どうも、ローカル線の旅をこよなく愛する筆者なか()です! @naka_travel
青春18きっぷを利用して、福島県~新潟県を結ぶローカル線「只見線」のキハ40系に乗車して沿線を観光してきました。
絶景の秘境路線として全国的に有名な只見線。
これまでに東北各地で鉄道一人旅をしてきた筆者ですが、中でもおすすめしたいのがこの路線ですね。
そんな只見線で長らく活躍してきたキハ40系車両ですが、2020年3月13日をもって沿線から引退することが決定しました。
旅行者や鉄道ファンから今もなお絶大な人気を誇るキハ40系…
筆者もこの車両が大好きなだけに、とても寂しい思いでいっぱいですが…
ということで当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 只見線の旅行記
- 豪雨被害を受けた只見線の復旧状況
- 只見線沿線の見どころ、撮影ポイント
ぜひ参考にしてみてくださいね。
只見線キハ40系乗車に利用した青春18きっぷとは?
青春18きっぷは、JRの普通列車や快速列車、BRTが全線乗り放題になる切符です。
- バス・ラピッド・トランジット(バス高速輸送システム)の略
- バス専用道などを走ることで、路線バスよりも速達性、定時性を確保できる
- 現在、JRが運営するBRTは気仙沼線BRT、大船渡線BRTの2つ
JRの路線なら日本中どこへでも行けるので、鉄道を乗り継いで北海道から九州に行くことだって可能。
5日間利用でき、12,050円での発売です。
つまり1日あたり2,410円分の移動ができれば元が取れます。
只見線ってどんなローカル線?
只見線は会津若松駅(福島県会津若松市)~小出駅(新潟県魚沼市)の約135㎞を結ぶ路線。
只見線は全国的に秘境ローカル線として有名です。
その理由は、時刻表を見てもらえばすぐに分かるかと…
2018年5月現在の会津川口駅の時刻表です。
沿線のほとんどが無人駅で、会津川口駅発の列車はなんと1日に6本…
また只見線沿線は豪雪地帯のため、冬期になると運休になる列車が続出します。
- 運行本数が極端に少ない
- 快速列車の運転ゼロ
- 沿線は無人駅だらけ
そんなド田舎を走る路線ですが…
実は絶大な人気を誇るローカル線ということをご存知ですか?
只見線は「絶景の秘境路線」と呼ばれているんです。
絶景というだけあって
- 日本経済新聞「紅葉の美しい鉄道路線ベストテン」第1位
- 日本経済新聞「雪景色のきれいなローカル線ベストテン」第3位
- 旅と鉄道「好きなJRローカル線ランキング(東日本編)」第1位
- 中国の人気SNS微博(ウェイボー)にて「世界で最もロマンチックな鉄道」として話題に
と、メディアからの評価もピカイチ。
国内だけでなく、海外からも支持を得ているローカル線です。
その景観の良さから、紅葉シーズンになるとトロッコ列車「びゅうコースター風っこ」を使用したイベント列車が運行されることもあります。
只見線からキハ40が引退!キハE120形に置き換えへ
只見線のキハ40系は、2020年3月14日からすべてキハE120形、キハ110形へ置き換えられることが決定してます。
- 会津若松~会津川口間:キハE120形
- 只見~小出間:キハ110形
キハ40の引退後は、上記のような運行形態になるのだそう。
米坂線や羽越本線、信越本線、磐越西線で運用中のキハE120形。
2020年3月14日以降は上記の路線で使用中のキハE120形が、すべて只見線で運用されることになるのだそう。
なお余談ですが、只見線以外にも
というように、2019年度末には新潟地区のキハ40系すべて置き換えになります。
こちらが新型車両のGV-E400系。
また新潟だけでなく東北でも2020年度末までに
の区間で運用中のキハ40系を、新型車両に置き換える予定とのこと。
2020年度末には、新潟だけでなく東日本のキハ40系はほぼ無くなるということですね…
男鹿線のキハ40系はGV-E400系ではなく、こちらの蓄電池電車ACCUMと呼ばれるEVーE801系に置き換えられます。
現実的に考えれば仕方ないことではあるものの、個人的にも好きな車両ですし少し残念な気持ちもありますね…
ということで乗り納めの意味も込めて、小出駅から只見線のキハ40系に乗車することにしました。
【只見線キハ40旅行記】引退間近の車両に乗って冬の沿線を観光!
小出駅から只見駅行きの只見線キハ40系に乗車
スタートは小出駅。
新潟県魚沼市にある駅です。
ここから只見線に乗車し、終点の会津若松駅を目指します。
ちなみに小出駅発の只見線はかなり本数が少なく
- 7:58 只見行き
- 13:11 只見行き
- 17:10 只見行き
- 19:57 大白川行き
と、1日に4本しかありません。
只見まで向かう列車に至っては、1日に3本。
もし乗る場合は時刻表に注意しましょう!
発車の15分前でしたが、すでに只見線はホームに入線してました。
ちなみにこの時、車内は海外の旅行客や鉄道ファンで大混雑…
青春18きっぷシーズン真っ只中ということに加え、この日は土曜日…
キハ40系が間もなく置き換えになりますし、混雑するのも仕方ないのかなあと思いました。
この行先表示…レトロ感があっていいですね。
ちなみに反対側の車両はこんな感じ。
只見線は小出「こい(恋)で」と会津「あい(愛)づ」を結ぶことから、縁結びのラッピング車両が使われているのだとか。
記憶が正しければ、縁結び列車は2017年3月までの限定運行だった気がしましたが…
今も普通に走っているみたいです。
アップで撮ってみました。
小出駅~越後須原駅間は田んぼ道
小出駅を定刻通りに出発した只見線。
発進してすぐに、長岡方面へ向かう上越線と分岐しました。
小出駅~越後須原駅間は田んぼ道をひたすら走ります。
破間川を渡る只見線。
ちなみに車内は座席がすべて埋まるくらい人がいました。
乗客の中には外国人の旅行客もいて、やはりメディアに取り上げられた影響は大きいなと実感しました。
東北に住む者としては嬉しいですね。
こうやって遠くからわざわざ来ていただけると。
上条駅から次第に山奥へ
上条駅を発車すると、只見線は次第に山奥へと入っていきます。
入広瀬駅を出発した後の只見線の車窓です。
只見線は豪雪地帯を走る路線。
国道にかかるスノーシェルターを見ると、雪国に来た実感が湧きますね。
入広瀬駅から約10分、大白川駅に到着しました。
新潟県内の駅はここまで。
次の駅、只見駅からは福島県に入ります。
大白川駅~只見駅間は30分もかかる!?
大白川駅~只見駅間の所要時間は約30分。
距離にすると約32kmもあるそうです。
かつて大白川駅~只見駅間には、田子倉駅という駅がありました。
冬季期間は閉鎖されるため、臨時駅の扱いだったそうです。
付近に民家は一切なく、乗客の乗り降りもめったになかったのだとか…
そんな田子倉駅は2013年3月に廃止に。
そのためこんな長大区間になってるというわけですね。
大白川駅の駅名標です。
「只見」と書かれた部分をよく見ると、なにやら上から貼り付けたような痕跡がありますね…
2013年3月までは、ここに「田子倉」と書かれていたのでしょうか?
会津の山奥を駆け抜けていく只見線。
大白川駅を出発してしばらくすると、六十里越トンネルに差し掛かります。
この六十里越トンネルがとにかく長い長い…
この辺りは特に難所で、只見線屈指の豪雪地帯。
並走する国道252号線が冬季期間は通行止めになることに加え、唯一の交通手段となる只見線も運休になることがしばしば。
そんな険しい場所に道路や線路を通したんですから、本当にすごいですよね…
「秘境ローカル線」と名付けられるのも納得がいきます。
只見駅に到着 会津川口駅行きの代行バスに乗り換え
大白川駅から約30分、終点の只見駅に到着しました。
只見線の只見駅~会津川口駅間は、2011年の豪雨被害により運行休止に。
この区間では現在、代行バスが走っています。
こちらが只見線の代行バス。
8人乗りのマイクロバスです。
普段は1台だけの運行ですが、この日は大混雑してたので3台でした。
小出駅を出た時点で車掌さんが
と車内を回っていたので、それに応じてバスの台数を変えているのかと思います。
ということで只見駅前から代行バスに乗車しました。
代行バスは国道252号線を走りますが、所々で不通区間の現在の姿を見れます。
まだ痛々しい傷が残る場所もいくつかありましたが…
只見線の全線開通は2022年度予定。
復旧が待ち遠しいですね。
会津川口駅に到着 会津若松駅行きの只見線に乗り換え
会津川口駅に到着しました。
ここからは再び鉄路に戻ります。
会津川口駅内には観光情報センターが併設されていて、お菓子や飲み物も売ってました。
会津川口駅から終点の会津若松駅までは2時間くらいかかります。
ここで飲み物など買っておくと安心ですね。
なんと外国人の方々からの応援メッセージも。
ということで観光情報センターでいくつか買ってみました。
ひとつがこの「只見ポンせん」というお菓子。
食べてみましたが、昔ながらの懐かしい味がしました。
「スープに入れてリゾット風にも」と袋に書いてることですし、あと1個は後日リゾット風にして食べてみようかと思います。
そしてもうひとつが奥会津金山天然炭酸の水。
なんとこの炭酸水、2016年のG7伊勢志摩サミットで卓上水として使用されたそう。
とても口当たりがよく、微炭酸なので飲みやすかったです。
余談ですが、不通区間の会津大塩駅付近には天然炭酸水の湧き出る井戸があるのだとか。
全線復旧したら行ってみたいですね。
さて、では時間が迫っていることですし乗車していきましょう。
会津若松行きの只見線に乗り換えます。
反対側からパシャリ。
もうすぐこの車両も見れなくなるので、たくさん写真を撮っておくことにします…
ちなみに僕が乗車した只見線の車内はこんな感じ。
ロングシートと呼ばれる作りになっています。
只見線の車両は本来ボックスシートになっているんですが、一部はロングシートに改造されてるみたいですね。
ちなみにここでも車内は大混雑していて、座席はすべて埋まっていました。
会津川口駅を出発した只見線
定刻通りに会津川口駅を出発した只見線。
雨がなかなか止まず、車窓の景色がよく見えませんね…
ちなみに晴れてるとこんな感じに見えます。
会津川口駅~会津中川駅間は只見川沿いを走るので、車窓の見映えが抜群です。
会津中川駅を過ぎると、自動音声のアナウンスが流れ始めます。
どうやら沿線の観光名所や見どころを紹介してくれるみたいですね。
まるで只見線沿線の観光ツアーに参加しているかのようでした。
早戸駅を出発すると、車窓からは第三只見川橋梁が見えてきます。
晴れてるときの早戸駅付近。
早戸駅は只見川にかなり近く、秘境感も満載で途中下車したかったんですが…
ここで下車すると仙台に帰れなくなってしまうので、今回は断念…
また別の機会に降りてみようと思います。
近くには「早戸温泉つるの湯」という旅館があるので、観光ついでに宿泊するのもよさそうです。
会津宮下駅を出発すると、第二只見川橋梁が見えてきました。
晴れてるときの第二只見川橋梁はこんな感じ。
かなりの山奥を走ってることがわかりますね…
とても魅力的な車窓です。
会津西方駅を出発すると、第一只見川橋梁が見えてきました。
この辺りでようやく雨が止み、車窓も少しずつ見えるようになってきます。
会津柳津駅を出発すると只見川区間も終わり、車窓からは会津の里山や集落が次第に見えるように。
この辺りから乗客がさらに増え始めました。
晴れてるときはこんな感じ。
会津ののどかな田園風景が辺り一面に広がっています。
本当に落ち着く景色ですね…
ちなみに沿線案内のアナウンスは会津柳津駅まででした。
会津若松駅までの数十分、のどかな風景を楽しむことにしましょう。
終点の会津若松駅に到着
会津川口駅から約2時間、終点の会津若松駅に到着しました。
絶景の秘境ローカル線というだけあって、沿線風景が最高ですね…
ずっと忘れていた大切な何かを思い出させてくれるような、日本古来の風景。
只見線が愛されるワケはそこにあるのだと思います。
【只見線キハ40旅行記】引退間近の車両に乗って冬の沿線を観光!|まとめ
以上、今回は「【只見線キハ40旅行記】引退間近の車両に乗って冬の沿線を観光!」という内容でお届けしました。
途中下車をして駅や沿線風景を撮影するもよし。
車窓を眺めながら物思いにふけるのもよし。
乗って楽しい、降りても楽しい只見線は観光におすすめです。
また会津には只見線の他にも、磐越西線や会津鉄道といった絶景ローカル線が数多くあります。
東北には他にも沢山の絶景路線があるので、ぜひ他の旅行記で参考にしてみてください。