冬の秋田内陸線に乗車し、途中下車しながら全線乗車してきました。
【鷹巣〜角館 秋田内陸線】
念願だった冬の秋田内陸線!ほぼ全線を通して広大な自然を楽しめる、魅力的なローカル線だった…
沿線には温泉もけっこうあるし、湯巡りしながら旅できちゃうのもいいね!
また乗りに行きます😚 pic.twitter.com/Lfnf3OG8Qd
— なか@東北旅びより (@naka_travel) January 10, 2021
秋田内陸線は、秋田県北秋田市の鷹巣駅と、仙北市の角館駅を結ぶローカル線。
ほぼ全線を通して、広大な自然の景色を車窓から眺められるのが特徴の路線です。
中でも冬の秋田内陸線の車窓は、とてもおすすめ。
車窓から見える雪景色がまるで水墨画のようで、思わず見入ってしまいます。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 秋田内陸線とは、どんな路線?
- 秋田内陸線の車両について、新観光列車「笑EMI」について
- 秋田内陸線の旅行記
- 秋田内陸線の乗車におすすめのフリーきっぷ
- 秋田内陸線沿線の宿泊情報
- 秋田内陸線の評判
旅の読み物として、またはモデルコースとして、参考にしてみてくださいね。
秋田内陸線とは?
秋田内陸線とは、秋田内陸縦貫鉄道が運営する、全線非電化の第三セクター鉄道路線。
秋田県北秋田市の鷹巣駅から、仙北市の角館駅までの約94kmの区間を結んでいます。
秋田内陸線は、旧国鉄の鷹角線(鷹巣~角館)として計画された路線を引き継ぎ、誕生しました。
- 鷹巣~阿仁合~角館間を結ぶ、鷹角線(ようかくせん)の建設が計画される
- 北側の鷹巣~比立内間を、阿仁合線として先に開業
- 南側の角館~松葉間を、角館線として先に開業
- 阿仁合線と角館線が、国鉄から秋田内陸縦貫鉄道に移管される
- 当時まだ未開業だった、比立内~松葉間も引き継ぐ
- 比立内~松葉間が開業し、秋田内陸線全線開通
実に美しきかな、東北の冬景色というものは。 pic.twitter.com/WFfdhdxLKd
— なか@東北旅びより (@naka_travel) January 4, 2021
秋田内陸線の魅力は何と言っても、ほぼ全線を通して広大な自然を車窓から楽しめるところ。
春や夏には辺り一面に緑が広がり、秋になれば黄金色の田園風景、そして冬は水墨画のような雪景色…
1両のディーゼル車に揺られながら眺める、そんな長閑な車窓の数々が、人々を魅了させているのです。
【車両・車内】秋田内陸線で走る普通列車・急行もりよし・新観光列車「笑EMI」について


秋田内陸線の普通列車および急行列車の「もりよし号」には、主に上の2種類のディーゼル車が使用されています。
AN8800形気動車(普通列車・急行もりよし)
AN8800形気動車は、秋田内陸線のスタンダードなディーゼル車。
秋田内陸線の普通列車および急行もりよし号として活躍しています。
車内はこんな感じ。
トイレは車両端部についています。
ちなみに今回乗車したAN8801号という黄色の車両は、特別なラッピングが施されている車両です。


車内には、4人掛けのボックスシートと、6人掛けほどのロングシートが設置されています。
シートにもさりげなく秋田犬の模様が入っていて、かわいらしいです。
車両上部には、秋田犬の写真が盛り沢山。
秋田内陸線の車両は、なんとフリーWi-Fiも搭載されているんです。


前面展望と後面展望が楽しめるのも魅力のひとつ。
秋田内陸線は、ほぼ全線を通して広大な自然を車窓から眺められます。
特等席から眺める自然の絶景は、また一段と特別なものです。
AN8900形気動車(新観光列車「笑EMI」)
AN8900形気動車は、1989年から急行もりよし号として活躍している車両。
2012年3月に定期運用から離脱するも、2020年2月からは新観光列車「笑EMI」としてリニューアルされ、再び運用についています。
EMIの正式名称は「Experience Moving Impressive」で、日本語にすると「心揺さぶられる印象的な秋田の里山体験」となるのだそう。
「スマイルレールの名のごとく、人々の笑顔を乗せて走り続けてほしい」という思いから、EMIと名付けられました。
現在は、毎週土日の急行もりよし号として運行しています。
ちなみに運行する時間帯は以下の通り。
※スマホは横にスクロール可
列車名 | 出発駅 | 出発時刻 | 終着駅 | 到着時刻 |
---|---|---|---|---|
もりよし1号 | 阿仁合 | 9:15 | 角館 | 10:23 |
もりよし2号 | 角館 | 11:05 | 鷹巣 | 13:07 |
もりよし3号 | 鷹巣 | 14:38 | 角館 | 16:35 |
木目調の落ち着いた車内。
シートは青色で、さりげなく秋田犬の模様が入っています。


車内には4人掛けのボックスシートと、窓向きのシートが設置されています。
コンセントがついている座席もあるので、長時間の乗車でも安心ですね。
【秋田内陸線 旅行記】冬の絶景車窓に温泉!雪景色を堪能しつつ沿線を観光
鷹巣駅から普通列車に乗って阿仁合駅へ
今回の旅の始まりは、鷹ノ巣駅。
前日にロイヤルホテル大館で宿泊し、大館駅からJR奥羽本線でここまでやってきました。
大館駅から鷹ノ巣駅までは、奥羽本線で15分ほど。
大館市は秋田の主要都市でもあることから、宿泊施設もそれなりに立ち並んでいます。
前日に一泊して、鷹巣駅から秋田内陸線に乗る場合は、大館駅周辺で宿泊するのもアリです。
秋田内陸線の鷹巣駅は、JR東日本の鷹ノ巣駅の隣にあります。
乗車券類は、駅舎内の窓口で購入しましょう。
ちなみに今回使う切符は、あきたホリデーパス。
秋田県内のJR線に加え、秋田内陸線と由利高原鉄道にも乗車できるお得なフリーパスです。
指定席券や特急券、急行券を購入すれば、リゾートしらかみや秋田新幹線などにも乗車できます。

秋田内陸線は鷹巣で、JRは鷹ノ巣。内陸線の表示もJR風になってるのが面白いねえ。 pic.twitter.com/diC6DWzOF1
— なか@東北旅びより (@naka_travel) January 8, 2021
鷹巣駅のホームに到着。
秋田内陸線の鷹巣駅のホームは、JRの鷹ノ巣駅と同じ敷地内にあります。
そのためか秋田内陸線の駅名標もJR風になっていて、なかなか面白いです。
鷹巣駅から乗車する、阿仁合行きの秋田内陸線。
まずは鷹巣駅から終点まで行き、そこから乗り換えて阿仁マタギ駅まで向かいたいと思います。
阿仁マタギ駅までは1時間半ほどの道のりです。
定刻通りに鷹巣駅を出発した秋田内陸線。
程なくして奥羽本線と分岐し、角館方面へと進みます。

鷹巣駅では、途中の阿仁合駅から乗車する急行もりよし号の急行券を購入。
阿仁合駅での乗り換え時間が5分しかなかったので、事前に買っておくことにしました。
今回使用しているあきたホリデーパスは、急行券を追加するだけで急行もりよし号に乗れます。
ちなみに秋田内陸線の急行料金は、以下の通り。
- 50km以下:160円
- 51km以上:320円
急行もりよし号に乗車する際の参考にしていただければと思います。
西鷹巣駅を出発し、米代川を渡る秋田内陸線。
けっこう大きい川なので、見ごたえがあります。
米代川は、岩手県八幡平市から日本海へと続く河川。
「米のとぎ汁のような白い川」というのが名前の由来で、古くは米白川と呼ばれていました。
米白川と言われるようになった理由にも、いくつか説がありまして
- 当時、上流部に住んでいた人が「川で米をとぐと、川が真っ白になる」と言っていたから
- 米代川近辺の地域に伝わる民話「だんぶり長者」の中で、米のとぎ汁で川が白く濁ったと言われているから
- 十和田湖火山が大噴火を起こした際に、火山灰などで川の色が白く濁ったことを表現したから
などなど、色んなものがあるそう。
ちなみに現在の米代川はまったく白くないです。
余談ですが、米代川近隣を走る花輪線では、かつて「急行よねしろ」という列車も走っていましたね。
縄文小ヶ田駅を過ぎると、列車は次第に山奥へと入っていきます。
僕が乗車した時は、雪がそこまで積もっていませんでしたが…
きっと真冬は、比べ物にならないほど雪が積もるんでしょうね…
鷹巣駅から約45分、列車は途中の前田南駅に到着。
前田南駅は、映画「君の名は。」に登場した駅のモデルになっているのではないかということで、一時期話題にもなっていましたね。
「君の名は。」に登場する場面は、ほとんどが岐阜をモデルにしたものですし、公式で発表されているわけでもないので、真実は分かりませんが…
「君の名は。」効果もあって、前田南駅で降りる旅行者も意外といらっしゃるようです。
聖地巡礼も兼ねて、時間のある方は前田南駅で途中下車してみるのもいいかもしれません。
前田南駅を発車し、阿仁川沿いを進む秋田内陸線。
森、山、川…秋田内陸線の車窓はバラエティーに富んでいるので、見ていて飽きません。
鷹巣駅から約1時間半、終点の阿仁合駅に到着しました。
阿仁合駅からは急行もりよし号に乗り換え、第一の目的地である阿仁マタギ駅を目指します。
阿仁合駅で新観光列車「笑EMI」に乗り換えて阿仁マタギ駅へ
阿仁合駅に到着した筆者。
阿仁合駅からは急行もりよし号に乗り換え、阿仁マタギ駅を目指します。
阿仁マタギ駅までは25分ほどの道のりです。
ホームには、新観光列車「笑EMI」が入線していました。
こちらの車両で阿仁マタギ駅まで向かいます。
笑 EMI
全線開業30周年を記念し、秋田内陸線の新観光列車として誕生。2020年2月にデビュー。列車名は「スマイルレールの名のごとく、人々の笑顔を乗せて走り続けてほしい」ということに由来する。現在は、毎週土日の急行もりよし号として運行している。 pic.twitter.com/ZtrIlvj1RM— 東北旅びより@東北の鉄道旅行メディア (@tohoku_travel) January 8, 2021
「笑EMI」は、2020年2月にデビューした新観光列車。
主に、毎週土日の急行もりよし号として活躍しています。
車両は1両編成で、木目調とブルーを基調とした大人っぽいデザイン。
個人的にすごく好みの色合いです。
車両中心部のみ、座席が窓と対面になっているんですよね。
車窓を楽しむにはうってつけです。
せっかくなので、今回はこちらの座席を利用することにしました。
実に美しきかな、東北の冬景色というものは。 pic.twitter.com/WFfdhdxLKd
— なか@東北旅びより (@naka_travel) January 4, 2021
阿仁合駅を過ぎると、辺りがだんだんと雪深くなってきました。
冬の秋田内陸線の車窓は、まるで水墨画のようで本当に綺麗です。
秋田内陸線 大又川橋梁にて pic.twitter.com/4N3GwKngdJ
— 東北旅びより@東北の鉄道旅行メディア (@tohoku_travel) January 9, 2021
笑内駅~萱草駅間に架かる大又川橋梁は、秋田内陸線沿線随一の撮影ポイント。
人気の撮影スポットでもあるため、途中下車して列車を撮っていく方もいるのだそう。
大又川橋梁付近では徐行運転してくれるので、じっくりと車窓を楽しめます。
阿仁合駅から約25分、列車は阿仁マタギ駅に到着しました。
【日帰り入浴】阿仁マタギ駅から打当温泉マタギの湯へ
阿仁合駅から急行もりよし号を利用し、阿仁マタギ駅で途中下車した筆者。
阿仁マタギ駅の近くには「打当温泉マタギの湯」という温泉施設があるので、せっかくですし日帰り入浴でもしていこうかと思います。
事前に打当温泉マタギの湯に電話で連絡を入れておけば、阿仁マタギ駅からの送迎をお願いできます。
阿仁マタギ駅に到着して外へ出ると、駅前でマイクロバスが待っていてくれました。
車で走ること約3分、打当温泉マタギの湯に到着しました。
さっそく日帰り入浴を楽しんでこようと思います。

阿仁マタギ駅から普通列車に乗って阿仁前田駅へ
打当温泉マタギの湯で日帰り入浴をして、再び阿仁マタギ駅に戻ってきました。
阿仁マタギ駅からは鷹巣行きの普通列車に乗車し、今度は阿仁前田駅まで行ってみようと思います。
阿仁前田駅には「クウィンス森吉」という温泉施設が併設しているんです。
今回使っているあきたホリデーパスは、秋田内陸線も乗り放題ですし、せっかくなのでクウィンス森吉でも日帰り入浴をすることにしました。
阿仁マタギ駅から普通列車で約1時間、列車は阿仁前田駅に到着しました。
【日帰り入浴】阿仁前田駅に併設の温泉「クウィンス森吉」を訪問
阿仁マタギ駅から普通列車に乗ること、約1時間。
阿仁前田駅にやってきた筆者。
クウィンス森吉の入口は、阿仁前田駅内にあります。
雨や雪などに当たらずに、施設まで行けるのはありがたいですね。
ちょうどお昼時ですし、日帰り入浴がてら昼食もいただいていこうかと思います。

阿仁前田駅から普通列車に乗って角館駅へ
クウィンス森吉で温泉とランチを堪能し、阿仁前田駅に戻ってきた筆者。
阿仁前田駅からは普通列車に乗車し、終点の角館駅まで行こうと思います。
角館駅までは約2時間の道のりです。
列車は終点の阿仁合駅に到着。
阿仁合駅にて、角館行きの普通列車に乗り換えます。
秋田内陸線の車窓から pic.twitter.com/t9dwVAZc9b
— 東北旅びより@東北の鉄道旅行メディア (@tohoku_travel) January 9, 2021
雪の降る中を走る秋田内陸線。
まるで真っ白な絨毯のようです。


列車は松葉駅に到着。
松葉駅は旧国鉄角館線の終着駅であり、また秋田内陸縦貫鉄道への移管後は、秋田内陸南線の終点でもありました。
車窓からは田沢湖線の線路が見えてきました。
終点の角館駅はもうすぐです。
阿仁前田駅から約2時間、終点の角館駅に到着しました。
長時間の乗車ではあったものの、素晴らしい車窓を終始眺められたのでとても楽しかったです。
また違う季節に乗りに来ようかと思います。
秋田内陸線の角館駅の駅舎はこんな感じ。
JR東日本の角館駅の隣にあります。
そしてこちらがJR東日本の角館駅の駅舎。
東北の小京都、角館と言われているだけあって、駅舎もモダンで落ち着いた色合いです。
ちなみに今回使っているあきたホリデーパスは、特急券を買えば秋田新幹線にも乗れます。
この日は秋田市にて宿をとっていた関係で、秋田駅まで新幹線を利用することにしました。
特に田沢湖線は、本数がけっこう少ないです。
時間帯によっては、3~4時間も待たなければいけません。
田沢湖線区間の角館~大曲間で新幹線を利用するだけでも、所要時間を節約できるかと思いますよ。
秋田内陸線の乗車におすすめのフリーきっぷ
※スマホは横にスクロール可
名称 | 料金 | 区間 | 利用日 | 特急・急行列車 |
---|---|---|---|---|
ホリデーフリーきっぷ全線タイプ | 大人:2,000円 小人:1,000円 | 全線 | 1日(土日祝日) | 追加料金不要 |
ウィークデーフリーきっぷ | 大人:2,500円 小人:1,250円 | 全線 | 1日(平日) | 追加料金不要 |
ホリデーフリーきっぷAタイプ | 大人:1,000円 小人:500円 | 鷹巣~松葉 | 1日(土日祝日) | 急行券が必要 |
ホリデーフリーきっぷBタイプ | 大人:1,000円 小人:500円 | 阿仁合~角館 | 1日(土日祝日) | 急行券が必要 |
片道寄り道きっぷ | 大人:1,800円 小人:900円 | 全線(片道利用に限る) | 1日 | 急行券が必要 |
あきたホリデーパス | 大人:2,440円 小人:1,220円 | 全線 | 1日(土日祝日) | 急行券が必要 |
青春18きっぷや北海道&東日本パス、秋の乗り放題パスシーズンであれば、これらの切符と組み合わせて使うのもおすすめです。
【口コミ・評判】秋田内陸線に乗車した人の感想は?
夜の雪のなかを走る #秋田内陸線(岩野目ー笑内2021.01.04)雪で線路が埋もれても、吹雪で視界が悪くても、休むことなく暗闇を照らしながらぐんぐんと進んでいく。この地域では見慣れた当たり前の日常だけど、地域の鉄道がこうして当たり前に走っていることが実はとても奇跡的で、特別なことだと思う。 pic.twitter.com/A2U2qCAhJk
— 阿仁合コミューン (@aniai_commune) January 6, 2021
今日の秋田内陸線 pic.twitter.com/n1VwZUZlCq
— このちゃん。 (@kono_mi0) January 4, 2021
防雪林の中を逞しく走る秋田内陸線。萱草駅で降りて大又川橋梁を撮ることも考えましたが、まあまあな雪なので上下線を乗り継いでぬくぬく車窓を楽しみました(笑)急行もりよし3号で終点角館へ向かいます🚃 pic.twitter.com/LAR11TttrU
— ホルン吹き (@SchoolWinds) January 3, 2021
やはり、冬の秋田内陸線の旅を楽しむ方は多くいらっしゃるようです。
秋田内陸線の魅力は、四季折々の車窓を楽しめるところ。
冬の車窓はまるで水墨画のようで、とても美しいです。
【秋田内陸線 旅行記】冬の絶景車窓に温泉!雪景色を堪能しつつ沿線を観光|まとめ
以上、今回は「【秋田内陸線 旅行記】冬の絶景車窓に温泉!雪景色を堪能しつつ沿線を観光」という内容でお届けしました。
秋田内陸線の魅力は、全線を通してのどかな日本の原風景を車窓から見れるところ。
中でも冬の車窓は水墨画のようで、本当に美しいです。





