3月14日から)
GV-E400系は、JR東日本が国鉄車両キハ40系を置き換える目的で開発した気動車。
現在は新潟地区でのみの運用ですが、2021年3月のダイヤ改正以降は五能線や津軽線でも運行します。
車内はこんな感じ。
2~4人掛けのボックスシートと、6人掛けくらいのロングシートが備え付けられています。
車内の照明はLEDを使用してるので、とても明るいですね。
赤を基調としたチェック柄の座席。
新潟県のシンボルである「トキ」という鳥をモチーフにしていることから、この色になったのだそう。
キハ40系に比べると、座席はけっこう固いですが、足元がかなり広々としています。
これだけスペースがあれば、向かい合わせに座っても足がぶつかる心配はなさそうですね。
2020年3月14日からは、キハ40系に代わってGV-E400系が磐越西線内で活躍しています。
磐越西線からキハ40が引退!新型車両GV-E400系へ置き換えへ
「新潟・秋田地区への車両新造計画について」の通り、磐越西線のキハ40系は2019年度末にすべてGV-E400系へ置き換えられます。
こちらが新型車両のGV-E400系。
磐越西線以外にも、2019年度末には以上の全路線のキハ40系が置き換えになることが決定してます。
つまり…あと少しで新潟地区からキハ40系が消滅するということです。
また新潟だけでなく東北でも2020年度末までに、以上の区間で運用中のキハ40系をGV-E400系に置き換える予定とのこと。
2020年度末には、新潟だけでなく東日本のキハ40系はほぼ無くなるということですね…
JR秋田支社では、非電化区間の環境負荷低減を目的として、交流電化区間と非電化区間
を走行できる交流蓄電池電車ACCUM「EV-E801系」2両1編成を男鹿線に先行投入し、2017年
3月4日から営業運転を行っています。
このたび、環境対策(CO2削減)及び老朽した気動車の取替えのため、車両を新造し、男鹿線の車両を交流蓄電池電車ACCUM「EV-E801系」に統一します。引用:JR東日本秋田支社
秋田県の男鹿線でも、キハ40系が運用されています。
しかし2021年3月のダイヤ改正以降は、蓄電池電車ACCUMと呼ばれる「EV-E801系」に置き換えられてしまうんです…
こちらがその蓄電池電車ACCUMと呼ばれるEVーE801系。
新しい男鹿線の顔としてすでに活躍しています。
現実的に考えれば仕方ないことではあるものの、個人的にも好きな車両ですし少し残念な気持ちもありますね…
ということで乗り納めの意味も込めて、新津駅から磐越西線のキハ40系に乗車することにしました。
【磐越西線キハ40乗車記】引退が決まった国鉄車両で新津から会津若松へ
新津駅から磐越西線キハ40系に乗車
今回の旅の始まりは新潟県の新津駅。
ここから11時34分発の会津若松行きに乗車します。
発車の10分前くらいに磐越西線のキハ40系がホームに入線しました。
列車は2両編成です。
車両に備え付けられたサイドボード。
列車が到着してすぐに作業員さんがこのボードを付け替えていました。
令和の時代とは思えぬアナログな作業…
これもすべて過去のものになっていくと思うと、なんだか寂しくなりますね…
【新津駅~五泉駅】住宅街や街中の車窓
定刻通りに新津駅を出発した磐越西線。
信越本線の線路と分岐し、会津若松を目指して走ります。
新津駅の隣、東新津駅を出発した後の車窓。
住宅街や街中を走り抜けていきます。
乗客もそれなりにいて、この辺りはけっこう住民の方々にも需要があるように思えました。
新津駅から約15分、五泉駅に到着。
この駅でほとんど乗客が降り、1両あたりの乗客が大体10人程度になりました。
【五泉駅~馬下駅】米どころ新潟の田園風景
五泉駅を過ぎると、車窓には辺り一面に田園風景が広がります。
さすが米どころ新潟…
ここから美味しいお米や地酒が作られるんですね…
余談ですが、新潟には日本酒の飲み比べができる「ぽんしゅ館」という施設があります。
お米が美味しい地域なので、日本酒の味も超一級品。
新潟駅と越後湯沢駅に併設されているので、観光がてら立ち寄るのもおすすめですよ。
【馬下駅~津川駅】車窓から見える早出川と阿賀野川
しばらくすると車窓からは早出川が見えてきました。
早出川は五泉市内を縦貫する川で、しばらく流下したのち阿賀野川と合流します。
そしてさらにしばらく進むと、車窓から阿賀野川が見えてきます。
磐越西線はこの後、阿賀野川に沿うように進むのでとても車窓の眺めがいいです。
【津川駅~山都駅】険しい峠越え区間
新津駅から約1時間、津川駅に到着。
狐の嫁入り行列で有名な街です。
津川駅では会津若松駅から来た快速あがの新潟行きと行き違いになりました。
快速あがのは会津地方と新潟を結ぶ唯一の速達列車です。
津川駅を出発すると、いよいよ峠越え区間に突入します。
車窓もだんだん険しくなってきましたね…
余談ですがSLばんえつ物語はこの峠越え区間に備えて、津川駅にて給水作業を行います。
このような作業風景も今ではなかなか見れないので、かなりレア。
この辺りでは阿賀野川が沿線に沿って左右にグネグネと流れているので、車窓のどちらからも川が見えました。
- 会津若松駅発:進行方向の左側の車窓がおすすめ
- 新津駅発:進行方向の右側の車窓がおすすめ
まとめるとこんな感じです。
乗車する際の参考にしてみてください。
徳沢駅に到着。
当駅からはいよいよ福島県です。
徳沢駅出発後の車窓。
ちなみに阿賀野川は、福島県内へ入ると阿賀川と名前を変えます。
【山都駅~会津若松駅】会津地方の平野を突き進む
山都駅に到着。
立派な駅舎ですね…駅名の文字盤がカッコいいです。
山都駅を出発すると、いよいよ次の駅は喜多方駅。
峠越えの区間もすっかり終わり、車窓には会津の平野が辺り一面に広がっています。
山都駅から約10分、喜多方駅に到着。
喜多方駅からはかなり乗客が増えました。
喜多方駅からは電線が姿を現しました。
喜多方駅~郡山駅間は電化区間なので、電車も乗り入れることができます。
喜多方駅から5分、塩川駅に到着。
喜多方駅~塩川駅間には会津豊川駅、姥堂駅。
塩川駅~会津若松駅間には笈川駅、堂島駅という駅があるんですが、これらの駅は1日に数本しか停車しません。
なので停まる列車はとてもレアですね。
会津若松駅に到着
新津駅から約3時間、終点の会津若松駅に到着。
とても楽しい旅になりました。
東北のキハ40王国、会津若松駅。 pic.twitter.com/XL6lgEmmhx
— なか@東北旅びより (@naka_travel) January 21, 2020
この風景がもう見れなくなってしまうだなんて、寂しくなりますね…
時間が合えばもう一度乗りに来たい…!
【磐越西線キハ40乗車記】引退が決まった国鉄車両で新津から会津若松へ|まとめ
以上、今回は「【磐越西線キハ40乗車記】引退が決まった国鉄車両で新津から会津若松へ」という内容でお届けしました。
個人的には、キハ40系ほど旅情を感じられる車両は他にないのではないのではないかと思っています。
そんなキハ40系は、東北では津軽線、男鹿線、五能線でしか乗れません。
どれも魅力的な路線ばかりなので、ぜひ乗ってみていただきたいですね。
なおこれらの路線の乗車記も書いてるので、車窓の様子など参考にしてみてください。