- 大回り乗車とはそもそも何?
- 仙台近郊区間での大回り乗車について詳しく知りたい
そんな人へ向けて、当ブログ「東北旅びより」では「【仙台近郊区間】大回り乗車とは?おすすめルート・注意点も紹介」という内容でお届けしていきます。
鉄道旅行者の御用達、大回り乗車。
東京や関西では有名ですが「仙台近郊区間」と呼ばれる南東北の一部エリアでも、大回り乗車が可能です。
- そもそも大回り乗車とは?
- 大回り乗車のルール・注意点
- 仙台近郊区間の大回り乗車おすすめルート
ぜひ参考にしてみてくださいね。
大回り乗車とは?
- 最短経路ではない行き方で目的地まで向かうこと
- 特定のエリアでのみ利用可能
超ざっくり説明すると以上の通り。
大回り乗車とは、ある特定の運賃の計算方法を利用して目的地まで遠回りして行く方法のこと。

こちらは簡略化した山手線の路線図。
例えば、上野駅から東京駅へ向かうとしましょう。
一般的なルートは以上のように、外回りで行くことになるかと思います。
料金は170円です。
しかし内回りで東京から品川まで行っても、料金は同じく170円なんです。
仮に東京駅から新宿駅までJR線で向かうにしても、以下のようなパターンがあるわけです。
- 山手線(外・内回り)で向かう
- 中央本線で向かう
- 総武線などを使う
大都市のように多くの路線があれば、出発地から目的地までのルートが何通りも出てきます。
本来であれば、乗車した区間分の運賃を支払うのがルール。
そのルールにのっとって、車掌さんが毎回検札するというのも現実的ではありませんよね。
このことからJRは「運賃計算の特例」を設けることにしました。
- 東京や大阪のような大都市には、路線が沢山あってルートが何通りも出てきてしまうな
- それなら大都市では、ルート関係なく最短経路の運賃にしよう
- あらかじめ決めた範囲内であれば、途中ルートは自由にしよう
そしてこれを応用した乗車方法が、大回り乗車。
特例を利用して「遠回りしつつ乗り鉄旅行もついでに楽しんでしまおう!」という方法です。
しかしもちろん、大回り乗車は全国どこでも利用できる方法ではありません。
大回り乗車のルール・注意点
大都市近郊区間内でしか利用できない
- 東京近郊区間
- 新潟近郊区間
- 仙台近郊区間
- 大阪近郊区間
- 福岡近郊区間
大回り乗車をするには、以上の5つの大都市近郊区間の範囲内ということが条件。
これ以外の場所だと通常通り運賃を支払う必要があります。
大都市近郊区間の詳しい範囲は、JRの公式サイトをご覧ください。
公式サイト運賃計算の特例|JR東日本
ルートは一筆書き!後戻りはできない
目的地までのルートは一筆書き。
要するに、移動する経路が重複してはならないということです。
一度通った駅や経路は通れません。
途中下車はできない
途中下車はできません。
もし途中下車をした場合は、乗車駅から途中下車する駅までの運賃が通常通りかかってしまいます。
なるべく有人改札を通る
Suicaなどの交通系ICカードでも紙の乗車券でも、一定時間を過ぎるとエラーで改札から出られなくなるようです。
駅から出る際は、念のため駅員さんのいる改札を通る方がいいでしょう。
移動ルートや利用した列車を説明できるようにしておく
車掌さんから検札を受ける際、まず疑問に思われる可能性大。
検札時は「大回り乗車です」と一言添え、移動ルートや利用した列車を説明できるようにしておくといいでしょう。
中にはルート、スケジュールのメモを車掌さんに直接見せてる人もいるみたいですね。
仙石東北ライン利用時は要注意
仙台駅~石巻駅・女川駅を東北本線・仙石線経由で運行する仙石東北ライン。
- 仙台駅~塩釜駅 東北本線の区間
- 高城町駅~石巻駅 仙石線の区間
東北本線と仙石線の一部ルートを使用することになるので、場合によっては重複する可能性があります。
仙台駅→(仙石東北ライン)→石巻駅→(石巻線)→小牛田駅→(東北本線)→東仙台駅
例えば以上の場合、東北本線の東仙台駅~塩釜駅を重複していることになるためアウト。
間違えやすい区間なので要注意です。
東北新幹線・山形新幹線は使えない
- 東北新幹線 郡山駅~一ノ関駅
- 山形新幹線 福島駅~新庄駅
仙台近郊区間には以上の区間も含まれますが、新幹線は使えません。
奥羽本線の特急列車として扱われる山形新幹線も、大回り乗車中は利用不可。
在来線の利用必須です。
不正乗車は厳禁
人として当たり前のことですが、不正乗車は厳禁。
「無人駅だしバレないだろ」と考えて途中下車するのも絶対ダメ。
普通に警察に捕まりますし、下手すれば高額請求なんてこともあるので。
食料は出発前に確保しておこう
仙台近郊区間で大回り乗車をする場合、食料はあらかじめ改札外で買っておくのがおすすめ。
基本的に改札内では飲み物しか買えないと思っておいた方がいいかもしれません。
- 米沢駅駅弁「牛肉どまん中」
- 峠駅峠の力餅
コンビニでありませんが、奥羽本線の米沢駅・峠駅であれば、改札内でも食料の調達は可能。
どちらも筆者イチオシのグルメです。
【仙台駅発】仙台近郊区間大回り乗車のおすすめルート

仙台近郊区間の路線図はこんな感じ。
以上のエリア内であれば、最安値の運賃で目的地まで行けます。
ここでは仙台近郊区間内の大回り乗車おすすめコースを紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
山形ルート
出発駅 | 仙台駅 |
---|---|
到着駅 | 東照宮駅 |
乗車路線 | 東北本線・陸羽東線・奥羽本線・仙山線 |
所要時間 | 約6時間 |
走行距離 | 約250km |
料金 | 190円 |
東北本線、陸羽東線、奥羽本線、仙山線を利用した山形縦横断コース。
新庄駅での接続がうまくいかず待ち時間が発生することが多々あるものの、陸羽東線の車窓は必見。
やっぱり秋の陸羽東線は東北の誇りよ。 pic.twitter.com/gJMray9XSe
— なか@東北旅びより (@naka_travel) November 18, 2020
特に紅葉の時期は思わず見入ってしまうほどの絶景です。
週末であれば仙台駅~新庄駅直通の「快速湯けむり号」も運行していますし、こちらを使うのもアリかと。
全車指定席ですが、指定席料金は530円と安く済みます。
石巻ルート
出発駅 | 仙台駅 |
---|---|
到着駅 | 榴ケ岡駅 |
乗車路線 | 東北本線・石巻線・仙石線 |
所要時間 | 約4時間 |
走行距離 | 約120km |
料金 | 150円 |
東北本線、石巻線、仙石線を利用した比較的短いコース。
もっと距離を短くしたい場合は、仙石線の高城町駅で折り返すのもいいでしょう。
日本の原風景やオーシャンビューを楽しみたい人におすすめのコース。
日本三景「松島」の風景は見どころです。
福島・山形ルート
出発駅 | 仙台駅 |
---|---|
到着駅 | 東照宮駅 |
乗車路線 | 東北本線・奥羽本線・仙山線 |
所要時間 | 約6時間半 |
走行距離 | 約230km |
料金 | 190円 |
東北本線、奥羽本線、仙山線を使った、米沢経由の山形コース。
奥羽本線の福島駅~米沢駅は特に本数が少なく、さらに山形新幹線も使用不可のため要注意ですが、とても面白いコースです。
牛肉どまん中
峠の力餅
米沢の名物駅弁「牛肉どまん中」や、知る人ぞ知る「峠の力餅」は必食。
特に今では珍しい、駅での立ち売り販売をする「峠の力餅」は旅の思い出にもなることでしょう。
また逆区間であれば岩沼駅~仙台駅間で「特急ひたち」に乗れることも。
1日1本かつ21時18分発と遅めの時間帯ですが、タイミングが合えばこちらを利用するのもアリかと。
指定席料金も760円なので安く済みます。
最長ルート
出発駅 | 仙台駅 |
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到着駅 | 榴ケ岡駅 |
乗車路線 | 東北本線・奥羽本線・陸羽東線・石巻線・仙石線 |
所要時間 | 約13時間 |
走行距離 | 約400km |
料金 | 150円 |
上で紹介した山形ルート・石巻ルートを合体させたコース。
仙台駅発の場合、おそらくこれが最長のルートでしょう。
列車の本数が極端に少ない区間もあるため、あらかじめ時刻表をよく確認しておくのがおすすめです。
特に奥羽本線の福島駅~米沢駅が難関なので、この区間に合わせて予定を組むといいかもしれません。
また仙台駅出発後の食料調達は激ハードなので、あらかじめ買っておく方がいいでしょう。
海もあり山もあり、険しい峠道やミニ新幹線も拝めるコース。
乗り鉄しがいがあり、飽きが来ないのでおすすめです。
【仙台近郊区間】大回り乗車とは?おすすめルート・注意点も紹介|まとめ
以上、今回は「【仙台近郊区間】大回り乗車とは?おすすめルート・注意点も紹介」という内容でお届けしました。
東京や関西に比べればエリアが狭く、ルートも限定的になりますが、仙台も見どころ満載でおすすめです。
ルートによっては1日中乗り鉄できますし、特に松島など車窓からの眺めも必見。






