磐越西線の観光列車「SLばんえつ物語」のグリーン車の乗車レポートをお届けします。
磐越西線の新津駅~会津若松駅にて運行する観光列車、SLばんえつ物語。
SLばんえつ物語の最大の魅力は何と言っても、この豪華で快適なグリーン車でしょう。
車両よし、座席よし、眺めよしの魅力満載なSLばんえつ物語。
新潟・会津での旅行におすすめです。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- SLばんえつ物語グリーン車の乗車記(新津駅→会津若松駅)
- SLばんえつ物語の車内や座席表・おすすめ座席・車内販売
- SLばんえつ物語の乗り方ガイド(料金・時刻表・停車駅・予約方法)
- SLばんえつ物語の乗車におすすめの切符
ぜひ参考にしてみてくださいね。
磐越西線・SLばんえつ物語とは?
磐越西線は、新津駅(新潟県)~郡山駅(福島県)の約175kmを結ぶ路線。
- 郡山駅~会津若松駅・喜多方駅(電化区間)
- 会津若松駅~新津駅(非電化区間)
以上の区間で分かれて運行しています。
郡山駅~会津若松駅・喜多方駅間は電化区間のため、電車での運行。
客層は観光客や帰省客、冬場はスキー場利用者など様々です。
快速あいづ
あいづSATONO
会津地方への輸送を担う重要な路線でもあるため、快適なリクライニング指定席が付いた「快速あいづ」が運行しています。
また週末には、会津方面への観光に便利な「あいづSATONO」も活躍中です。
磐越西線の非電化区間、景色いいとこ多くて好きなんだよな…全線復旧したらまた乗りに行きたい… pic.twitter.com/isGkbsdnvk
— なか@東北旅びより (@naka_travel) September 13, 2022
対して喜多方駅~新津駅間は非電化区間のため、気動車での運行。
会津若松駅~新津駅間には「森と水とロマンの鉄道」という愛称がつけられており、その名の通り森と川の景色が続きます。
県境を越えるローカル区間であり、峠越えなども続くため車窓の景色が抜群です。
その景観の良さから、週末には「SLばんえつ物語」という観光列車が運行中。
1999年に運転を開始した、大人にも子どもにも人気の列車です。
昔ながらの客車、木目調のデザインが特徴的で、そのレトロさが大正ロマンを彷彿とさせます。
そしてSLばんえつ物語の魅力は何といっても、その迫力。
煙を出しながら力強く走る姿は、思わず圧倒されてしまいますね…
山の中を走る路線なので、車窓の見ごたえも抜群。
特に新緑と紅葉の時期はおすすめです。
【乗り方ガイド】SLばんえつ物語の運転日・時刻表・停車駅・予約方法・発売場所・料金・座席表
時刻表と停車駅・運転日(2024年)
新津 | 五泉 | 咲花 | 三川 | 津川 | 日出谷 | 野沢 | 山都 | 喜多方 | 塩川 | 会津若松 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
新津駅発 | 10:03発 | 10:20着 10:21発 | 10:38着 10:39発 | 10:56着 10:57発 | 11:11着 11:28発 | 11:43着 11:45発 | 12:18着 12:20発 | 12:42着 12:52発 | 13:08着 13:10発 | 13:19着 13:21発 | 13:36着 |
会津若松駅発 | 18:43着 | 18:27発 18:25着 | 18:10発 18:09着 | 17:52発 17:51着 | 17:36発 17:21着 | 17:08発 17:07着 | 16:37発 16:27着 | 16:06発 16:05着 | 15:51発 15:50着 | 通過 | 15:27発 |
SLばんえつ物語は、土日祝日を中心に運転しています。
詳しい運転日はJRの公式サイトで紹介されているので、以下のリンクからご覧ください。
料金・値段
乗車券・運賃 | 会津若松駅~新津駅:1,980円 会津若松駅~新潟駅:2,310円 |
---|---|
指定席券 | 840円 |
グリーン券 | 150kmまで:2,000円 150km以上:3,000円 |
SLばんえつ物語は、全車指定席の快速列車。
乗車券の他に指定席券、またはグリーン券が必要です。
普通車指定席を利用する場合、青春18きっぷや北海道&東日本パス、秋の乗り放題パスなどと組み合わせて乗車することもできますよ。
グリーン車に乗車する場合は、青春18きっぷや北海道&東日本パス、秋の乗り放題パスは乗車券として使えません。
別途で乗車券を購入するか、週末パスなどのフリーパスを利用しましょう。
発売場所と予約方法
- 指定席券売機
- みどりの窓口
- えきねっと
- JR東日本の駅にあるびゅうプラザ、主な旅行会社
予約開始は、乗車日1ヵ月前の午前10時からです。
特にグリーン車に乗車したい場合は、混雑しやすいので早めの予約をおすすめします。
座席表
【車内】SLばんえつ物語の客車内の設備を紹介
SLばんえつ物語の車内https://t.co/qWbAfgjX26
— 東北旅びより@東北の一人旅メディア (@tohoku_travel) January 22, 2023
SLばんえつ物語は、全部で7両編成。
- 1号車:オコジョルーム・展望車両
- 2・3・6号車:普通車指定席
- 4号車:展望車
- 5号車:普通車指定席・売店
- 7号車:グリーン車
以下でそれぞれ詳しく紹介していきます。
1号車:オコジョルーム・展望車両
1号車はオコジョルーム。
子どもが遊べるフリースペースになっています。
車両の端は展望室になっていて、眺めがかなり良好。
乗る時間帯によって見える景色が変わるのが特徴で
- 会津若松駅発:後面からの沿線風景
- 新津駅発:連結するSLの車両
が見れます。
2・3・6号車:普通車指定席
2・3・6号車は4人掛けの普通車指定席。
レトロなデザインが特徴です。
座席はこんな感じ。
窓の開閉が可能で、通路側の座席には肘にテーブルがついてます。
ちなみに座席表ですが
- 窓側:A席、D席
- 通路側:B席、C席
と並んでるので、席選びの参考にしてみてください。
4号車:展望車
4号車は展望席。
窓が他の車両よりも大きめで、車窓を楽しむのにうってつけです。
ソファー席も完備。
SLばんえつ物語の利用者は誰でも使えます。
郵便ポストがいい味を出してますね…
もちろん現在も利用可能。
このポストに投函すると、特別な消印が押されるそう。
切手は車内の売店で63円で販売してます。
記念スタンプコーナーとノートも設置されてました。
5号車:普通車指定席・車内販売
5号車には、普通車指定席の他に車内販売があります。
売店のメニューは以下の通り。
- フロムアクア550P
- 青森リンゴジュース
- 雪国緑茶
- ホットコーヒーSサイズ
- コーヒー・ドーナツセット
- 弁当各種
- バニラアイス
- コシヒカリジェラート
- サッポロ風味爽快ニシテ
- 越後鶴亀アルミ缶
水やソフトドリンク、アルコール類にお菓子、弁当、SLグッズなど…
幅広く揃ってました。
7号車:グリーン車
7号車はグリーン車。
この車両が、SLばんえつ物語の人気を不動のものとしたと言っても過言ではありません。
グリーン車はたった30席しかないので倍率が高く、満席になっていることがほとんど。
筆者が乗る日もグリーン車はお預けだろうと思っていたんですが、なんと運良く空席があったので乗車することに。
グリーン車の座席はこんな感じ。
上品な雰囲気が漂う、フカフカのリクライニングシートです。
反対側は1人掛けの座席。
ちなみに座席ですが
- 1人掛け座席:A席
- 2人掛け座席:通路側がB席、窓側がC席
となっています。
SLばんえつ物語グリーン車のおすすめ座席は何と言っても、1人掛け用のA席。
正直、車窓はどちらの窓側に座っても十分に楽しめます。
一人旅での利用であれば特にイチオシの座席ですね。
実際に席に座ってみました。
足元は広く、十分に足を伸ばせます。
手前には荷物入れだけで、背面テーブルはついてません。
代わりに肘掛けからテーブルを出せます。
窓は座席のひとつひとつに大きく配置されていて、車窓の見映えは抜群。
車両の端は展望室になっていて、沿線風景を思う存分楽しめます。
トンネルに入ったときの展望室がかなりロマンチック。
1号車と同じく、乗る時間帯で見える景色が変わるのが特徴で
- 会津若松駅発:連結するSLの車両
- 新津駅発:後面の沿線風景
が見れます。
グリーン車の展望室を外から見るとこんな感じ。
著名な方が乗っててもおかしくないような外観。
今回はそんなグリーン車に乗って、新津駅から会津若松駅まで向かいました。
【SLばんえつ物語グリーン車 乗車記】豪華客車で広大な車窓を楽しみながら新津から会津若松へ
新潟駅からSLリレー号で新津駅へ
今回の出発地は新潟駅。
まずはSLリレー号という臨時列車に乗って、SLばんえつ物語の出発駅である新津駅を目指します。
こちらがSLリレー号。
以前までは、SLばんえつ物語は新潟駅~会津若松駅間で運行していました。
しかし新潟駅が高架化されたことにより、SLの乗り入れが困難に…
現在では新津駅~会津若松駅間の運行となり、新潟駅~新津駅間では臨時のSLリレー号を走らせることになったのです。
SLリレー号はノンストップで終点まで行くため、普通列車に比べ5分ほど早いのが特徴。
また、同一ホームでSLに乗り換えられるのでとても便利です。
現在、SLリレー号は運行していません。
普通列車で新津駅まで向かう必要があります。
新潟駅から15分、新津駅に到着しました。
鉄道の街として有名な新津。
「これぞ鉄道の拠点!」と思わせる4方向に分岐した行き先が、個人的にとても好きです。
新津駅からSLばんえつ物語に乗車
新津駅からいよいよSLばんえつ物語に乗車します。
さすがSL…実際に見ると迫力が段違いです。
ちなみに出発時間の数分前まで、SLの運転台に体験乗車できるそう。
SLリレー号で新津駅に到着した時点では、体験乗車の受付は終了してました。
体験乗車をしたいときは、もっと早い時間帯の列車で新津駅まで来るのをおすすめします。
ホームでは出発前まで駅弁も買えます。
SLばんえつ物語グリーン車に乗車して出発
今回乗車するのは、奇跡的に切符が取れたグリーン車。
とても楽しみです。
定刻通りに出発したSLばんえつ物語。
五泉駅でもお客さんを乗せ、勢いのある音を立てながら軽快に発進していきます。
五泉駅を出発した辺りで、車掌さんから記念ポストカードをいただきました。
ハシルキセキ…確かに言われてみればそうかもしれません。
終戦直後に作られたSLが今も走ってるわけですからね。
裏面はこんな感じ。
4号車に記念スタンプを押せるところがあるので、早速向かいましょう。
2019年で運行開始から20年だそうで、スタンプには「ありがとう20周年」という記載も。
もう20年も走ってるんですね。すごいです…
颯爽と山の中を走り抜けていくSLばんえつ物語。
後ろの展望室からはこんな景色も見られるので、見ごたえ抜群です。
車窓からは阿賀野川も見えてきました。
せっかくなので、5号車の車内販売でアイスを買ってみました。
筆者が購入したのはこしひかりジェラート。
#エスエルスゴクカタイアイス pic.twitter.com/fjl7279sUB
— なか@東北旅びより (@naka_travel) October 22, 2019
5~6分ほど放置し、ようやく実食。
まるで甘酒のアイスを食べているかのような感覚でした。
甘さ控えめのさっぱりした風味で、とても食べやすい味付けだと思います。
津川駅で15分間停車
新津駅から約1時間、津川駅に到着したSLばんえつ物語。
津川駅では15分停車するそう。
山登りに備えて、ここでSLの給水とメンテナンス作業をします。
トンネル越えとじゃんけん大会
15分後、SLばんえつ物語は津川駅を出発。
2006mの磐越西線内最長を誇るトンネルを抜け、軽快に走り抜けていきます。
日出谷駅を過ぎると、なにやら車掌さんがぞろぞろと車内に入ってきました…
どうやらじゃんけん大会で勝った人は、ここでしかもらえない記念品がもらえるとのこと。
グリーン車ではその記念品が4つ配られるらしく、30人でその座を争うことになりました。
果たして結果は…?
20周年を祝う貴重なグッズ。
大切に保管することにします。
爆煙を上げながら進むSLばんえつ物語。
途中の徳沢駅では、会津若松発新潟行きの快速あがのと行き違いになりました。
徳沢駅からいよいよ新潟県を抜け、福島県に入ります。
引き続き険しい山を越えるSLばんえつ物語。
磐越西線の会津若松~新津間は阿賀野川と並走する区間が多く、車窓は見ごたえがあります。
山都駅で10分間停車
山都駅に到着しました。
ここでもSLのメンテナンス作業のため、10分停車するとのこと。
駅舎の中はこんな感じ。
喜多方市山都町の主要駅であることから、ある程度の設備は整っている印象です。
余談ですが、近隣にある一ノ戸川橋梁は歴史的に貴重な橋であり、またSLばんえつ物語号の撮影名所にもなっているんだそう。
山越え区間が終わり会津若松駅へ
山都駅を出発すると山越え区間もすっかり終わり、会津地方の平野が見えてきました。
喜多方駅を過ぎると、終点の会津若松駅はもうすぐ。
喜多方駅を出発したタイミングで、車掌さんからグリーン車記念乗車証をいただきました。
新津駅から約3時間半、終点の会津若松駅に到着です。
とても充実した3時間半を過ごせました。
東北で鉄道旅行をするなら、一度は乗っておいて損はない列車です。
【おすすめ切符】SLばんえつ物語の乗車におすすめのフリーパス
名称 | 料金 | 発売期間 | 有効期間 | グリーン車 |
---|---|---|---|---|
青春18きっぷ | 12,050円 (大人、子ども同額) | 春・夏・冬 | 5日間 | |
北海道&東日本パス | 大人:11,330円 子ども:5,660円 | 春・夏・冬 | 連続した7日間 | |
週末パス | 大人:8,880円 子ども:2,600円 | 通年 | 連続した2日間 (土日祝日限定) |
SLばんえつ物語のグリーン車は、青春18きっぷや北海道&東日本パスでは乗車できません。
青春18きっぷや北海道&東日本パスで乗車できるのは、グリーン車の自由席。
SLばんえつ物語のグリーン車は、全車指定席となっています。
そのため、青春18きっぷや北海道&東日本パスでは乗れないんですね。
普通車指定席であれば、青春18きっぷや北海道&東日本パスでも利用できます。
フリーパスでグリーン車を利用したい場合は、週末パスがおすすめです。
以下で詳しく紹介していきます。
青春18きっぷ
料金 | 12,050円 (大人、子ども同額) |
---|---|
有効期間 | 5日間 |
青春18きっぷとは、JRの普通列車や快速列車、BRTなどが3・5日間乗り放題になる切符。
青春18きっぷといえばフリー切符の王道ですね。
JRの路線なら日本中どこでも行けるので、鉄道を乗り継いで北海道から九州へ行くことだってもちろん可能。
12,050円で発売されているので、1日あたり2,410円分使えば元を取れる計算です。
北海道&東日本パス
料金 | 大人:11,330円 子ども:5,660円 |
---|---|
有効期間 | 連続した7日間 |
北海道&東日本パスはJR東日本、JR北海道の普通列車とBRTが、1週間乗り放題になる切符。
北海道東日本パス、北東パスと略されることも多いですね。
11,330円で発売されているので、1日あたり約1,620円という計算になります。
北海道&東日本パスの最大のメリットは、青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道に乗り放題となる点。
青春18きっぷだと、IGRいわて銀河鉄道には乗れませんし、青い森鉄道も区間に制限があります。
週末パス
料金 | 大人:8,880円 子ども:2,600円 |
---|---|
有効期間 | 連続した2日間 (土日祝日限定) |
週末パスは、指定エリア内の鉄道が2日間乗り放題になる土日祝日限定のフリー切符です。
週末パスの魅力は何と言っても、乗車できる路線の多さ。
JRの路線に加え
山形鉄道、福島交通、阿武隈急行、会津鉄道(西若松~会津田島)、北越急行、上田電鉄、しなの鉄道、長野電鉄、松本電鉄、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道、富士急行、伊豆急行
といった地方私鉄、第三セクター路線に乗車できます。
乗り放題切符として代表的な青春18きっぷや北海道&東日本パスでは、これらのほとんどの路線が使えません。
JR以外の路線がここまで使える切符は週末パスくらいなので、かなりの強みですね。
【SLばんえつ物語グリーン車 乗車記】豪華客車で広大な車窓を楽しみながら新津から会津若松へ|まとめ
以上、今回は「【SLばんえつ物語グリーン車 乗車記】豪華客車で広大な車窓を楽しみながら新津から会津若松へ」という内容でお届けしました。
SLばんえつ物語はリゾートしらかみなどと並ぶ、東北を代表する観光列車だと思います。
伊達に20年走ってるわけじゃないなあと感じました。