ここでは磐越西線「快速あいづ1号 郡山発会津若松行き」の乗車レポートをお届けしていきます。
快速あいづは、磐越西線の郡山駅~会津若松駅間で運行する快速列車。
南東北で活躍する普通列車「E721系0番台」の1両半室をリクライニングシートに改造した、前代未聞の列車なんです。
快速あいづのリクライニングシートは、観光列車のリゾートしらかみや海里に使われているものをベースに作られました。
そのため乗り心地もよく、ワンランク上の移動を楽しめます。
しかも快速列車としての運行のため、指定席券を買えば青春18きっぷでも乗車可能。
東北で鉄道旅行するなら、一度は乗っておきたい列車です。
そんなわけで当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 快速あいづ1号(郡山駅発、会津若松行き)の乗車記
- 快速あいづの車内(指定席・自由席)、座席表
- 快速あいづの乗り方ガイド(料金や運転日、時刻表、停車駅、予約方法、おすすめ切符について)
ぜひ参考にしてみてくださいね。
磐越西線の郡山~会津若松で指定席付き列車「快速あいづ」が運行開始
2020年3月14日のダイヤ改正で、磐越西線の郡山駅~会津若松駅間に新たな列車が誕生しました。
それが今回紹介する指定席付き車両「快速あいづ」です。
現在、磐越西線の郡山~会津若松間で使用中のE721系。
こちらの一部車両の半室を指定席とし、14席のリクライニングシートが設置されます。
こちらが磐越西線E721系の指定席車両。
指定席車両が導入された列車は「快速あいづ」として運行され、郡山~会津若松間を1日3往復結びます。
- 1993年 特急ビバあいづを郡山~会津若松間で運行開始
- 2002年 特急ビバあいづの名称を特急あいづへ変更
- 2003年 特急あいづを快速に格下げ、名称をあいづライナーへ変更
- 2003年~2015年 運転休止期間を挟むも、快速あいづライナーの運行は継続
- 2015年3月 快速あいづライナー廃止
東北屈指の観光地、会津若松までのアクセス鉄道として、かつては様々な指定席付きの特急・快速などが走っていました。
近年ではリゾートみのりを使った臨時列車「快速あいづ」も走っていましたが、定期列車として「あいづ」の名前が復活するのは5年ぶり。
一部ではかなり賑わっているようでした。
磐越西線の郡山駅~会津若松駅間は、混雑することが多いんです。
それでも時間帯によっては2両で運行することもあり「前みたいな着席サービスのある列車が復活してくれたら…」とは薄々感じてました。
指定席車両がついた快速列車と言えば、東北では釜石線の快速はまゆりが有名。
しかし「既存車両の半室をリクライニングシート化する」という形での導入は、東北では初の試みです。
今回はテストの意味も込めて「既存車両の半室を指定席化させる」というだけにとどめたのだと思いますが…
ここからの結果次第では、まだまだサービスが向上する可能性もありそうですね。
【乗車記】快速あいづ1号 郡山~会津若松|青春18きっぷでも乗れる磐越西線の指定席車両が快適だった
郡山駅から快速あいづ1号に乗車
旅の始まりは郡山駅。
東北第二の経済規模を誇る福島県郡山市の代表駅です。
福島県の中央に位置することから、新幹線のほか様々な在来線が発着しています。
1番線ホームに停車中の快速あいづ1号。
郡山駅から快速あいづ1号に乗車し、終点の会津若松駅まで向かいます。
車両は南東北でよく見かけるE721系0番台。
快速あいづのヘッドマークデザインは、会津若松市立第一中学校の美術部が考案したものなのだそう。
赤べこに鶴ヶ城、そして起き上がり小法師。
すべて会津にまつわるものです。
指定席エリアの側面には、ピンクの帯にでかでかと「指定席」と書かれたラッピング。
会津若松の観光名所「鶴ヶ城」の桜をイメージしたデザインとなっているようです。
快速あいづの指定席は14席しかないので、予約が埋まりやすいです。
実際、筆者が乗車した時もほぼ満席でした。
より確実に座席を確保したい場合、なるべく早めに予約することをおすすめします。
【車内】快速あいづの座席まわり(指定席・自由席)
快速あいづの車内。
手前側が自由席で、奥側が指定席のリクライニングシートです。
このように、1両のうちの半室が指定席になってます。
指定席エリアと自由席エリアを区別しやすいように「指定席」と書かれた仕切りがあります。
側面から見るとこんな感じ。
リクライニングが可能な座席になってます。
茶色などを基調とした、落ち着きと温かみが感じられるデザインですね。
リゾートしらかみ青池編成の座席
海里の座席
ちなみに座席はリゾートしらかみの橅編成・青池編成や、海里に使われているものをベースにしているとのこと。
要するに、観光列車とほぼ同じ座席が使われているということですね。
コンセントやWi-Fiなどの設備はありませんが、それでも十分すぎるほど快適です。
実際に席に座ってみました。
足元は特別広いわけではありませんが、クッション性があるので座り心地がいいです。
各座席にはテーブルが備え付けられています。
肘掛けからミニテーブルを出すことも可能。
普通席と指定席の間にデッキはなく、設置されているのは簡単な仕切りのみ。
またトイレが近くにある関係で、普通席の利用客もよく横を通ります。
座席のポケットには会津若松の観光マップがありました。
会津のグルメや観光地などが分かりやすく紹介されています。
【郡山~会津若松の車窓】猪苗代駅付近の磐梯山が特に見どころ!
郡山駅を出発した快速あいづ。
東北本線と分岐し、会津方面へと進みます。
快速あいづの停車駅は、郡山富田、喜久田、磐梯熱海、猪苗代、磐梯町、会津若松の合計6駅。
普通列車よりも15分くらい早く終点に着きます。
喜久田駅を出発。
喜久田駅を過ぎると、徐々に山間部へと入っていきます。
磐梯熱海駅から約20分、快速あいづは猪苗代駅に到着。
当駅が郡山駅と会津若松駅のちょうど中間地点くらいです。
猪苗代駅付近では、車窓右側から磐梯山が見えます。
磐梯山は、福島県のシンボルのひとつ。
「会津富士」とも呼ばれているのだとか。
快速あいづのおすすめ座席はA席。窓側なので、磐梯山が一番よく見えます。
ちなみにD席(反対の窓側)だと、中山宿駅近辺で旧ホームのスイッチバック跡が見れます。マニアの方にはD席もおすすめですね。
最後の途中停車駅、磐梯町駅に停車。
山を抜け平野が見えると、終点の会津若松駅はもう間もなくです。
終点の会津若松駅に到着
郡山駅から約1時間、終点の会津若松駅に到着。
とても快適な時間を過ごせました。
快速列車としては十分すぎるほどのスペックに感じました。
機会があればまた利用しようと思います。
【乗り方ガイド】快速あいづの座席表・時刻表・途中停車駅・料金・予約方法・おすすめ切符
座席表
快速あいづは2両編成、または4両編成での運転。
トイレは1号車にあります。
1両の半室(14席)のみが指定席で、それ以外はすべて自由席です。
快速あいづのおすすめ座席は、A席。
猪苗代駅付近で車窓から磐梯山が見れます。
時刻表(ダイヤ)・途中停車駅・運転日
下り(郡山発)
郡山 | 郡山富田 | 喜久田 | 磐梯熱海 | 猪苗代 | 磐梯町 | 会津若松 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
あいづ1号 | 10:15 発 | 10:20 着 10:20 発 | 10:25 着 10:25 発 | 10:32 着 10:32 発 | 10:52 着 10:52 発 | 11:05 着 11:06 発 | 11:21 着 |
あいづ3号 | 16:15 発 | 16:20 着 16:20 発 | 16:25 着 16:25 発 | 16:32 着 16:32 発 | 16:51 着 16:53 発 | 17:06 着 17:06 発 | 17:21 着 |
あいづ5号 | 19:15 発 | 19:19 着 19:19 発 | 19:24 着 19:24 発 | 19:31 着 19:31 発 | 19:51 着 19:54 発 | 20:07 着 20:07 発 | 20:27 着 |
上り(会津若松発)
会津若松 | 磐梯町 | 猪苗代 | 磐梯熱海 | 喜久田 | 郡山富田 | 郡山 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
あいづ2号 | 08:30 発 | 08:43 着 08:43 発 | 08:56 着 08:57 発 | 09:16 着 09:16 発 | 09:24 着 09:24 発 | 09:29 着 09:29 発 | 09:34 着 |
あいづ4号 | 13:30 発 | 13:44 着 13:44 発 | 13:58 着 13:58 発 | 14:17 着 14:17 発 | 14:25 着 14:25 発 | 14:30 着 14:31 発 | 14:36 着 |
あいづ6号 | 17:30 発 | 17:44 着 17:44 発 | 17:58 着 17:58 発 | 18:17 着 18:18 発 | 18:25 着 18:26 発 | 18:30 着 18:31 発 | 18:36 着 |
料金
運賃 | 郡山~会津若松:1,170円 |
---|---|
指定席 | 通常期:530円 閑散期:330円 |
快速あいづの指定席は、青春18きっぷなどのフリーパスと指定席券を組み合わせての利用も可能。
磐越西線の郡山~会津若松間は、混雑することが多いんです。
それを考えると、たった530円で座席を確約できるというのはありがたいですね。
予約方法
- えきねっと
- 指定席券売機
- みどりの窓口
えきねっとからだと、シートマップを見ながら好きな空席を選べるので便利です。
指定席は14席しかないので、座席が埋まりやすいです。
より確実に座席を確保したい場合、なるべく早めに予約することをおすすめします。
【フリーパス】快速あいづの乗車におすすめの切符
青春18きっぷ
青春18きっぷとは、JRの普通列車や快速列車、BRTなどが3・5日間乗り放題になる切符。
- バス・ラピッド・トランジット(バス高速輸送システム)の略
- バス専用道などを走ることで、路線バスよりも速達性、定時性を確保できる
青春18きっぷといえばフリー切符の王道ですね。
JRの路線なら日本中どこでも行けるので、鉄道を乗り継いで北海道から九州へ行くことだってもちろん可能。
12,050円で発売されているので、1日あたり2,410円分使えば元を取れる計算です。
北海道&東日本パス
北海道&東日本パスはJR東日本、JR北海道の普通列車とBRTが1週間乗り放題になる切符。
北海道東日本パス、北東パスと略されることも多いですね。
11,330円で発売されているので、1日あたり約1,620円という計算になります。
北海道&東日本パスの最大のメリットは、青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道に乗り放題となる点。
青春18きっぷだと、IGRいわて銀河鉄道には乗れませんし、青い森鉄道も区間に制限があります。
週末パス
週末パスは、指定エリア内の鉄道が2日間乗り放題になる土日祝日限定のフリー切符です。
週末パスの魅力は何と言っても、乗車できる路線の多さ。
JRの路線に加え
山形鉄道、福島交通、阿武隈急行、会津鉄道(西若松~会津田島)、北越急行、上田電鉄、しなの鉄道、長野電鉄、松本電鉄、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道、富士急行、伊豆急行
といった地方私鉄、第三セクター路線に乗車できます。
乗り放題切符として代表的な青春18きっぷや北海道&東日本パスでは、これらのほとんどの路線が使えません。
JR以外の路線がここまで使える切符は週末パスくらいなので、かなりの強みですね。
小さな旅ホリデー・パス
小さな旅ホリデー・パスは、南東北で販売されているフリー切符。
基本的には土日祝日のみ利用できますが、以下の期間であれば平日でも使えます。
- 4月29日~5月5日
- 7月20日~8月31日
- 12月23日~1月7日
南東北のほとんどのJR線が1日乗り放題になるので、とても使い勝手がいい切符です。
絶景ローカル線として有名な只見線や、世界遺産の平泉での観光など、用途に合わせて使えるので便利ですよ。
【乗車記】快速あいづ1号 郡山~会津若松|青春18きっぷでも乗れる磐越西線の指定席車両が快適だった|まとめ
以上、今回は「【乗車記】快速あいづ1号 郡山~会津若松|青春18きっぷでも乗れる磐越西線の指定席車両が快適だった」という内容でお届けしました。
磐越西線の郡山~会津若松間は旅行シーズンになると、かなり混雑するんです。
それでも時間帯によっては2両で運行されることもあり、観光客向けの車両ができるといいんだけどなあ…とは前々から感じてました。
今回はテストの意味も込めて「既存車両の半室を指定席化させる」というだけにとどめたのだと思いますが…
ここからの結果次第では、まだまだサービスが向上する可能性もありそうです。
これからの磐越西線の動向に、引き続き注目していきたいと思います。