大回り乗車で仙台から米沢へ行き、名物の「牛肉どまん中」という駅弁を食べてきたので、その模様をお届けします。
ではまず旅の模様にいく前に、大回り乗車について解説していきましょう。
すでに大回り乗車を知っている人は、もくじの欄から「【大回り乗車】仙台から米沢へ|名物駅弁「牛肉どまん中」を堪能」まで移動することをおすすめします。
大回り乗車とは?
大回り乗車とは、ある特定の運賃の計算方法を利用して目的地まで遠回りして行く方法のことを言います。
しかしこれだけ聞いてもイメージが湧かないと思うので、山手線を例として説明していきますね。
山手線が円を描いた路線図をひたすら回り続ける路線だということは、多くの人が知っていることかと思います。
例えば、東京駅から品川駅へ向かうとしましょう。
すると一般的なルートはこのように、外回りで行くことになるかと思います。
料金は160円です。
しかし実は、このように内回りで東京から品川まで行っても、料金は同じく160円なんです。
東京から品川へ向かうにしても、山手線で遠回りをしたり、中央線経由で行ったりなど…
大都市のように路線がいくつも走っている区間では、出発地から目的地までのルートが何通りも出てきますよね。
本来であれば、乗車した区間分の運賃を支払うものですが…
切符にはどのルートを通っていくかという情報が書き込まれているわけではありませんし、かといって車掌さんが毎回検札するというのも現実的ではありませんよね。
このことからJRは、以上のような特例を設けることにしました。
- 東京や大阪のような大都市には、路線がたくさんあってルートが何通りも出てきてしまうな…
- それならこういう大都市では、途中のルートではなくて乗車駅と降車駅を見て運賃を決めよう
- その途中のルートは自由にして、どんなルートでも最安値の運賃で乗れるようにしよう
といったことが、特例では書かれています。そしてこれを応用した乗車方法が、大回り乗車です。
この特例を利用して、遠回りをしながら目的地まで向かうということですね。
しかしもちろん、この大回り乗車は全国どこでも利用できる方法ではありません。
次の章では、その大回り乗車の詳しいルールを紹介します。
大回り乗車のルール
大都市近郊区間内であること
- 東京近郊区間
- 大阪近郊区間
- 福岡近郊区間
- 新潟近郊区間
- 仙台近郊区間
大回り乗車をするには、JRが設定している5つの大都市近郊区間の範囲内ということが条件になってきます。
この5つの大都市近郊区間内であれば、どんなルートでも最安値の運賃で乗車駅から降車駅まで行くことができます。
大都市近郊区間内の詳しい路線図は、以下のJRのホームページに記載されているので、合わせてご覧ください。
ルートが一筆書きであること
ルートが一筆書き…
つまり、移動する経路が重複してはならないということです。
一度通った駅や経路は通れませんので、ご注意を!
1日以内に、目的地にたどり着くこと
その日に購入した切符は、その日にしか利用することができません。
そのため、その日の運転が終了するまでに必ず目的地にたどり着くことが必要です。
途中下車はできない
途中下車はできません。
もし途中下車をした場合は、乗車駅から途中下車する駅までの運賃が通常通りかかってしまいます。
仙台近郊区間で大回り乗車をする場合
これが仙台近郊区間の路線図です。
この範囲内であれば、最安値の運賃で目的地まで行くことができます。
仙台近郊区間のより詳しい路線図は、JR東日本の公式サイトからご覧になれます。
この区間で大回り乗車をする場合に考えられる例を、いくつかあげてみましょう。
なお、仙台駅を出発地とした場合で考えています。
ただし仙石東北ラインを利用する場合は、注意が必要です。
東北本線と仙石線のルートを使用することになるので、場合によってはルートが重複する可能性があります。
さて、これらを踏まえて大回り乗車をしていきたいと思いますが…
今回はとある駅弁を求めて、仙台から福島県を経由し、山形県の米沢市へ行って来ました。
東京駅の駅弁ランキングでトップを飾ったことがあるほどの、最高の駅弁です。
果たしてどんな駅弁なのでしょうか?
なおこれまでの大回り乗車に関する旅行記も載せておくので、お時間があればこちらも合わせてご覧ください。


【大回り乗車】仙台から米沢へ|名物駅弁「牛肉どまん中」を堪能
南仙台駅から東北本線で福島駅へ
今回は時間の関係上、仙台駅ではなく南仙台駅からのスタートとなりました。
南仙台駅は仙台駅から東京方面へ3つ先の駅です。
また仙台市最南端の駅でもあります。まずは南仙台駅から、福島行きの東北本線に乗り込みます。
この日は思ったほど乗客がいませんでしたね…
列車に乗ること約20分、途中の岩沼駅に到着します。
岩沼駅からは、東北本線と常磐線に分かれます。
常磐線は2020年3月14日、9年ぶりに全線開通を遂げました。
仙台~都内直通の特急ひたちも復活したので、本当に良かったです。


福島駅に到着
さて、1時間半ほどで福島駅に到着しました。ここからは米沢行きの奥羽本線に乗り換えます。
さっそく乗り換えるためにホームへ行ったのですが、これを初めて見る人は驚くかもしれません…
こちらは奥羽本線の福島~米沢間の時刻表なのですが…
数字の右上に「庭」という文字が書いてあるのは、福島駅から2つ先の庭坂駅が終点となっている列車です。
つまり、福島駅から米沢駅へ向かう普通列車は1日に6本しかないんです。
しかも12時51分の次は16時4分って…
これを東京や大阪の方が見たりしたらやっぱり驚くんですかね?
そんなことを思いながら列車を待っていました。
線路の幅が違う奥羽本線の福島駅~新庄駅間
列車の出発時間まで周辺を撮影していると、福島駅ならではのある光景を目の当たりにしました。


これらの線路をよく見比べると、2枚目の写真の線路の方が幅が広い感じがしませんか?
実は、奥羽本線の福島駅~新庄駅の奥羽本線…
通称、山形線と呼ばれている区間では「標準軌」と呼ばれる線路の作りになっており、他の線路よりも少し広めの作りになっています。
ちなみに1枚目の線路は、標準軌よりも狭い作りになっていることから「狭軌」と呼ばれています。
ではなぜ、福島~新庄間は標準軌の線路となっているのでしょうか?
なぜかといいますと、この区間は新幹線と在来線が同じ線路を使用しているからです。
新幹線の構造上、在来線と同じ狭軌の線路を走ることはできないので、この区間は標準軌となっています。
そのようにして、新幹線も在来線も同じ線路を走らせているわけですね。
福島駅から奥羽本線で米沢駅へ
出発の時間となったので、奥羽本線の米沢行きに乗り込みます。
終点の米沢駅までずーーーーーーっとこんな感じです…
途中の駅も無人駅だらけ&山奥なので、本数が少ない理由がなんとなくわかった気がします。
福島駅から約40分、米沢駅に到着しました。
米沢名物の駅弁「牛肉どまん中」
実は僕、この「牛肉どまん中」という駅弁を求めて米沢駅までやってきました。
牛肉どまん中は米沢名物の駅弁として、とても有名なんです。
中身はこのようになっています。これは美味しそうですね…
なんでもこの駅弁、東京の駅弁ランキングで1位をとったこともあるとか。
早速食べてみたのですが、かなり美味しいです。
肉はやわらかく、甘みがあり、牛肉の旨味がジュワジュワ~っと広がります…
白米も駅弁のクオリティとは思えないほど美味しく、これがとても肉とマッチしました。
どうやらこのお米は「どまんなか」という山形のブランド米なんだそうです。
だから「牛肉どまん中」という名前なんですかね?
付け合わせの煮物、かまぼこ、卵焼き、漬物も、とても味がしっかりとしていて美味しかったです。
食べ終わった瞬間に、これは1位を取るに決まってるな…と、思わざるを得ませんでしたね…
そんなことを思っているうちに出発の時間です。
米沢駅から奥羽本線で山形駅へ
山形新幹線と行き違いになりました。
在来線のホームに新幹線が入るというのも、なんだか不思議な感覚ですね。
米沢駅から山形行きの奥羽本線に乗り換え、山形駅を目指します。
山形駅から仙山線で仙台駅へ
米沢駅から約40分、山形駅に到着しました。ここからは仙山線に乗り換え、仙台駅を目指します。
仙山線だと、山形駅から仙台駅まで約1時間半。山形市と仙台市は隣同士なので、隣県と言えどもやはり近いですね。
この2つの都市はバスのアクセスも抜群に発達しているので、とても便利です。
さて、そんなこんなで仙台駅に到着し、大回り乗車の旅はこれにて終了となります。
【まとめ】大回り乗車で仙台から米沢へ|名物駅弁「牛肉どまん中」を堪能
以上、今回は牛肉どまん中を食べるべく、大回り乗車で山形まで行った模様お届けしました。
美味しいものを食べて、綺麗な雪景色を見て、好きな写真を沢山撮って…
かなり充実した旅となりました。
ちなみにここまでの料金、切符代と駅弁代を含めても1,500円以下です…
やはり大回り乗車はコスパが最高ですね。
あなたもぜひ、機会があれば大回り乗車にチャレンジしてみては?

