ローカル線・バス乗車記

【SL銀河 乗車記】引退決まる…岩手を走る観光列車に乗って沿線を巡る旅

【SL銀河 乗車記】引退決まる…岩手を走る観光列車に乗って沿線を巡る旅

どうも、筆者のなか(@naka_travel)です!

2023年春に引退が決まった観光列車「SL銀河」の全線乗車レポートをお届けします。

遠野駅に停車中のSL銀河
客車に描かれたSL銀河のロゴマーク

SL銀河は、釜石線の花巻駅~釜石駅間で運行する観光列車。

宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたデザインが特徴的で、外観だけでなく、車内の至る所でもその世界観を感じることができます。

乗車すれば、そこはあっという間に銀河鉄道の世界…

宮沢賢治の作品や思想に触れられるだけでなく、沿線での観光も十分に楽しめますよ。

なか
なか
岩手での旅行のお供にぜひ!

当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。

  • SL銀河 釜石発花巻行きの全線乗車レポート
  • SL銀河の車窓の景色・見どころなど
  • SL銀河の座席・車内について
  • SL銀河の運転日・時刻表・停車駅・料金・予約方法など
  • SL銀河・釜石線沿線のおすすめスポット

ぜひ参考にしてみてくださいね。

釜石線・SL銀河とは?

釜石駅に停車中の快速はまゆり釜石線は、岩手県の花巻駅~釜石駅の約90kmを結ぶ路線。

なか
なか
沿線の花巻市は、宮沢賢治の出身地なんだよ!

宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」に登場する沿線風景は、釜石線の前身である「岩手軽便鉄道」がモデルになったのだそう。

そのことから、沿線には「銀河ドリームライン釜石線」という愛称がつけられています。

花巻駅1番線の駅名標宮沢賢治の作品にちなんで、釜石線の駅名標も「銀河鉄道の夜」仕様に。

また、作品中にエスペラント語の単語がよく登場していたことから、各駅にエスペラント語による愛称が付けられています。

なか
なか
いいね、かわいい。

遠野駅に停車中のSL銀河そんな釜石線で運行する列車が、SL銀河。

SL銀河は、花巻駅~釜石駅で運行する観光列車。

週末を中心に活躍しており、基本的に以下のような運行体系をとっています。

  • 土曜日:花巻発・釜石行き
  • 日曜日:釜石発・花巻行き

いわてデスティネーションキャンペーンに合わせ、2014年に運行開始したSL銀河。

宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたデザインが特徴的で、外観だけでなく、車内の至る所でもその世界観を感じることができます。

遠野駅に停車中のSL銀河
花巻駅に停車中のキハ141

車両はC58形蒸気機関車、そして客車のキハ141系からなります。

  • SL(C58形蒸気機関車):盛岡市にて静態保存されていたものを動態復元
  • 客車(キハ141系):JR北海道の余剰車をJR東日本が購入し、再改造

以上の列車を合わせ誕生しました。

SLがけん引するキハ141系は、元々JR北海道の札沼線で運用されていたもの。

しかし札沼線の電化に伴い、余剰車となっていた車両だったのです。

これがもし、時期が少しでもずれていたとしたら…

なか
なか
奇跡のような組み合わせ、素敵。

そう考えると、なんだか不思議な気持ちになりますね。

SL銀河は、今の姿ではなかったかもしれませんし、そもそも誕生していなかったかもしれません。

なか
なか
すごいなあ~余計愛着湧いちゃう。

しかし先日、そのSL銀河に関する残念な知らせがJR東日本から発表されました。

観光面からの復興支援と地域の活性化を目指し、2014年4月に釜石線で運行を開始した「SL銀河」は、旅客車(キハ141系)の老朽化に伴い、2023年春をもって運行を終了することとなりました。

引用:JR東日本

JR東日本ニュースにある通り、SL銀河は2023年春に引退することが決まりました。

理由としては「客車であるキハ141系の老朽化」とのこと。

元をたどれば、客車のキハ141系も50系客車というかなり古いものですからね…

なか
なか
おじいちゃんを無理やり山走らせてたようなもんだしね、仕方ない。

JR東日本では、SL銀河に代わる新たな観光列車を検討しているとのこと。

引き続きSLになるのか、はたまたリゾートしらかみ海里のような気動車になるのか…

今のところは不明ですが、今後の動向に注目していきたいところです。

【座席・車内】SL銀河の車両について

花巻駅に停車中のキハ141SL銀河が牽引する客車「キハ141系」は、全部で4両編成。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1号車:プラネタリウム・ボックスシート

1号車の車内1号車は4人掛けボックスシートのほか、SL銀河の見玉のひとつでもあるプラネタリウムが設置されているのが特徴です。

SL銀河内の行先表示行先表示は銀河鉄道の夜仕様に。

車内の至る所で宮沢賢治ワールドを体感できます。

宮沢賢治の作品に関する展示物
南部鉄器

ギャラリーには宮沢賢治の作品に関するものや、岩手の伝統工芸品などの展示も。

なか
なか
SL銀河カラーの南部鉄器。いいね。

SL銀河と客車の連結面SLの背面もバッチリ見えます。

1号車はプラネタリウムがある関係か、2・3号車に比べて座席数は少なめ。

人通りが他の車両より少し多いかもしれませんが、プラネタリウムを利用したいときに便利ですね。

2号車:トイレ・ボックスシート

2・3号車の車内2号車は4人掛けボックスシートのほか、トイレが設置されています。

SL銀河の座席大正~昭和初期を彷彿とさせる、レトロモダンな座席。

足元は少し狭いもののクッション性があり、長時間座っていてもそこまで疲れることはありません。

なか
なか
乗車時間めっちゃ長いしね、これはありがたい。

座席上部のステンドグラス座席上部の荷物棚付近にはステンドグラスも。

宮沢賢治に関する資料
宮沢賢治の作品

宮沢賢治に関する資料や作品がズラリ。

銀河鉄道の夜をはじめ、風の又三郎、グスコーブドリの伝記…

どれも一度は耳にしたことがあるであろうものばかり。

このように、今でこそ全国で親しまれている宮沢賢治の作品ですが、なんと生前に刊行された著書は2冊のみ。

そのほとんどは、彼の死後に広く知られたものなんだそう。

自身の作品がここまで広まり、さらにはその作品をテーマにした列車が走るようになるなんて…

きっと想像もしていなかったんじゃないでしょうか。

3号車:ボックスシート

2・3号車の車内3号車も2号車と似たような配列で、4人掛けのボックスシートが並んでいます。

下ノ畑ニ居リマス黒板に書かれた「下ノ畑ニ居リマス」の文字。

これは宮沢賢治が設立した「羅須地人協会」にあるもので、そこで彼は農民に向けて農業に関する講義を行いました。

ちなみに「下ノ畑ニ居リマス」は単に賢治の不在を知らせる為ではなく「自分は畑に行って家を留守にしているが、おやつはそこに置いてあるよ」という意味が隠されていたんだとか。

なか
なか
生徒思いの人だったんだねえ。

負けないノート負けないノート。

宮沢賢治の代表作「雨ニモ負ケズ」にかけてるんでしょう。

乗客であればだれでも自由に書き込めます。

なか
なか
旅行中ノ財布ノ緩ミニモ負ケヌ、強イ精神ヲ持チ…

余談ですが、個人的なSL銀河のおすすめ座席はA席かD席。

窓側なので、釜石線の風光明媚な車窓を思う存分に楽しめます。

なお釜石駅発のSL銀河の場合、車窓の見どころは以下の通り。

  • 進行方向に向かって右側:宮守駅付近のめがね橋(宮守川橋梁)
  • 進行方向に向かって左側:陸中大橋駅付近の180度大カーブ「オメガループ」

ぜひ参考にしてみてください。

4号車:売店・トイレ・ボックスシート

4号車の車内4号車には売店と車椅子対応トイレが設置されているため、全4両の中で座席数は最も少ないです。

売店に並んでいるグッズSL銀河仕様のクリアファイルやバッジ、コースターなど種類豊富。

売店のメニューこちらは車内販売のメニュー表。

グッズの他、アイスやお菓子、飲み物も販売しています。

SL銀河のスタンプ台売店カウンター付近にはスタンプ台も。

なか
なか
SL銀河仕様のスタンプ台、かっこよすぎる。

4号車は売店とトイレがある関係で人通りが多く、落ち着かない人もいるかもしれません。

ただ売店、トイレが近いのは便利でありがたいポイントですね。

【2021ー22年】SL銀河の運転日・時刻表・停車駅・料金(運賃・指定席)・予約方法

運転日

2021年のSL銀河の運転は終了しました。

来年度の運転日が発表され次第、こちらに追記します。

時刻表・停車駅

花巻新花巻土沢宮守遠野上有住陸中大橋釜石
釜石行き10:36発10:47着
10:50発
11:00着
11:04発
11:27着
11:39発
12:12着
13:31発
14:15着
14:20発
14:35着
14:42発
15:10着
花巻行き15:19着15:06着
15:08発
14:53着
14:56発
14:26着
14:33発
11:46着
13:53発
10:58着
11:03発
10:29着
10:40発
9:57発

料金(運賃・指定席)

乗車券・運賃花巻~遠野:860円
釜石~遠野:860円
花巻~釜石:1,690円
指定席大人:840円
子ども:420円

SL銀河は快速列車なので、青春18きっぷや北海道&東日本パスなどに指定席券を合わせても乗車できます。

SL銀河は全車指定席のため、乗車券のほかに指定席券を購入する必要があります。自由席はありません。

予約方法

  • みどりの窓口
  • 指定席券売機
  • びゅうプラザ
  • 主な旅行会社
  • えきねっと

仙台駅の指定席券売機ちなみに指定席券売機とは、駅にある紫色の券売機のこと。

えきねっとで購入する場合は、SL銀河公式ページ内の「時刻表・運転日」から「普通座席 予約」を選択すると便利です。

えきねっと・指定席券売機どちらも購入時の座席指定が可能です。

【SL銀河 乗車記】引退決まる…岩手を走る観光列車に乗って沿線を巡る旅

釜石駅からSL銀河に乗車

釜石駅の駅舎旅のスタートは釜石駅。

岩手県釜石市の代表駅で、釜石線三陸鉄道リアス線が乗り入れています。

釜石市といえば製鉄やラグビー、そして海の幸、釜石ラーメン。

せっかく釜石まで来たことですし、ご当地グルメでも食べていきたいところです…が。

しかし残念なことに時間の都合上、グルメを目にすることもできず釜石を去ることに…なんということでしょう。

なか
なか
とってもかなC。

釜石駅の列車案内これより乗車するのは、釜石駅9時57分発のSL銀河。

SL銀河は1番線からの発車です。

乗車記念の石炭改札を抜けたところで乗車記念品をいただきました。

記念品はなんとSLの石炭…!

石炭こちらが中身。

正真正銘ガチの石炭です。

なか
なか
すげえ。石炭プレゼントされたの初めてだよ。

客車の最後部階段を上りホームへ出ると、SL銀河の客車キハ141系とようやくご対面。

なか
なか
いい色~~かっこええ~~~

客車とは言っても、実はディーゼルエンジンを搭載した気動車。

そのため自力での走行が可能です。

釜石線内に存在する「仙人峠」と呼ばれる難所を越えるには、なんでもSL単体では力不足らしく、ディーゼルエンジンを使ってサポートするのだそう。

SL銀河のサボプレート側面に備え付けられたサボプレート。

昔ながらのサボプレートがSLとマッチしてていい感じです。

客車に描かれたSL銀河のロゴマーク
SL銀河の客車デザイン

ブルーの車体に光り輝く星座の数々…これぞまさに銀河鉄道の夜。

一気に世界観に引き込まれます。

釜石駅に停車中のSL銀河そして、こちらがキハ141系をけん引するC58形蒸気機関車。

やはり普通の列車に比べ、迫力が段違いです…

SL銀河のヘッドマークSL銀河のヘッドマーク。

こちらも銀河鉄道の夜をモチーフにしたデザインです。

車体との統一感があっていいですね。

2・3号車の車内そしていよいよ念願のSL銀河の車内へ。

終点の花巻駅に到着するのは15時過ぎ…

約5時間、お世話になります。

釜石駅を出発したSL銀河9時57分、SL銀河は定刻通りに釜石駅を出発。

汽笛を鳴らしながら、甲子川を渡ります。

SL銀河の客車内
なか
なか
雰囲気めちゃいい感じ。

車内の装飾がまたいい味を出してますねえ。

特にトンネルに入ると、本当に童話の世界に入り込んでいるようで…

銀河鉄道の夜の世界観をより感じることができます。

釜石線一番の難所「仙人峠」と180度の大カーブ「オメガループ」

仙人峠に入るSL銀河釜石市の市街地を抜けると、SL銀河は次第に山奥へ…

ここからいよいよ釜石線最大の難所と言われる「仙人峠」へと突入します。

仙人峠は、釜石市と遠野市の境にある峠で、古くから交通の難所として知られていました。

釜石線の全線開通時も、最後に残った建設区間がこの仙人峠のエリア。

当時は第二次世界大戦の影響も重なり、なんと峠道の開通までに14年もの歳月を要したそう。

なか
なか
相当時間かかってんなあ…

一時は鉄道開通を断念したものの、長い年月をかけてついに全通に至ったのです。

終戦直後というと、当時の技術や鉄道のスペックを考えても相当ハードだったことがうかがえます。

ましてやそれ以前の時代なんて、鉄道すらないわけですからね…

沿線住民にとって、鉄道開通は本当に悲願のものだったのでしょう。

オメガループに入るSL銀河そして車窓から赤い橋が見えてくると、釜石線の見どころでもある「オメガループ」が始まります。

オメガループとは、その名の通り「Ω(オメガ)」の記号のような形を描きながら走行すること。

上有住駅~陸中大橋駅間のグーグルマップ引用:グーグルマップ

地図を見ると、線路が「Ω(オメガ)」のような形をしているのがお分かりかと思います。

上有住駅~陸中大橋駅間にある「仙人峠」は、釜石線内では最も勾配が厳しい場所。

陸中大橋駅と仙人峠には、約300mもの高低差があるのだそう。

なか
なか
富士急ハ○ランドのジェットコースターくらい高低差ありそう。

しかし列車の構造上、急勾配を一気に登ることが難しいんです。

そこで考えられたのが、オメガループ。

急勾配を避けるため、180度迂回しながら高度をかせいでいく…という仕組みになっています。

陸中大橋駅の駅名標釜石駅より約30分…

最初の停車駅、陸中大橋駅に到着。

陸中大橋駅では11分停車します。

実は個人的に前々から降りてみたいと思っていた駅。

なか
なか
とってもうれC。

せっかくですし、ホームに降りてみようかと思います。

陸中大橋駅前の鉱山跡
陸中大橋駅周辺の鉱山跡

かつては鉄鉱石の積み出しで賑わったとされる陸中大橋駅。

有人駅だった当時は大きな駅舎があり、その中には売店もあったそう。

現在はホームに小さな待合室だけを備える無人駅となっています。

駅では鉱石を運ぶホッパーの遺構や、炭鉱までの廃線跡が現在でも少しだけ確認できました。

オメガループに入る釜石線陸中大橋駅を出発し、峠道をゆっくり進むこと約10分…

上有住(かみありす)駅到着前に、車窓からはもうひとつ線路が見えてきました。

この線路は別の路線のものではなく、正真正銘の釜石線の線路。

つい先ほどSL銀河が通ってきた線路です。

なか
なか
下に見える線路から、さっきの赤い橋を見てたってことだね!

上有住駅に停車するSL銀河陸中大橋駅から15分ちょっとで上有住(かみありす)駅に到着。

釜石線の各駅にはエスペラント語の名称がついています。

なか
なか
上有住(かみありす)駅は「カヴェルノ」っていうらしい。

上有住駅では4両目がホームからはみ出して停車上有住(かみありす)駅ではホームの長さの関係上、最後部の4両目からは出入りできません。

これはこれでレアな光景。面白い。

上有住駅に停車中のSL銀河上有住(かみありす)駅では5分停車するとのことで、しばし撮影タイム。

釜石線内は険しい峠道が多いためでしょうか、このように複数の駅で数分~数十分停車し、点検をしながら終着駅まで進みます。

しかしまさか、こんな間近でSLを撮影できるなんて…

なか
なか
超かっけえ。鼻血出そう。

滝観洞のポスター日本屈指の洞窟内を流れる滝として有名な「滝観洞(ろうかんどう)」の最寄り駅でもある上有住(かみありす)駅。

駅にはポスターも掲示されていました。

滝観洞(ろうかんどう)…機会があればぜひ足を運んでみたいスポットのひとつです。

なか
なか
上有住(かみありす)駅からは徒歩3分!めっちゃ近い!
遠野駅前の観光案内(表面)
遠野駅前の観光案内(裏面)

車掌さんから遠野駅前の観光案内をいただきました。

遠野駅では1~2時間ほど停車しますし、これはありがたいです。

遠野駅では1時間以上停車!周辺を観光

遠野駅釜石駅から1時間40分ほどで、遠野駅に到着。

遠野駅は岩手県遠野市の代表駅で、釜石線内ではちょうど中間くらいに位置します。

遠野駅の待合室遠野駅の待合室。

遠野市の主要駅なだけあって、みどりの窓口や売店がありますし、待合スペースもしっかり整備されてます。

遠野駅のみどりの窓口寝台券…急行券…

まだちゃんと残ってるんですね。こういうの。

この辺りを走る寝台列車や急行列車はすでに無くなったというのに。

なか
なか
エモい。エモすぎる。

さて遠野駅では停車時間が多いため、一度駅の外まで出ることに。

なか
なか
遠野駅での停車時間は1時間以上!観光し放題!

特に釜石駅発のSL銀河の場合は2時間ほど停車時間がありますし、レンタサイクルで少し遠出するのもアリかもしれません。

レンタサイクルについては、遠野市観光協会の公式サイトをご覧ください。

コムアンフー
ドリップコーヒー

今回は2時間の停車時間を活用し、カフェ巡りを楽しむことに。

駅前のマイケルズカフェアメリカン、そしてノートジェネラルストアにお邪魔しました。

なか