ここでは、さんりくトレイン宮古号(宮古発盛岡行き)の乗車レポートをお届けします。
さんりくトレイン宮古号は、山田線の盛岡駅~宮古駅間で運行する観光列車。
土日祝日を中心に1日1往復、運転しています。
使用車両は、普段は青森県で活躍するリゾートあすなろ。
足元は広々としており、終点までの約2時間、快適に過ごすことができます。
しかも快速列車のため、指定席券さえ購入すれば青春18きっぷなどでの乗車も可能。
追加料金も530円とリーズナブルなことから、観光や乗り鉄で活用したい列車のひとつです。
そんなわけで当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- さんりくトレイン宮古 宮古駅~盛岡駅の乗車記
- さんりくトレイン宮古の座席・車内
- さんりくトレイン宮古の運転日・時刻表・停車駅・料金・予約方法
ぜひ参考にしてみてくださいね。
リゾートあすなろが引退したことにより、さんりくトレイン宮古の車両はキハ 110系の2両編成に置き換えられます。
山田線・さんりくトレイン宮古とは?
山田線は岩手県の盛岡駅~宮古駅間の約102kmを結ぶ路線です。
かつては宮古駅より先の釜石駅まで結んでいましたが、東日本大震災の影響で長期運休を余儀なくされることに。
その8年後の2019年3月、三陸鉄道リアス線に移管する形で宮古駅~釜石駅間は復旧を果たしました。
しかし山田線の由来となった山田町があるのは、三陸鉄道リアス線に移管された区間内…
今では山田町を通らない山田線となってしまうという、少し悲しい路線でもあるのです。
そんな山田線で運行する列車が、さんりくトレイン宮古号。
土日祝日を中心に1日1往復、山田線の盛岡駅~宮古駅間で運行中です。
- さんりくトレイン宮古 観光客向け
- ふるさと宮古 帰省客向け
どちらもダイヤに変わりないものの、以上のような違いがあるようですね。
ただ宮古市~盛岡市を結ぶ高速道路が2021年3月に全線開通したことで、今後どうなっていくのか…という心配はありますが。
使用車両は、普段は青森県で活躍するリゾートあすなろ。
かつてはキハ58系気動車を改造したジョイフルトレイン「Kenji」が使用されていましたが、引退・廃車に伴い現在の車両に置き換えられました。
車両は観光列車「海里」などと同じHB-E300系。
足元は広々としており、終点までの約2時間、快適に過ごすことができます。
しかも快速列車のため、指定席券さえ購入すれば青春18きっぷなどでの乗車も可能。
追加料金も530円とリーズナブルなことから、観光や乗り鉄で活用したい列車のひとつでもありますね。
さんりくトレイン宮古の運転日・時刻表・停車駅・料金・予約方法
運転日(2022年度夏)
列車名 | 発駅 | 発車時刻 | 着駅 | 到着時刻 | 運転日 |
---|---|---|---|---|---|
さんりくトレイン宮古 | 盛岡 | 8:51 | 宮古 | 11:21 | 7/2.3.16-18 8/11-14 9/10.11.17-19 |
宮古 | 13:32 | 盛岡 | 15:55 |
時刻表・停車駅
盛岡 | 上米内 | 陸中川井 | 茂市 | 宮古 | |
---|---|---|---|---|---|
宮古行き | 9:01発 | 9:13発 | 10:40発 | 11:01発 | 11:19着 |
盛岡行き | 16:23着 | 16:10発 | 14:45発 | 14:24発 | 14:07発 |
料金
運賃 | 1,980円(宮古~盛岡) |
---|---|
指定席 | 530円 |
さんりくトレイン宮古は、全車指定席の快速列車。
自由席はないので、乗車券の他に指定席券の購入が必要です。
予約方法
- みどりの窓口
- 指定席券売機
- びゅうプラザ
- 主な旅行会社
- えきねっと
ちなみに指定席券売機とは、駅にある紫色の券売機のこと。
えきねっとで購入する場合は、公式ページ内の「停車駅と運行時刻」から「普通座席 予約」を選択すると便利です。
さんりくトレイン宮古の座席・車内
さんりくトレイン宮古は、全部で2両編成。
全座席がリクライニングシートになっています。
こちらがさんりくトレイン宮古の座席。
さんりくトレイン宮古のおすすめ座席は何と言っても、A席とD席。
窓側なので、山田線の風光明媚な車窓を思う存分に楽しめます。
実際に席に座ってみました。
足元は広々としていて、窮屈さはまったく感じません。
長時間の乗車でも快適に過ごせそうです。
背面テーブルの他、肘掛けにミニテーブルが備え付けてあります。
ただ、さんりくトレイン宮古には車内販売がないので、食料などは事前に駅などで購入しておく必要がありますね。
荷物棚があるので、大きめのバックパックやスーツケースなどがあっても安心。
また車両上部のモニターでは、前面展望や沿線の観光情報などを楽しめます。
1・2号車の車両端部にある展望室では、前面展望・後面展望を思う存分に楽しめます。
トイレ、洗面台はデッキ部分にあります。
トイレは車椅子対応です。
くず物入れはドア付近にあります。
【さんりくトレイン宮古 乗車記】秘境路線 山田線を走る観光列車で宮古から盛岡へ
宮古駅からさんりくトレイン宮古に乗車
旅のスタートは宮古駅。
岩手県宮古市の代表駅で、山田線・三陸鉄道リアス線が乗り入れています。
宮古駅に停車中の三陸鉄道リアス線。
かつては宮古駅より先の釜石駅まで結んでいた山田線…
東日本大震災の影響で、宮古駅~釜石駅間は三陸鉄道リアス線に移管されました。
しかし山田線の由来となった山田町があるのは、三陸鉄道リアス線に移管された区間内…
今では山田町を通らない山田線となってしまうという、少し悲しい路線でもあるのです。
こちらが今から乗車する山田線の快速列車、さんりくトレイン宮古。
大湊線の観光列車「リゾートあすなろ」の車両がそのまま使用されています。
ジパング平泉やKenjiの引退に伴い、最近では東北各地で見かける機会が増えるようになりましたね。
行先は「臨時」の表示。
車両はリゾートしらかみの橅・青池編成や海里と同じHB-E300系で、全2両編成での運行です。
定刻通りに宮古駅を出発したさんりくトレイン宮古号。
留置されている三陸鉄道の車両を眺めつつ、宮古駅を後にします。
しばらくすると三陸鉄道リアス線と分岐し、列車は山田線内を走行します。
宮古駅を出発後、車窓から見ることができる閉伊川。
閉伊川は、岩手県宮古市を流れる二級河川。
山田線とほぼ並行する形で流れているため、車窓の大部分で閉伊川の景色を楽しめます。
宮古市の市街地を抜けると、次第に山奥へ…
国道106号線や閉伊川に沿うように、列車は山を登っていきます。
次の停車駅である茂市駅までは、約20分の所要時間。
速達性はそれなりにあり、快速列車としても十分機能しているのではないでしょうか。
旧岩泉線の起点駅 茂市駅
宮古駅から約20分、さんりくトレイン宮古は茂市駅に到着。
駅構内の端にぽつんと建つ、ホーム跡と駅名標跡。
茂市駅からはかつて山田線の他、岩泉線が発着していました。
岩泉線は山田線を超える屈指のローカル線で、茂市駅発の列車はなんと1日3本の運行だったのだとか…
- 8:01 宮古行き
- 17:20 茂市行き
- 19:33 宮古行き
そんな岩泉線は土砂崩れによる脱線事故が原因で2014年4月に廃止…
現在は茂市駅から路線バスが岩泉方面まで出ています。
茂市駅から約20分、列車は陸中川井駅に到着。
旧川井村の中心駅ということもあり、周辺では小さな集落を確認できました。
陸中川井駅~上米内駅間は約1時間半ノンストップで走行!
陸中川井駅を出発し、再び閉伊川を並走するように走るさんりくトレイン宮古号。
次の停車駅である上米内駅までは、なんと約1時間半ノンストップでの運行。
険しい峠道を力強く、そしてスイスイと駅を通過していきます。
列車は区界駅を通過。
区界駅が位置するのは、なんと標高744mの超山奥。
山田線の最高地点であるのと同時に、東北では最も高い場所にある鉄道駅です。
そして向かい側にホーム跡…以前は列車交換可能な駅だったのでしょう。
山田線は本数がただでさえ少ないですしね。
もうこの駅で列車交換をする必要はなくなった…ということでしょうか。
ちなみに区界駅から上米内駅までの距離は約26km。
所要時間にすると約30分。
なんと、これはJR東日本内では最長の駅間距離なのだとか。
区界駅~上米内駅間には、かつて大志田駅と浅岸駅という超秘境駅ありました。
しかし2016年3月に廃駅になったので、現在では約26kmにわたって駅がない区間となっているんです。
現在は駅舎やホームが撤去されているので、駅だった面影はキレイさっぱり無くなっています。
そして、おそらく浅岸駅があったであろうとされる場所の周辺。
駅とわかるような物は特に残されておらず、更地となっていました。
こちらが大志田駅があったであろうとされる場所の周辺。
こちらも駅だった時代の痕跡が残ってない状況でした。
盛岡〜宮古を結ぶスーパー秘境ローカル線、山田線。峠道を何度もカーブしながら進んでいく車窓は圧巻…
よくこんな場所に線路通せたなあ〜〜と思わず見入ってしまいますわ😳 pic.twitter.com/iHzXUF0VKp
— なか@東北旅びより (@naka_travel) June 12, 2021
峠道をゆっくり下るさんりくトレイン宮古号。
峠を越えれば、上米内駅はもう間もなくです。
上米内駅からは次第に盛岡の市街地へ
峠もすっかり下り終え、田園風景の中を走るさんりくトレイン宮古号。
列車はすでに盛岡市へと突入しています。
陸中川井駅から約1時間半、上米内駅に到着。
約1時間半ノンストップの乗車という、本州ではなかなかできないレアな体験ができました。
「かみよない」と書かれた、味のあるホーロー駅名板が旅情をそそりますね…
上米内駅は、2面2線の相対式ホームを有する列車交換可能な駅。
盛岡駅発の山田線は、大半の列車が当駅で折り返しとなります。
上米内駅を出発すると、列車は盛岡市の市街地へと突入。
北上川を渡ると、終点の盛岡駅はもう間もなくです。
終点の盛岡駅に到着
宮古駅から約2時間、さんりくトレイン宮古号は終点の盛岡駅に到着。
観光列車でありながら、それなりに速達性もあり、快速列車として十分に機能しているのではないかと感じました。
観光客だけでなく、帰省客にもおすすめの列車です。
【さんりくトレイン宮古 乗車記】秘境路線 山田線を走る観光列車で宮古から盛岡へ|まとめ
以上、今回は「【さんりくトレイン宮古 乗車記】秘境路線 山田線を走る観光列車で宮古から盛岡へ」という内容でお届けしました。
盛岡~宮古の移動に便利なさんりくトレイン宮古。
長時間の乗車でも快適に過ごせますし、指定席券さえ購入すれば青春18きっぷなどでの乗車も可能。
追加料金も530円とリーズナブルなことから、観光や乗り鉄で活用したい列車のひとつです。