山形を走るローカル線「左沢線」に乗車してきました。
「ひだりさわ」じゃなく「あてらざわ」という珍しい読み方に、ロングシートのキハ100系というなんともレア尽くしな左沢線。
沿線の歴史を振り返りながら旅すると面白みがどんどん溢れ出てくる、魅力的な路線だった…
またそのうち乗りに行きます😀 pic.twitter.com/74p16RWnuE
— なか@東北旅びより (@naka_travel) December 22, 2020
左沢線は、山形駅~寒河江駅~左沢駅を結ぶ地方ローカル線。
ちなみに「左沢」は「ひだりさわ」でなく「あてらざわ」と読み、難読地名としても有名です。
のどかな田園風景や、一つの都府県のみを流れる河川としては国内最長を誇る最上川…
左沢線だからこそ楽しめる車窓が盛り沢山です。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 左沢線の旅行記
- 左沢線沿線の見どころ
ぜひ参考にしてみてくださいね。
左沢線とは?
左沢線は、北山形駅(山形市)と左沢駅(西村山郡大江町)までの約24kmを結ぶ、全線非電化のローカル線。
全列車が、北山形駅より先の山形駅まで直通運転しています。
また左沢線は、地方の盲腸線でありながら廃止にならずに現在まで生き残っている、貴重なローカル線でもあります。
というのも、左沢線(特に山形~寒河江間)は学生利用者がかなり多いんです。
そのためか、普段は2両編成であるにも関わらず、通学ラッシュ時には6両で運転されることも…
長大編成の気動車はなかなか見れるものではないので、とてもレアですね。
改正鉄道敷設法によれば、左沢駅から長井線(現在の山形鉄道フラワー長井線)の荒砥駅までを結ぶ延長線「左荒線」と、奥羽本線の楯岡駅(現在の村山駅)と寒河江駅を結ぶ分岐線「寒楯線」がかつて計画されていたそう。
しかし、どちらの路線も実現することなく、現在に至ります。
【左沢線旅行記】沿線を観光しながら山形~寒河江~左沢全線乗車
山形駅から寒河江行きの左沢線に乗車
旅の始まりは山形駅。
山形県山形市の代表駅で、左沢線の他、奥羽本線、仙山線、山形新幹線が乗り入れています。
これから乗車する左沢線。
朝方は6両編成で運転されることもありますが、日中は基本的に2両編成での運行です。
まず乗車するのは、寒河江行きの左沢線。
寒河江駅周辺で時間をつぶしながら、左沢行きの列車を待つことにします。
【使用車両・車内】左沢線のキハ101形について
左沢線の使用車両は、キハ101形という形式のもの。
左沢線のみで使われている車両です。
左沢線のロゴマーク。
そして左沢線の愛称でもある「FRUITS LINER」の文字が、車両側面に書かれていますね。
車内はトイレなしの全車ロングシート。
左沢線は学生利用者が多く、特に朝方と夕方は混雑しやすいです。
そのため混雑緩和を図るべく、車内をロングシートにしています。
山形駅から寒河江駅へ
山形駅を定刻通りに出発した左沢線。
隣の北山形駅までは、仙山線、奥羽本線と同区間を走行します。
山形駅を出発して約3分、列車は北山形駅に到着しました。
北山形駅のホームって他ではあまり見ないY字構造になってて、個人的に見てて飽きない駅のひとつでもある。 pic.twitter.com/lCfdfSw4wF
— なか@東北旅びより (@naka_travel) August 18, 2020
北山形駅は、他ではあまり見ないY字のような構造になっている駅なんです。
元々、北山形駅は左沢線の途中駅として開業しました。
そしてその後に奥羽本線が停車するようになったため、駅内がY字のような構造になっているんですね。
北山形駅を出発した左沢線。
のどかな田園風景の中を進みます。
寒河江駅で下車 くじら寒河江店で昼食
山形駅から約30分、列車は終点の寒河江駅に到着。
左沢行きの列車が来るまで1時間以上あるので、駅の外に出てみましょう。
寒河江駅の外に出てみました。
寒河江駅は沿線の主要駅でもあるため、駅舎がとても立派です。
さて…ちょうどお昼時ですし、近場で昼食をとることにします。
今回訪問したのは、担々麺とたれ唐の店 くじら寒河江店。
くじらは担々麺と唐揚げを売りにしているお店で、山形県内で2店舗(山形市・寒河江市)展開しています。
寒河江店限定メニューのマーラー担々麺と、もも肉のたれ唐をいただきました。
担々麺とたれ唐の店 くじら寒河江店は、残念ながら閉店してしまったようです。
寒河江駅から左沢行きの列車に乗車
くじら寒河江店で昼食をとり、寒河江駅に戻ってきました。
寒河江駅は左沢線沿線の中心駅。
そのため待合室なども設置されていたりと、構内の作りがしっかりしていますね。
左沢行きの列車が寒河江駅のホームに到着。
引き続き乗車し、左沢線の全線完乗を目指します。
柴橋駅~左沢駅間では、車窓から最上川が見えます。
ここ大江町は、舟による交通や輸送で栄えた町。
江戸時代には、米沢から運ばれたものが左沢で積み替えられ、その後酒田まで運ばれるという、重要な中継地点としての役目を担っていました。
大正時代頃まで続いたと言われている当時のような賑わいは、今ではもう見ることはできませんが…
町の所々に当時の面影が残っています。
余談ですが、最上川の景色をより一層楽しむなら陸羽西線がおすすめですね。
寒河江駅から約15分、終点の左沢駅に到着しました。
鉄道旅行者の中では難読駅名としても有名な、左沢駅。
ちなみに左沢という名前の由来ですが
- 最上川を基準にして「あちらの沢(最上川の左側)」「こちらの沢(最上川の右側)」といったことから「あちらの沢」=「あてらざわ」になった
- かつて大江町を治めていた領主の大江氏が山に登った時に、左側に見えた山谷のことを「あちの沢」と呼んでおり、それが左沢の語源となった
- アイヌ語が語源となった
などなど、諸説あるのだそう。
歴史ある地名なだけに「これだ!!」と断定できる説がないようですね。
線路はここで行き止まり。
本来なら、この線路が長井線(現在の山形鉄道フラワー長井線)の荒砥駅まで延伸されるはずだったんですね…
太平洋戦争などが原因で計画中止となった幻の路線、左荒線。
もし完成してたとしたら、なかなかいい景色が見れるローカル線になってたかもしれませんね。
駅舎は大江町交流ステーションとの合築で、建物内には町営の売店なども併設しています。
駅内にはみどりの窓口もありました。
左沢駅から山形行きの左沢線に乗車
先ほど乗車した列車は、折り返し山形行きになります。
こちらに乗車して、山形駅に戻るとしましょう。
左沢線の車内。
ローカル線の旅においては距離を置かれがちなロングシートの列車ですが、個人的にはそこまで嫌いではありません。
こんな風にパノラマで車窓を一望できることって、そうそうないですから。
左沢駅から約40分、終点の山形駅に到着です。
左沢線…当時の歴史を振り返りながら沿線を観光すると、どんどん面白さが溢れてくる魅力的な路線でした。
また機会があれば乗車しに行こうかと思います。
【左沢線 旅行記】沿線を観光しながら山形~寒河江~左沢全線乗車|まとめ
以上、今回は「【左沢線 旅行記】沿線を観光しながら山形~寒河江~左沢全線乗車」という内容でお届けしました。
左沢線…当時の歴史を振り返りながら沿線を観光すると、どんどん面白味が溢れ出てくる魅力的な路線でした。
機会があればぜひ、左沢線に乗車されてみては?